マーケティングの現場で見出すべき企業のブランドイメージやターゲットには指標があるのだろうか?
そこで用いられる指標を、脳波の測定により明確にしようとする企業がある。株式会社SPARK NEURO JAPANだ。
最近ではGMやHulu、米軍など、この会社のサービスを利用する顧客も増えている。
SPARK NEURO JAPANのサービスとはどのようなものなのだろうか。林志洋氏に話を聞いた。
株式会社SPARK NEURO JAPAN COO
林 志洋
–株式会社SPARK NEURO JAPANのサービスについて教えてください。
弊社のサービスを一言でいうと、動画を視聴しているときの視聴者の注目度や感情を可視化するものです。脳科学とマーケティングを融合したニューロマーケティングを主戦場としています。
カスタマーの言語化能力に左右されやすい映像メディアへの「客観的評価」を、脳波からわかる「無意識な感情の起伏」を測定することによってグラフ化し、提供するというサービスです。
–どのように可視化するのですか?
頭皮を流れる電気信号である脳波を測定します。実際には、瞬きなどの身体の動きのような「ノイズ」と脳波の区別が必要なため、動画を視聴するといった座った状態は、この測定に適した環境であると言えるのです。また、動く人の脳波測定はこれから発展する領域であり、そのデータ集めにもなります。
–SPARK NEURO JAPANの強みを教えてください。
テクノロジーとクリエイティブ双方の知見を持っている点ですね。技術的な面では、米国での1万件近いデータセットを基にしたノイズ除去の精度の高さが強みです。クリエイティブ面ではCEOのマスイがMr.Childrenのプロデューサーも務めていることもあり、単なる数字の分析だけでなくクリエイターの意図を汲んだ上で示唆を出すことができます。マスイが主導となり当社がお客様のブランディング動画を制作した上で、当社の技術でテスト、分析結果をもとに修正を行ったプロジェクトもございます。
ケン・マスイ氏(本社ホームページより)
–マーケティング以外にも、展開している事業はありますか?
大手のコンサル会社と協力して人材のアセスメントに使う指標をつくる試みがあります。これまで注目された言語化能力、論理的思考能力のみならず、脳波を利用して感情的な部分にも注目して人材開発を進めようというものです。
また、医療においては京都大学出身の研究者と協力して、オフィス環境での脳波を測定し、病気の予防に役立てるというプロジェクトもあります。
–この事業を始めた経緯について、教えてください。
SPARK NEUROが立ち上げられたのは元々はニューヨークでした。アルツハイマーの研究で脳波を測定していた研究者が、座って動画を見るマーケティングの領域に注目したのが始まりです。
日本では、スタートアップ支援を行う株式会社EDGEofの目に留まり、JV(合弁会社)として創立、という流れです。現在は、そのEDGEofのノウハウを活かして、成長しています。
また弊社CMOの林恵一が、元々大企業のマーケティングをしていたときに、視聴者の言語化能力に左右されたり、上層部の恣意的な力によって決まりがちな映像メディアの評価を数値化できないかと考えていたことも立ち上げの要因の一つです。
–今後の展望は、いかがでしょう。
今はマーケティング、エンターテインメントの領域を広げることですね。今後は、新たな クリエイティブの指標として「スパークスコア」といった数値を導入できればいいと思います。「今回のCMのスパークスコアどうだった?」みたいな。
また、目指すのはクリエイターの役割の消滅ではなく、あくまでクリエイターの補助的役割です。どれだけ人の感情が動いたかがより細かくわかるサイエンスに基づいた指標を作れるといいですね。
将来は、マーケティングだけでなく人材開発、医療の分野にも本格的に切り出していきたいです。
–ミッションを教えてください。
人間のケイパビリティ、潜在能力を100%活かせる社会をつくりたいと考えています。人間が普段意識している部分というのは、脳科学にしてほんの10%の部分だけなのです。90%の「無意識」の部分を様々な領域で人間の生活に繋げて行くことができればと思っています。
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