少子高齢化の影響で年々減少する日本の労働人口。外国人労働者は、日本の労働市場にはもはや欠かせない存在だ。しかし、せっかく外国人が日本で働くために来日しても、日本語能力が原因で職場で孤立化してしまう人がいるなど、日本語教育には課題が多い。
GEパートナーズ株式会社は、オンラインでネイティブ日本語講師のレッスンが受けられるサービス「日本語.COM」を提供し、誰がどこでも質の高い日本語教育を受けられるようにする。
代表の木本佑史さんが起業した背景には、自身がシンガポールで外国人として過ごした原体験がある。サービスを通して、どの国の人でも日本企業で活躍できるように、日本語学習という「壁」の除去を目指す。
どんな企業なのか。詳しく見ていこう。
GEパートナーズ株式会社 代表
木本佑史
ーーサービスを一言でいうと?
オンライン上で日本語の会話学習ができるサービスです。現在は主にベトナム在住の方に利用していただいています。利用目的は資格取得やビジネスシーンでの日本語習得など、さまざまです。
ーーどうやって利用するのでしょう?
ユーザーは自分自身の日本語能力に適したコースを選び、学習を開始します。自習用コンテンツはいつでも利用でき、単語や文法、リスニングの練習が主な教材の内容です。
Eラーニングで基礎力を身に着けたら、指名した日本人講師と一対一で会話の実践練習をしていただきます。講師は日本語だけにとどまらず、ITや介護など各分野のプロフェッショナルなので、日本語学習の目的に合った先生に出会えるでしょう。
加えて月に1度、担当者がコーチングによって最適な学習スタイルを提案するので、ユーザーは効率的な学習を継続することができます。
ーーユーザーにとってどんなメリットがありますか?
ネイティブの日本語講師による質の高いレッスンが受けられることがメリットですね。海外の日本語学校の講師は実はレベルが低く、実用的な日本語を話せる講師は多くありません。ビジネスレベルの会話なら尚更です。日本語.COMを利用すれば、海外に住んでいても実用的な日本語の会話を学ぶことができます。
日本語を学習した後に就労支援を受けられるのもメリットの1つです。弊社は外国人仕事紹介サービス「JPスカウト」を提供していますので、そこから日本でのキャリア形成を始めることができます。
ーー競合サービスとの違いを教えてください。
ビデオ通話を用いて日本語講師との会話練習ができるサービスは他にもありますが、日本語の基礎が学べる教材も取り揃えているのは日本語.COMだけの特徴です。自社開発で教材を提供しているので、教材を使った学習の質にも自信があります。
また、ターゲットの違いも差別化の要素になります。日本在住の外国人を対象にしたオンライン日本語学習サービスは多いですが、日本語.COMは海外在住の学習者をターゲットにしたサービスです。 ベトナムには現地法人を設置し、オフラインも含めたサポートの充実を図っています。
ーー起業の経緯を教えてください。
シンガポールで自分自身が言葉も文化もわからない中で過ごした幼い頃の原体験が起業の背景にあります。大人になってからはベトナムでそろばん塾を経営していたのですが、そこで日本に働きに出る人の多さを目の当たりにしました。慣れない環境で働く外国人の力になりたいと思い、まずは日本における外国人就労の領域から事業を始めたのです。
ーーなぜこのサービスを始めたのですか?
外国人就労の支援を行う中で、日本語能力が原因で就労がうまくいかなかったケースに多く直面したのがきっかけです。そこで、ベトナムの日本語学習の現状を調べたところ、まともな日本語を教えられる環境が整っていないことに気づきました。Eラーニングの提供で、質の高い教育を学習者がどこに住んでいても受けられるようにしたいと思っています。
ーーこのサービスの今後は?
今後はサービスのUXを強化しつつ、規模を拡大していきます。現在は主に国内とベトナム在住の方を対象に展開していますが、徐々に他の国にも対象を広げていきたいです。
ーービジョンはありますか?
外国人の日本語能力の課題を解決し、外国人の就労環境や日本企業の生産性を向上させます。新型コロナの感染拡大でテレワークが当たり前になりつつある中、5Gなどの技術革新も進み、人が働く国が多様化してきているのを感じています。さまざまな国の人が日本企業で活躍するために、日本語学習という壁を完全に取り除けるといいですね。
GEパートナーズ株式会社の日本語.COMが気になった方は、以下のリンクまで。
取材担当佐野
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