少子高齢化が進行し、労働力人口が減少している現代日本。日本社会を支える労働力として注目されているのが外国人労働者だ。しかし、偽造在留カードを使っている可能性など、外国人労働者を雇う企業にはリスクが付きまとう。
タブソリューション株式会社は、外国人労働者と求人企業のマッチングプラットフォーム「JOB&WORK」で、外国人求職者の採用管理から労務管理までを一気通貫でサポートする。
代表取締役のエルデネトグトフ トゥブシンバトさんは、日本で仕事を見つけるのに苦労した自身の経験をもとにサービスを立ち上げた。今後はフィンテック分野の技術開発も進める。
どんな企業なのか。詳しく見ていこう。
タブソリューション株式会社 代表取締役
エルデネトグトフ トゥブシンバト
ーーJOB&WORKとはどんなサービスですか?
外国人求職者と求人企業のマッチングプラットフォームです。外国人求職者の採用管理から労務管理までを一貫してサポートします。登録している外国人労働者は9000人以上で、現在は物流業界の企業様に多くご利用いただいています。
ーー求人企業はどうやって利用するのでしょう?
求人企業は、デイワーク・パートタイム・正社員などの条件を指定してジョブ掲載をします。求職者から応募が来たらチャットで連絡を取り、必要に応じて面談などを行ってください。完全オンラインで採用が完結するので、新型コロナウイルス拡大に影響されずに採用活動を進めることができます。
偽造在留カードの確認システムなど、不法就労をさせないコンプライアンス機能が導入されているほか、在留期間や労働時間の管理の代行も当サービスが行うので、労務管理のことを心配することなく採用活動を行っていただけます。
ーー外国人求職者とのミスコミュニケーションは発生しませんか?
求職者の日本語能力は、弊社のカスタマーサクセスが事前に電話で確認しています。また、サービスのチャットには100か国以上の言語に対応した自動翻訳システムが付いているので、採用に関わる意思疎通に齟齬が生じることはないでしょう。
ーー外国人求職者にはどんなメリットがありますか?
日本語が上手くなくても仕事を検索し、すぐに働いて、すぐに給与をアプリから申請しもらえることです。
日本に来たばかりの外国人は、日本語能力に自信がないだけでなく、土地の名前を言われてもどこかわからない場合が多いんです。JOB&WORKのアプリなら、仕事を母国語で地図から検索できるので、都合のいい働き口を見つけられます。
また、JOB&WORKが掲載する求人のメインはデイワークです。時間に柔軟な働き方ができるほか、外国人求職者のニーズに多い日雇いや給与前払いにスムーズに対応することができます。
ーー他の求人媒体との違いを教えてください。
求人媒体に在留カードのICチップを読み取る機能を業界初実装した点ですね。偽造在留カードを使う不法在留者は、日本に8万人いるという推計もあります。この機能で、応募者が法的に就労できるかを確認する手間・コストを省きながら、企業と外国人労働者が安心して雇用契約を結べる環境を実現しているのです。
ーーここまでサービス開発を進めてきた経緯について教えてください。
日本語がわからないまま来日したとき、仕事を見つけるのに苦労した私自身の経験が、起業のきっかけです。サービスを立ち上げた直後は、引越し作業や倉庫の軽作業など、日本語が上手くなくてもできる仕事を在留外国人に紹介していました。
しかし、高い日本語能力が必要ない仕事の多くは短期的なです。在留外国人が長期間に滞在するには高い日本語力が求められます。そこで、コンビニや飲食店の従業員など、日本語によるコミュニケーションが頻繁に必要とされる仕事にも徐々にマッチングできるように仕組み化を現在試みています。
ーーこのサービスの今後は?
外国人求職者のアルバイト実績などのデータを活用し、外国人が金融サービスを受けるための信用スコアを算出するシステムを開発していきます。在日外国人の中には、いわゆるアンダーバンクトの人々が多くいて、彼らが豊かな生活を送るために、金融サービスを自由に受けられることが重要だと考えているからです。
JOB&WORKは、デイワークを中心とした求人を掲載してきたため、サイトの利用回数が通常の求人サイトよりも多いんです。データ蓄積量の多さを売りに、金融業界のパートナーを増やしていきたいと思っています。
ーービジョンを教えてください。
日本が大好きな外国人のJapanese Dreamの実現を応援するプラットフォームで、日本を元気にします。日本に来て学んだことがたくさんあるので、その恩返しをしたいです。
将来的には、母国とは違う国で働く人たちを応援するサービスを全世界で広げ、みんながハッピーになれるコミュニティを作れたらいいですね。
タブソリューション株式会社の「JOB&WORK」が気になった方は、以下のリンクまで。
取材担当佐野
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