会社における営業のの成績は、要因を分析しづらい。
なぜなら、コミュニケーションは定量化できるものではないからだ。
そこで、商談の内容を見える化し、営業の質を向上するサービスがある。
コグニティ株式会社が開発しているUpSighterだ。まさにかゆいところに手が届くサービスになっている。
また、現在将来の理想を達成するため、セールスやエンジニアの新たなメンバーを募集しているとのこと。
どんな企業なのか。くわしく見ていこう。
代表取締役
河野 理愛
1982年生まれ、徳島県出身。慶應義塾大学総合政策学部卒業。大学在学中の2001年にNPO法人を設立、代表として経営を行う。 2005年にソニー株式会社入社、カメラ事業を中心に、 経営戦略・商品企画に従事。2011年に株式会社ディー・ エヌ・エー入社、ソーシャルゲームの海外展開を担当。 2013年、コグニティ株式会社を設立。
1.人工知能で、コミュニケーションの質を分析!「UpSighter」
2.コグニティ株式会社設立までの激動の経緯に迫る
2.1.起業を通して、大企業のすばらしさを知った大学時代
2.2.大企業での充実した時間。それでも自分の道を行く
2.3.起業。そして、激動の海外修行
3.「働き方」「プロダクト」の両輪で、 コグニティ株式会社は大企業を目指す
4.コグニティ株式会社と一緒に夢が見たい、若者募集!
――サービスについて教えてください。
コグニティ株式会社が開発しているUpSighterは、「人工知能で、コミュニケーションの質を分析するサービス」です。
具体的な使い方としては、まず商談などの場面を録音します。その録音に基づき、話の内容をUpSighterで分析。レポートやランキングなどでフィードバックするというものです。
営業トークのスキルアップのためのツールになっています。
――「見える化」はどんなところから取り組んでいくのですか?
まずコミュニケーションを見える化するために、「自社内の成績の良い人と悪い人」「ある特定の商材が売れる人と売れない人」「特定の地域で売れる人と売れない人」などの違いを分析します。
セグメントをした時に、KPIが上がっていないところやできる人とできない人の分析をすることで、評価の可視化を行います。
コミュニケーションは可視化しづらいため、指導・評価がしにくく、感覚的にやることが多くなっていますよね。そんなコミュニケーションの場面を数字で見える化することで、方向性を示しやすくしているんです。
――どんな分析をするのですか?
「どんなものを何割話したか」や「どのような構成で会話をしているか」などの切り口で、商談の要素を見える化します。
まず「事例・リスクについて・主観的根拠・客観的根拠」など会話の内容、「発散的・一本道」などロジックの組み立て方、話者同士の話量の差などから商談内容を見える化し、特徴を検出。
そして、成績の良い人・悪い人で営業の質を点数化します。そこでスコアを比較すると、欠点などの特徴がわかるようになるんです。
また、点数化することで、会社としての営業のお手本を設定することもできますね。
――見える化すると営業教育の効率はめちゃくちゃ上がりますね!
見える化した後は、オートフィードバックの機能も備えています。「フィードバックシート」というものをお返しすることができるんです。
この機能を使えば、お客さんとのトークが録音しづらい場合、研修の時にも使えるようになるんです。
研修時の具体的な使い方は、ロールプレイングなどで話した内容をUpSighterにアップロードしていただきます。すると、トーク内容の要素やフィードバックを表示することができます。
フィードバックの最後には、自分のしゃべった内容の書き起こしがあり、成績が良い人と比べて足りないところを見られるんです。
このことで、指導コストの削減を実現。指導側の困っているところを幅広く解決するサービスになっています。
――ユーザーについて教えてください。
事業会社で営業部隊を持っている会社がターゲットです。
使い方は企業様によって、柔軟に変更することができます。具体的には、新人研修・成績が振るわない人向けのボトムアップ研修・新規事業の立ち上げたときなど、教育が足りていない場所への導入が可能です。
――競合について教えてください。
コールセンター向けのコミュニケーションを可視化するサービスは増えてきています。蓄積された情報があり、データがとりやすく、限られたワードしか出ないですからね。
しかし、コールセンターのサービスは、特定の商材に特化しており、商材が変わった瞬間に辞書の作り直しなどが起こってしまいます。つまり、限られた場面でしか利用することができないんです。
それに比べて、UpSighterは、技術的に固有名詞を無視して分析できるフレームワークがあるため、コールセンター以外にも幅広い分野で利用することができます。
会議・店舗対応・チームのチャットの対応・チャットでの接客の分析にも対応しています。
分野や状況に限らずご利用いただけることが強みになっていますね。
――コグニティ株式会社 立ち上げまでの経緯について教えてください。
14歳からスポーツ科学のウェブページを持っていました。当時はスポーツトレーナーなどの業種はなく、とてもニッチな業界。そのため、世界中から人が集まるようになりました。大学教授・プロアスリートなど、多くの人が悩みを打ち明けてくれたんです。
これは自分が対応するよりも、プラットフォームがあった方がいいと思いました。そこで掲示板を作成。悩みのマッチングを開始しました。
最終的には、年間600~800件のアスリートの悩みを解決できるようになるほどに。しかし、サービスとして収益を上げることができなかったため、解決する側もプロになれないという悩みを抱えていました。
――どうやってその悩みを解決したのですか?
