少子高齢化が進み、労働人口が減少しつつある現代日本。人手不足のなか、多くの人事担当者が悩まされるのが社員の早期退職だ。
企業がコストをかけて採用した人材が、会社や部署と価値観が合わず、入社して3年も経たずに退職してしまうケースは多い。
株式会社ミツカリは、企業の社風や採用候補者の価値観を可視化し、人と組織のカルチャーフィットをはかるサービス「ミツカリ」で、採用した社員の早期退職を未然に防ぐ。
代表取締役社長CEOの表孝憲さんは、前職でいわゆる部付人事で面接官を任された時の問題意識をきっかけにミツカリを立ち上げた。性格データの蓄積と分析を進め、「社会全体の適材適所」というミッションの達成を目指す。
どんな企業なのか。詳しく見ていこう。
株式会社ミツカリ 代表取締役社長CEO
表 孝憲
ーーミツカリはどんなサービスですか?
人と組織のカルチャーフィットをはかる適性検査です。採用候補者が入社した後に感じる職場とのミスマッチを予測することで、早期退職を未然に防げます。現在では、業種や業態に関わらず約2800社に導入いただき、およそ16万人に適性検査を受けていただいています。(2020年4月現在)
ーー他の適性検査とどこが違いますか?
自社で働く社員と採用候補者を、性格や価値観の観点から比較できるのがミツカリの特徴です。自社で実際に働く社員と価値観を比較することで、自社で活躍できる人材を探し出せます。
また、ミツカリが役立つのは人材採用の現場だけではありません。社員一人ひとりの価値観を分析することで、社内の人員の配属にも活かせます。
ーーミツカリを導入した企業が結果を受け取るまでの流れを教えてください。
まず、社員の方々に適性検査をWebで受けていただきます。会社や部署ごとの社風を分析し、数値化するためです。その後に、採用候補者の方々に同様の適性検査を受けていただくと、即座に会社や部署との相性を分析した結果が出ます。
一般的な性格検査では30分程かけて回答するものが多いです。しかし、ミツカリは問題数を削るデータ分析を経て、精度を担保しながらたった72問の設問だけで検出できるのです。回答にかかる時間は10分程度です。
ーー企業にはどんなメリットがありますか?
企業側には自社の社風を客観的に理解できるメリットがあります。自社の社風に合った人材の採用は、社員の早期退職の減少につながります。また、社員一人ひとり性格や社員同士の相性を意識して行う組織づくりをすれば、従業員エンゲージメントは向上するでしょう。
データに基づいた採用で採用にかかるコストを削減できるのも、メリットの一つです。中には、面接者数を半分に減らして、入社する社員数を2.5倍に増やした法人のお客様もいます。
ーー採用候補者にはどんなメリットがありますか?
採用候補者にとってのメリットは、自分に合った社風を持つ企業に出会えることです。自分の価値観を示す客観的なデータをもとに選考を受け、社風に合うかどうかを基準に採用してもらえるからです。自分と価値観が合う企業で働くことは、その後のキャリア形成にも役立ちます。
ーー起業のきっかけを教えてください。
前職でいわゆる部付人事を任されたときに、採用候補者が入社後に活躍し続けるには、スキルだけでなく価値観が企業に合うかどうかも関係することに気づいたのがきっかけです。その後留学をして、性格データが近い人同士がチームを組むと離職率が減るという論文に出会いました。そこで、性格データの蓄積・分析が人事業界に役立つのではないかと考え、起業に至ったのです。
ーーなぜこのサービスを始めようとしたのですか?
自社の社風や社員の価値観を分析したい企業のニーズを感じたからです。創業当初は、性格データをもとに転職希望者と企業をマッチングするサービスを検討していました。しかし、HRテックの業界はまだまだデータが足りず、データを集めるニーズのほうが大きいのが現状です。そのニーズに応えるために、BtoBで適性検査とデータ分析の提供をしています。
ーーこのサービスの今後は?
HRテック業界の中でも有数の性格データ保有数を活かし、データの分析を続けることで、人と企業のミスマッチを減らしていきます。今後、さらに適性検査を受ける人数が増えることで、機械学習による分析の精度は向上していくと思います。ミツカリを性格データ分析のリーディングカンパニーのような存在にできたらいいですね。
ーー目指す世界を教えてください。
ミツカリのミッションは「社会全体の適材適所」です。それを実現するために、「人と企業のミスマッチをなくして、仕事で不幸に感じている人をなくす」というビジョンを掲げています。まずは企業と人材の出会いの場から、互いの性格を理解して組織をつくることが「当たり前」になるように、サービスの提供を続けていきたいです。
株式会社ミツカリが気になった方は、以下のリンクまで。
取材担当佐野
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