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インタビュー 2020.02.27

スタートアップがファイナンスに悩まない世界の実現へ。――株式会社スマートラウンド「smartround」

スタートアップが成長するために、資金調達は必要不可欠だ。

しかし、未経験の起業家にとって、資金調達は難解で、時間がかかったり、間違ったりすることがある。

一方、資金を提供する投資家側も投資先の管理はいまだにスプレッドシートなどで行われており、非効率的な状態だ。

この両者の課題を一挙に解決するサービスが登場した。

株式会社スマートラウンドが開発・運営を手掛ける「smartround」だ。

どんなサービスなのだろうか。代表の砂川 大氏に話を伺った。

プロフィール

代表者
砂川 大

スタートアップの資金調達と投資家の投資先管理を効率化!「smartround」

――smartroundについて教えてください。

smartroundは、スタートアップの資金調達と投資家の投資先管理を効率化するサービスです。

――まず、スタートアップ側からの使い方を教えてください。

はい。まず、スタートアップの方には、サインアップをしていただき、会社情報を入力していただきます。

すると、投資家側の一覧にその企業情報が表示されるようになるんです。スタートアップは投資家とのコネクションを作ることができます。

――他に特徴はありますか?

はい。他にも資金調達の下準備として、資本政策のシミュレーションができるのも特徴です。

今まで、資本政策はエクセルやスプレッドシートを使って算出していました。しかし、これでは非効率ですし、コンバーチブルノートやストックオプションの計算が複雑になってしまっていたんです。

smartroundを使えば、さまざまな制度を踏まえつつ、ボタンを押すだけで資金調達のシミュレーションができます。

――簡単に資金調達のシミュレーションができるのは、スタートアップにとって非常に大きなメリットですね!

はい。機能はそれだけではありません。

デューデリジェンスの際にも、ドキュメントを投資家にシェアできるストレージを用意しています。アクセス権を付与することで、一部の人にだけ見せることが可能になるんです。

クラウドサインともAPI連携していますので、NDAの締結も簡単です。

――どんなスタートアップがターゲットですか?

スタートアップは資金調達の段階に限らず、幅広く使っていただくことができます。

しかし、注意していただきたいのは、SaaSモデルですので、スタンダードな資金調達のモデルに適している点です。複雑なラウンドの資金調達にはあまり適しておりません。また、アーリーステージの方が、効果を発揮しやすくなっています。

現在は、700社に導入いただいていますね。

――投資家側のメリットを教えてください。

まず、効率よくソーシングができるようになります。

新しいスタートアップを見つけるのに適しています。他にも見つけたスタートアップをブックマークしておく機能もあります。ブックマークをすることで、投資家は資金調達の時期を逃さずアプローチできるんです。

――他に投資家側のメリットはありますか?

投資した後の機能も充実しています。投資先の管理が可能になっているんです。

ファンドマネジメントでは、リターンがどれくらいのものなのか、現在の投資先のスタートアップのKPIや資金調達の状況を知る必要があります。今までこれらは、メッセンジャーなどで個別に問い合わせており、非常に手間がかかっていました。

そこで、スタートアップが自らデータをアップデートしていきますので、簡単にそのスタートアップの状況が見れるようになります。投資家自身がヒアリングをしなくても、その企業の状況がわかるようになるんです。

スタートアップの活用事例とは?

――スタートアップの活用事例を教えてください。

スタートアップはさまざまな使い方ができます。

あるスタートアップさんでは、資金調達のシミュレーションを作りこんでいらっしゃいました。逆に、シミュレーションの機能を使わず、ストレージのみを使用しているスタートアップさんもいらっしゃいます。

――smartroundの強みについて教えてください。

強みは資本政策にサービスを限定していないことです。

資本政策だけだと、それ以外の業務は別のツールを使わなければいけなくなってしまいますよね。これはスタートアップにとって手間になってしまいます。そのため、なるべくワンストップでファイナンスに関する業務を終わらせたいと考えています。

現在は、クラウドサインやfreeeと連携しており、今後もさらに提携先を増やしていこうと考えています。

――実際のユーザーの声を教えてください。

実際に、シリーズAでCFOが初めてジョインしたようなスタートアップさんから好評の声を頂いています。

CFOなど、今まで資本政策に携わっていたファイナンスリテラシーの高い人からも良い評価を頂いています。

スタートアップと投資家の課題を解決したい。smartroundの立ち上げの背景に迫る。

――起業するまでにどんな経緯があったのですか?