しっかりと収益を上げられるサービスを作るために、仲間と一緒に法人化しました。そして、取引先を作り、お金になる案件を流すという情報マッチングをし始めたんです。
ここでは大手企業様との取引が多かったですね。海外から輸入したスポーツトレーニング用の器材の説明のインストラクションを書ける人を探していたり、スポーツの後のサービスができるかわからないと悩む大手企業様に人材のマッチングをしていました。
いわば「よろずスポーツ科学請負会社」のような感じでしたね(笑)。
――そこからどんな流れになったのですか?
基本的に、私たちが立ち上げたような小さなサービスでは、大手企業からだいたいはじかれてしまいます。
しかし、採用していただいた大手企業の方からは、「あなたの会社は新しく、良いことをしている。だからこそ、あなたの会社で仕事を発注したい」とおっしゃっていただけました。
そこで大手企業の考え方は素晴らしいと肌で感じたんです。
同時に、自分のような小さな会社のままでは、大手企業が持つような視野・視点になれないという危機感を感じました。小さな企業の限界が見えてしまったのです。
そのため、「大手の会社でやりたい」という想いが芽生えました。
大学4年の夏に、友達に事業譲渡。そこから遅すぎる就活を開始しました。
――就活を開始してからの流れを教えてください。
私が就活を始めたのは、大学4年の夏。もう採用案件はほぼありませんでした。
あったのは、海外の人材採用ぐらい。そこで何とか探し回って、たまたまソニーに入ることができました。修行と思って大手企業に飛び込んだんです。
ソニーには7年間在籍。ソニーは本当に素晴らしい会社でした。中長期のプロジェクトに参加したこともありましたし、新規事業の買い付けもやりました。本当に面白かった。一生サラリーマンでもいいと思ったくらい。起業はつらいことも多いですからね。
それでも辞めようと思ったのは、あるきっかけがあったからです。
――ソニーを辞めるきっかけは何だったんですか?
私がソニーを辞めるきっかけになったのは、震災があった2011年のことでした。
ちょうどその時、リストラの仕事を担当していたんです。そのタイミングで震災が起こり、周辺事業を含めて、様々な事業が畳まれていくのを目の当たりにしました。
そこで、自分のやっている事業の限界を感じたんです。もっと外に広げていくビジネスがしたい。そう思うようになりました。
――ソニーを退職した後は、どこで働いていたのですか?
そこで、グローバルに売り出す企業ならどこでも働くつもりで、転職活動を開始。DeNAが海外展開に力を入れていたので、ジョインさせていただきました。
しかし、DeNAでは、売れるものを作るというマインドが強く、ソニーで培った社会的に良いことをしようというマインドが少なかった。そこでまた葛藤が生まれました。
売るためだけに働くのであれば、起業した時と同じだと思ったんです。ここではやりたいことができないかもしれないと思い、1年足らずで辞めてしまいました。
そこからやるべきことはなにかを考え始めたんです。
――DeNAを退職してやるべきことは見つかりましたか?
退職してから自分の時間を持ち、プロトタイプを作っていろいろと試してみようと思いました。ソニーで新規事業をやっていたため海外VCに知り合いがいて。そのつてをたどりながらヒアリングや勉強をしていました。
そこであるビジネスアイデアを思いついたんです。そのアイデアは、方向性が時代の流れに乗っているから、すぐにやった方がいいというアドバイスをもらって。
そのアイデアとは、「意思決定の時の思考バイアスを技術でなくす」こと。
自分の視野は、見たいものを見ているだけで、本当に面白いものがあったとしても実は見えていないんです。私はここに人間の限界を感じていました。
人間の限界を突破できるようなテクノロジーの開発をしたかったんです。
――どんなテクノロジーを開発したのですか?
意思決定時の思考バイアスを技術でなくすために、最初は会議用のプロダクトを創りました。会議は、同じようなことが堂々巡りしたり、誰が言ったかどうかで議題が決定したりすることがありますよね。このような状況は非効率であると、言わざるを得ません。
このような課題を解決するために、オートファシリテーションの機能を開発。会議における重要なポイントを見つけて、アラートを上げるソフトを作りました。実は、現在のUpSighterと技術的にはあまり変わっていません。
しかし、会議のソフトは全然売れなかったんですよね。というのも、会議に関する製品って、一人で決済するものじゃないんです。みんなで使うもので、かつ、会議の生産性は目には見えず、成果もわかりづらかった。
何とか、売れるものを作ろうと、いろいろなピポッドを重ねたのですが、うまくいかず。売れないものを作り続けました。
しかし、ここで大量のデータをためることができたんです。現在のシステムが高い精度を保つことができているのも、この段階で大量のデータを集めることができたからなんですよね。
――今のサービスにもつながっている部分があるのですね!
