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ニュース 2020.03.10

外食産業の「仕入れ」の効率化に着目し、革新的なサービスを提供するクロスマート株式会社

外食産業の発注業務の約7割は、FAXや留守番電話が使われている。毎日何百枚と送られてくるFAXの入力・集計には夜勤スタッフの人件費もかかり、手作業のためヒューマンエラーも頻発する。このような状況の解決を目指すスタートアップがクロスマート株式会社だ。

飲食店と卸売業者のマッチングサービス「クロスマート」と、LINE・FAX-OCRを活用した受発注サービス「クロスオーダー」をの2つのサービスを提供している。

どんな企業なのだろうか。詳しくみていこう。

プロフィール 

代表取締役
寺田 佳史

飲食店と産地・卸をつなぐ!「クロスマート」

――クロスマートについて教えてください。 

クロスマートは、仕入先を探す飲食店と卸売業者をつなぐマッチングサービスです。

――飲食店のメリットは何ですか?

飲食店は新規店舗をオープンする際、仕入先業者を探すのに苦労します。インターネットで検索するか、知り合いから紹介してもらうかが多く、出会いが少ないのが現状です。クロスマートを使うことで、簡単に仕入先業者を見つけることができます。

また、1ヶ月分の伝票をアップロードすれば、その明細を確認した卸売業者から最適な価格提案が届きます。店舗情報や取引先業者名は非公開にしているので、気兼ねなく安心して利用できます。

――卸売業者にとってのメリットは何ですか?

卸売業者は店舗開拓コストを大幅に削減できます。

卸売業者が店舗開拓するには、飛び込み営業がメインでした。飛び込んで運よく話を聞いてもらえても、何を仕入れているか、いくらで仕入れているかが分からないため、非効率な営業方法となっていました。

クロスマートには仕入先を探している飲食店が集まり、1ヶ月分の伝票を公開している店舗もあるので、見込み客を見つけやすく効率的に店舗開拓ができます。

これまで情報の非対称性が大きかった外食産業の「仕入れ」をオープンにすることで、飲食店と卸売業者の最適なマッチングを実現するのがクロスマートです。

LINEとFAX-OCRでカンタン受発注「クロスオーダー」

――クロスオーダーについて教えてください。

クロスオーダーは、LINEとFAX-OCRを活用した受発注サービスです。卸売業者の受注業務の効率化を図ります。

外食産業の受発注の約7割は、いまだにFAXや留守番電話が使われています。卸売業者には毎日何百枚、何千枚というFAXが届きます。FAXをデータ入力・集計するために夜勤スタッフを何名も雇用し、手作業でチェックしているためヒューマンエラーも起こります。「FAXを減らしたい」という卸売業者のために開発したのがクロスオーダーです。

――サービスの特徴を教えてください。

FAXを減らすためには、飲食店さんに発注方法を変えてもらう必要があります。そこでクロスオーダーでは「LINE」と「FAX-OCR」を提供しています。

LINEは飲食店の方々がもっとも使い慣れたインターネットサービスですので、すんなり使っていただけることが多いです。一度利用してからの継続率も非常に高いです。

一方でスマホを持っていない方や、FAXの発注方法を変えたくない方のために、FAX-OCRを開発しました。利用手順はいたって簡単で、当社指定の注文用紙をお使いいただき、FAXを弊社に送っていただきます。OCR技術を使ってFAXを一瞬でデータ化します。

OCR技術は自社で開発しており、データ精度も約90%まで向上しました。「仕入れ」に特化したFAX-OCRは、業界的にも革新的な取り組みだと思います。2020年1月にサービスを発表してから、多くの卸売業者・飲食店から問い合わせをいただいています。

「LINE」と「FAX-OCR」を提供したことで、飲食店のサービス導入率が大幅に上がりました。

既存産業の生産性向上こそが、ITの使命である。

――会社を立ち上げた経緯について教えてください。

私は新卒でサイバーエージェントに入社し、新規事業の立ち上げを多く経験しました。2018年に退職し、クロスマート株式会社を創業しました。

――自分で会社を立ち上げ、外食産業の課題解決に挑戦したのはなぜですか?

既存産業の生産性を向上させることが、テクノロジーの使命だと思っているからです。

自分は料理も作れませんし、良い食材の目利きもできませんが、これまで経験してきた事業・サービスづくりを通じて外食産業の課題を解決したいと思っています。

産業全体の業務効率が上がれば、今直面している人手不足の問題も同時に解決できると信じています。

私たちは外食産業の黒子になりたい。クロスマート株式会社は飲食業界の改革を進める。

――今後のクロスマート・クロスオーダーの進歩について教えてください。

細かいUI・UX の改善を続けて、使いやすさを追求していきます。

特にクロスオーダーは飲食店・卸売業者が毎日使うサービスなので、使いやすさの追求が大切だと思っています。現場に足を運び、ユーザーがサービスを使っている場面をカメラで撮影したり、会話をすることで、課題を早期発見・解決できるようにしています。

なるべく余計な機能はそぎ落とし、直感でわかる、シンプルで使いやすいサービスを目指しています。

――次の事業構想はありますか?

「仕入れ」に関する決済業務を効率化するサービスを考えています。

食材の売買には必ず決済を挟みます。与信、代金の支払いなど決済業務にも課題が多いので、次はこの領域の業務効率化を進めていきたいと考えています。

――会社のミッションを教えてください。

私たちは外食産業の黒子でありたいと思っています。

縁の下の力持ちとして活躍できればそれでいい。私たちの認知度はなくて構いません。その代わり、飲食店や卸売業者が普段使っている中で結果的に「便利になった」「働きやすくなった」「ありがとう」と言われるようになれば最高です。

そんな世界を目指して、これからも頑張っていきたいと思います。 

クロスマート・クロスオーダーについて気になった方は、ぜひサイトをチェックしてみてほしい。

サイトへ

編集後記

取材担当橋本

飲食店と卸売り業の問題を一挙に解決できるサービスに感動しました!美しいビジネスモデルですよね…

AIアクセラレーター、募集中。メンタリングを受けた人の感想はこちらこちら

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投稿者プロフィール

橋本 雅弘
橋本 雅弘
大学では社会福祉学を専攻。現在はStartupTimesのほか、日本最大級のAIメディア「AINOW」でも執筆。学生スタートアップ特化型アクセラレータープログラム「GAKUcelerator」でメンターを勤める。

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