AIによる画像認識や自律制御などの技術が発達し、自動車の自動運転の実用化が近づいている。それに伴い注目されているのが、搭乗者の車内での過ごし方だ。
株式会社シナスタジアは、移動に連動したVRコンテンツの制作システム「ライドビジョン」で移動体験に新たな付加価値を提供する。
代表取締役社長の有年亮博さんは、現地のメタ情報を知るという観光の醍醐味を多くの人に届けるためにサービスを立ち上げた。自動運転技術が発達しつつある中、VRコンテンツが集まるプラットフォームの作成を目指す。
どんな企業なのか。詳しく見ていこう。
株式会社シナスタジア 代表取締役社長
有年亮博
ーーライドビジョンとは、どのような技術ですか?
乗り物の移動に連動したVRやAR体験が可能になるシステムです。どんな車両にでも後付けで搭載できます。
現在のメインターゲットは、BtoCモデルの観光サービスの事業者様です。既存の観光バスにライドビジョンを搭載すれば、VRやAR技術を用いた全く新しい形の観光体験を乗客に提供できます。
ーーどうやって利用するのでしょう?
VRゴーグルをつけて観光バスに搭乗していただくと、バーチャル映像上のキャラクターに観光地をガイドしてもらうなど、バスの移動に連動したエンターテインメントを楽しんでいただけます。
ゴーグルを通して見える街の実写映像に合わせて動くコンテンツを視聴したり、完全なバーチャル空間の中で周囲の状況と連動したVR体験を楽しんだりと利用方法は様々です。観光地に合わせたコンテンツの制作を行うので、その場所ならではの観光体験の提供ができるでしょう。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=hEqk0ywRQdI]
ーーサービスの強みはどんなところにありますか?
移動に連動したVR体験を簡単に作れるAPIを公開しているので、ゲームやアニメなどの制作会社とのコンテンツのコラボレーションが容易なことです。同じ経路を移動していても、好むVR体験は人それぞれではないでしょうか。制作会社と協力して作成したVRコンテンツをクラウド上に集めることで、ユーザーが体験できるコンテンツの選択肢を増やしていきます。
ーー起業のきっかけを教えてください。
学生時代の通学で超満員電車に嫌気がさし、満員電車を撲滅させたいと考えたことがきっかけです。「移動」とは本来、見たことのない世界に行ったり、新しい体験をするためにあるもので、これを全く動けない状態で過ごすのはおかしなことだと思っています。「移動」に新しい概念を加えるために、最新の技術を用いて楽しい移動体験を追求していきたいですね。
ーーなぜこのサービスを始めようとしたのですか?
場所に紐づいたメタな現地情報を知るという観光の醍醐味を多くの人に手軽に味わってほしいと思ったからです。調べないとわからない歴史や背景、文化を知ったとき、その土地に愛着が湧いたという経験はありませんか?ライドビジョンで現地のメタ情報を可視化させれば、観光はもっと楽しくなると思います。
ーーこのサービスの今後は?
年内には、ライドビジョンを使った観光ツアーのサービス実証を行う予定です。
自動運転技術が発達し、移動空間そのものが巨大な余暇市場になりつつある中で先陣を切り、移動と連動したVRコンテンツが集まるプラットフォームの開発を続けていきます。
ーービジョンはありますか?
コンピューターが3次元の現実世界を人間と同じように認識し、これまでうまく表現ができなかった情報を人間に対して出力することで起こる体験を、私たちは「知覚革命」と呼んでいます。この「知覚革命」が起こる世界で、移動体験の新しい形をリードしていきたいです。
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