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インタビュー 2020.07.29

オーダー情報と配達を集約し、デリバリーとランチの環境を激変させるフードテックーーミノージャパン株式会社

忙しく働くオフィスワーカーの昼休み。貴重な時間を無駄にしないために、フードデリバリーサービスを利用している人は多い。しかし、運び手の不足によるオーダーキャンセルが発生したり、ピークタイムに集中するオーダーや高額の配達関連費用に飲食店の経営が苦しめられるなど、デリバリーサービスの問題は顕在化している。

ミノージャパン株式会社は、オーダー情報を集約して飲食店に送信し、オフィスに設置された特殊なフードロッカーにお弁当をまとめて格納する「コンタクトレス・デリバリー(特許申請中)」で、デリバリーとランチの環境を大きく変える。

将来的には、一つの建物に対するデリバリーをすべて集約するオープンプラットフォームの開発を目指すそうだ。

どんな企業なのか。詳しく見ていこう。

プロフィール

ミノージャパン株式会社 代表取締役

池田保

オーダー情報を集約し、オフィスの専用ロッカーにランチを届けるフードテック

ーー提供しているサービスを一言でいうと?

多彩なジャンル・メニューのお弁当を、今までにないピックアップ体験で届けるサービスです。都心の人口過密地帯にあるオフィスビルで勤務されている方や、医療従事者の方をユーザーとして想定し、コンタクトレス・デリバリー(特許申請中)という仕組みで効率的にランチを配達します。

ーーコンタクトレス・デリバリーとはどんな仕組みですか?ユーザーの利用方法を教えてください。

Minnow Podが設置されたビルに勤めている方はサービスに事前登録すると、毎朝さまざまなレストランのメニューがSMS/Eメール/LINEで届きます。お好みのメニューを選び、メッセージに返信してください。Minnowがオーダー情報を集約し、お店に送信します。

お店が作ったお弁当はMinnowが回収し、職場に設置されているMinnow Podにまとめて配達・格納します。格納された段階でユーザーに通知が行くので、メッセージに記載された専用リンクを押して自分のお弁当が入っているドアを開き、ピックアップしましょう。お弁当の温度は格納時から維持されるので、衛生や品質の面でも安心です。

ーー競合サービスとはどう差別化しますか?

お客様とお店側のオーダーのやり取りが1to1で行われるフードデリバリーサービスとは、2つの点で差別化ができます。

1つ目は、オフピークの時間帯にオーダーをまとめて一回でお店に送信する点です。ピークタイムにオーダーが集中しやすい他サービスと比べ、お店のオペレーションの負担が少なく、デリバリー人員不足が発生して注文が通らないといったトラブルも発生しません。

2つ目は、お店にとって妥当な手数料でビジネスが成り立つという点です。現在普及しているデリバリーサービスの手数料は35%から40%で、お店にとって大きな負担となっています。デリバリー関連費用が粗利の半分以上になるケースも多く見られます。オーダーを集約し、Minnow Podにまとめて格納するMinnowの仕組み(特許申請中)は、人件費を低く抑えられるので、飲食店様からいただく手数料を10%から15%と低く抑えることができるのです。

Minnowを利用していただければ、お店は高額な手数料に対応するために専用メニューを作ったり、既存メニューの価格を上げる必要がなく、結果としてお店のブランドや評判への悪い影響をなくすことができます。

オフィスワーカーのお昼休みとレストランビジネスの現状を変えたい

ーーなぜこのサービスを始めようとしたのですか?

「オフィスワーカーのお昼休みの現状を変えたい」という思いから、このサービスを立ち上げました。

都心のオフィスビルで働く人たちのお昼休みは、エレベーターやお店に並ぶのに多くの時間が費やされ、お昼ご飯を食べるのに使う時間がほとんどありません。Minnowのサービスを通し、お昼休みの時間を目いっぱいランチに費やしていただき、一生懸命働く人の昼休みを「パワーを充填する時間」にしたいと考えています。

また、「フードデリバリーサービスにレストランビジネスが破壊されている」と感じたことも、サービス立ち上げのきっかけです。

レストランのビジネスモデルは店内飲食で得る利益が約70%と言われていますが、デリバリーサービスの高い手数料はその半分以上を持って行ってしまいます。このままでは、デリバリーサービスから撤退したり、事業規模を縮小するレストランも出てくるでしょう。コンタクトレス・デリバリーを都心部に大規模に展開できたら、飲食店やフードトラックの事業拡大に貢献できると信じています。

デリバリーを集約するオープンプラットフォームの開発へ

 

ーー将来の展望を教えてください。

このサービスを一つの建物に対するデリバリーをすべて集約するオープンプラットフォームとして開発し、物流業界のラストワンマイル問題を解決します。

フードデリバリーに限らず、現在普及している宅配サービスは、送り手と受け手の関係が1to1のものばかりです。今後ますますデリバリーの需要が増す中、このまま1to1のオペレーションを続ければ、モノの運び手が足りなくなるのは当然の帰結と言えます。物流を効率化し、デリバリーを担う人手を確保する仕組みが、今まさに求められているのです。

建物にMinnow Podを設置すれば、さまざまなサービスの運び手が同じ建物に出たり入ったりする非効率さを解消することができます。都心の人口過密地帯にMinnowを浸透させ、日本の物流環境を大きく変えたいですね。

ミノージャパン株式会社が気になった方は、以下のリンクまで。

サイトへ

編集後記

取材担当佐野

デリバリーサービスの需要が拡大する中、運び手の不足は大きな課題で、運び手がいないことが原因でオーダーのキャンセルも発生しているそうです。コンタクトレス・デリバリーが都心部で機能するようになれば、物流業界は大きく変わりますね!


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