私は、新卒で三菱商事に入社しました。その後、ハーバードビジネススクールを経てVCに入社。VCでの経験をもとに最初の起業をし、会社をNTTドコモに売却して、Googleへ移りました。その後、今のsmartroundを立ち上げました。

また、エンジェル投資もしています。マネーフォワード、ダブルエル、Orowealth、Strand Therapeutics、yup等に投資させていただいております。

――それからsmartroundを立ち上げたきっかけについて教えてください。

smartroundを立ち上げたのは、投資家とスタートアップの間に情報の非対称性を感じていたからです。現在、情報がブラックボックス化されてしまっていて、標準化もされていません。また、スタートアップが参考にできる情報もありません。スタートアップにとってあまり健全とは言えない状況になってしまっています。

まずは、スタートアップに関する情報の標準化をしたい。そのために、smartroundを立ち上げました。

――なるほど。スタートアップを取り巻く課題を解決するべく、smartroundを立ち上げられたのですね!

ほかにもエンジェル投資をやっていた経験がsmartround立ち上げの背景にあります。

エンジェル投資をしている際、スタートアップを邪魔してしまっている感覚がありました。そのため、なるべく無駄な干渉をしない方法を探したいと思っていたんです。

また、投資先の管理が大変でした。ツールがなく、スプレッドシートで管理していたんです。このような状況は時代遅れだと思いました。

そこで、投資家にとっても便利なツールを自分で開発しようと思ったんです。

スタートアップが事業に関係ないことに集中しなくていい世界の実現へ――

――今後のsmartroundの展開について教えてください。

今後、smartroundは、スタートアップのためのワンストップショップを目指していきます。

スタートアップ向けのSaaSを提供している企業とAPI連携を進め、ボタン一つで申し込みが完了できるようなサービスにしていきたいですね。

スタートアップの中のひとつのエコシステムとして、サービスを使えるようにすることを目指しています。

――目指している世界について教えてください。

私たちは、スタートアップが事業に集中して、事業に関係ないことに時間をつかわなくてもいい世界を実現したいと思っています。

現在、アーリーステージであればあるほど、ファイナンスの知識に乏しく、ファイナンス関連の業務に時間を取られてしまいがちな状況です。

このような状況を、smartroundが入り口となって全て解決していきたい。データを入れれば資金計画がすぐにでき、月に1度でもアクセスすれば、ファイナンス関連の業務が終了するような形を目指しています。

――「スタートアップが事業に関係ないことに時間を使わなくていい世界」理想ですね!

私たちは、スタートアップが経済を浮上させると信じています。

実際に、世界のトップ企業でさえ、スタートアップが占めている現状です。しかし、日本はまだまだスタートアップの力が弱い。

この現状を解決するためには、スタートアップの裾野を広げていく必要があると思っています。より多くの人が起業できるようになれば、イノベーションも生まれるのではないでしょうか。

だからこそ、多くの人がスタートアップできる世界を目指しています。smartroundを利用したスタートアップの中からユニコーンが出てきてくれれば最高ですね。

smartroundが気になった方は、ぜひサイトもチェックしてほしい。

サイトへ

編集後記

取材担当橋本

日本ではまだまだ力が弱いスタートアップ。しかし、smartroundを使えば、さらにスタートアップ業界が盛り上がるのではないか、そんな風に思います。

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投稿者プロフィール

橋本 雅弘
橋本 雅弘
大学では社会福祉学を専攻。現在はStartupTimesのほか、日本最大級のAIメディア「AINOW」でも執筆。学生スタートアップ特化型アクセラレータープログラム「GAKUcelerator」でメンターを勤める。

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