最終的に、個人でアイデアや資料作りをするときに、壁打ちになる「一人ブレスト」のためのソフトを開発しました。しかし、日本のユーザーが9%しかいなくて。社内の人間も、海外のニーズがわからないと言いはじめ、社員の心も離れ始めてしまいました。
これはまずい、このままでは会社は潰れてしまう。
そう思った私は最後のチャンスに懸けました。それが3か月の海外修行だったんです。
――海外ではどんなことを?
お客様が海外にしかおらず、日本で売っても仕方がない。それならば海外へ出て、アクセラレータープログラムに参加しようと思いました。
普通は、会社として成り立っているから、海外になんていけないですよね。でも、その一発逆転のチャンスに懸けるしかなかったんです。
そして、海外へ出て、アクセラレータープログラムをかたっぱしから受け続けました。「受かるまでは帰らない」。まさに背水の陣で渡航したんです。
そして、アメリカ横断を2回、縦断を1回、大西洋を1回横断して、合計で15個のアクセラレータープログラムを受け続けました。
そして1か月後、やっと受かって。
海外修行の成果が結実した瞬間でしたね。この経験が現在の「UpSighter」開発につながっています。
――将来の展望を教えてください。
私は、ソニーで多くのことを学びました。そのため、大きな会社にしたいという夢があります。大きな会社にして、新しい仕事を作りたいと考えています。
新しい仕事を作り出すために、「働き方」もプロダクトの1つとして考えています。というのも、職場でも様々な場面でバイアスを取る活動をしているんです。
例えば、弊社の社員の8割が女性。しかも主婦ばかりなんです。その中には仕事でPCを使ったことがないような人も2割以上いました。そんな人でもできる仕事を作っています。どこにいようが、子育て・介護・持病などどんな状況にいようが、上を目指せるような環境を目指しています。
UpSighterというプロダクトと、「働き方」の両輪でバイアスを取る活動を大きくしたいと考えています。
この活動を大きくするプロセスで、上場をしたい。上場の前にも先にもやりたいことがたくさんあるんです。
――やりたいこととは?
海外進出です。
海外のお客様がついているという現状で、日本にとどまるビジネスにはしたくありません。
海外人材の採用もできました。最近では、日本語以外での会議が渦巻いています。また、今年から海外でPoCもします。海外はニーズが違うので、HR向けのサービスに変更していきたいと思っています。
最終的には、グローバルでたくさんの人が働けるような会社を作りたい。
――セールスの募集をしたいとのことでしたが?
今まであまりセールスの求人をしていませんでした。
というのも、社内で若手のセールスを監督できるような体制が整っていなかったんです。
今、ついに教育環境が整いました。しっかり学びながら成長できる体制ができたんです。
というわけで、社内では、若手セールスの募集をしています。
弊社のセールスは特徴的。モノがあって、ただそれを売ればいいというわけではありません。経営層と対峙して、どう生産性を上げていけばいいか一緒に議論していかなければいけないんです。
上の人間と現場の意見をすり合わせながら、会社の中の困っていることを解決するという面では、コンサルタント的な要素があります。
また、経営課題が直接見えることも、大きな特徴。勉強しながら対応できる人にとっては、営業スキルをつけるための絶好の機会だといえます。もちろん営業が初めての人も大歓迎。
セールスの若手は年内に5人の採用を考えています。精鋭のチーム作りたいです!応募を待っています!
――今までの採用経験は?
今まで採用した方は、結果的に若手でいい人材を集めることができました。たとえ若い方でも、やる意味があれば本気で頑張ってくれますし、何より飲み込みが早い。
その中でも2年半以上インターンをしてくれた方や、大学3年生で休学して地方からフルタイムで参加しているインターンの方もいます。
2年半以上在籍していただいた方には、1年経った時には社長室長を任せ、部下も付けました。このようにやる気があれば、ポジションを作ることも可能です。
若者が活躍しやすい職場になっていると思います!
――どんな人が欲しいですか?
近視眼的な視野を持つのではなく、長期的な目標に向かう忍耐力を持っている人が欲しいですね。長期的なことを考えながら実行できる人を歓迎しています。
また、失敗してもいいから新しいことにチャレンジできる人にも向いています。
弊社の特徴的な行動指針として、「自分に厳しく、おせっかい」というものがあります。目先の自己利益でなく、他人の目線で少しやっておいたほうがいいことをできる「おせっかいさ」のある人が欲しいですね。
勇気あるあなたの挑戦を待っています。
――応募する人達にメッセージをお願いします!
私たちはスタートアップ企業ですが、キラキラしたスタートアップではありません。愚直さ・泥臭さ・無骨さが強い。
また、大きな企業にすることを見据えているので、「今やる必要ある?」というような仕組み化も進めています。大局的な視点を持っているからこそ、今仕組み化を進めているんです。
このような面があるため、大手企業経験をしている方には合っているかもしれません。大手の良さを理解し、ルールの中で自分の能力を発揮できる人に向いています。
規則・基準に沿って自分に何ができるかを探す軍隊的な感覚が必要なんです。自由に自分の仕事をするためには、軍隊的に自分に定められた職責を果たす必要があります。そのうえで自由があるわけです。
その部分に理解を頂ける方は、ぜひ採用ページにアクセスしてみてください。
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取材担当橋本
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