株式会社クラッソーネが提供する解体工事の施主と工事会社のマッチングサービス「くらそうね」を活用すれば、解体にかかる費用の予測を最短1分で把握できるそうだ。
代表取締役の川口 哲平さんは、ハウスメーカーに勤めながら、非効率な業界構造を変えたいと思い同社を立ち上げた。サービスの提供を通じて、「豊かな暮らしで人々を笑顔に」というミッションの達成を目指す。
どんな企業なのか。詳しく見ていこう。
株式会社クラッソーネ 代表取締役
川口 哲平
ーー「くらそうね」とはどんなサービスですか?
「くらそうね」は、建物の解体を希望する施主と工事会社のマッチングサービスです。現在加盟している工事会社様は累計約900社で、月あたりの利用者数は3000人になります(2020年7月時点)。
ーーユーザーはどうやって利用するのでしょう?
ブラウザ経由で「くらそうね」にアクセスしていただき、見積依頼フォームに解体したい建物の情報を入力すると、近隣の工事会社が最大10社リストアップされます。各社の「会社情報」「口コミ」「予想される解体費用」の3つの情報を数分で把握できるので、安心・納得の工事会社を簡単に見つけることができるでしょう。
工事会社とはメッセージをWeb上で交わすことができます。現地での見積もりが完了し、見積書が届いたら、各社のプランを比較検討して契約を結んでください。ハウスメーカーや工務店を通さずに工事会社と直接取引ができるため、通常は費用の2~3割程を占めるマージンがかからず、大幅なコストカットが可能です。
ーー工事会社にはどんなメリットがありますか?
解体工事の受注確度が高い顧客を獲得できることがメリットとして挙げられます。「くらそうね」を通して見積もりを申し込む顧客は、あらかじめ会社情報や見積金額の予想を確認しているので、契約成立に結びつく確率が高いのです。
ーー競合サービスはありますか?それとの違いを教えてください。
解体工事の一括見積サービスという観点では、競合サービスは存在します。それに対し、「くらそうね」が持つ強みは3つです。
1つ目は、工事会社の情報が見える化されている点です。施主と工事会社の間に立つマッチングプラットフォームとしての立場が、公平な目線での情報開示を可能にしています。
2つ目は、見積依頼から着工までのプロセスのほとんどを、オンラインで完結できる点です。工事会社は見積作成機能や契約締結機能、顧客管理機能を活用すれば、今まで紙で行われていた作業をオンラインで一括して行えるほか、メッセージ機能で顧客への手厚い対応が可能になります。
3つ目は、解体費用の目安がわかるまでの早さです。「くらそうね」では、14万件の価格データを蓄積したAIにより、見積もり予想金額が最短1分で算出されます。現地調査が必要な従来のサービスでは、複数社の見積もりを取得するまでにかかる時間が平均で20日かかると想定されるので、これは大きな差別化要素になると思います。
ーー起業のきっかけは何ですか?
前職のハウスメーカーに勤めながら、非効率な業界構造を変えたいと思ったことがきっかけですね。住宅業界は情報の非対称性が大きいため、施主様がご自身で解体工事会社を探したくても、良い工事会社を自力で探すことが難しく、ハウスメーカーに紹介を依頼せざるを得ない現状を目の当たりにしたんです。
ーーなぜこのサービスを始めたのですか?
安くて良い工事会社を探したい施主様の願いと、契約の成約数を増やして利益を出したい工事会社様の願いを両方叶えたいと思ったからです。
しかし、施主様にとっての安さと工事会社様の利益はトレードオフの関係にあり、両者の要望を実現するには業界全体のムダを改善する必要があります。そこで、Webアプリケーションを用いて流通構造と業務プロセスを効率化するべきだと考え、サービスを立ち上げました。
ーーこのサービスの今後は?
工事会社様向けの業務改善機能の追加を続け、工事会社様に「”くらそうね”があれば工事に集中できる」と思ってもらえるようなサービスにしていきます。
中小企業が多くを占める日本の工事会社は、事務処理や元請けとの書類のやり取りに日々追われています。Webアプリケーションで業界全体の生産性を向上させることで、工事会社は本来の業務に集中し、顧客はより良い体験が得られる好循環を作り出せたらいいですね。
ーー目指す世界観を教えてください。
私たちが掲げるミッションは「豊かな暮らしで人々を笑顔に」です。
解体事業を起点としてサービスの幅を広げていき、「豊かに暮らそうね」という言葉がもとになっている会社名にふさわしい顧客体験の提供を目指します。
株式会社クラッソーネが気になった方は、以下のリンクまで。
取材担当佐野
取材させていただけるスタートアップ、募集中。詳しくはこちら。
AIアクセラレーター、募集中。メンタリングを受けた人の感想はこちらやこちら。
30分で取材
掲載無料
原稿確認OK