ベッドやテレビ、猫にNetflix…住宅環境に誘惑が多く、在宅ワークに集中できないという方は多いのではないだろうか。
仕事に集中するためにカフェを探すのも一つの手だが、どこも座席がいっぱいだったり、席を確保できても、Wi-Fi設備が整っている保証はないのが現状だ。
テレワーク・テクノロジーズ株式会社の多拠点ワークスペースアプリ「テレスぺ」を活用すれば、予約なしでワークスペースをすぐに利用できる。
代表の荒木賢二郎さんは、飲食店の空きスペース有効活用を進めてきたノウハウをもとに、サービスを立ち上げた。
今日は「テレスペ」について詳しく見ていこう。
テレワーク・テクノロジーズ株式会社 代表
荒木 賢二郎
ーー「テレスペ」とはどんなサービスですか?
多拠点のワークスペースを予約なしですぐに使えるアプリです。モバイルワークをされている方や、在宅勤務に集中できない方のご利用を想定しています。
ーーどうやって利用するのでしょう?
テレスペのLINEアカウントを友達に追加していただくと、ワークスペースを貸し出している店舗の空席情報が表示された地図を見ることができます。
店内に入ったら、店員さんにチェックインボタンを押してもらってください。他の手続きは要らず、すぐに仕事を始めることができます。使用料金は、チェックアウト時に利用時間に応じた金額がクレジットカードで自動精算されます。
また、テレスペは法人に向けた利用プランを用意しています。法人向けプランでは、利用料金は月末締めの請求書でお支払いいただくので、煩雑な経理の手間はかかりません。
ーーワーキングスペースを提供する施設にはどんなメリットがありますか?
加盟施設側のメリットは、大きく分けて3つあります。
1つ目は、店舗の認知度を高められる点です。テレスペに加盟すれば、初期費用も掲載料もかけることなく、ワークスペースを探すユーザーの認知を獲得できます。また、ユーザーは自宅やオフィスなどの生活動線が近くにある方が主に見込まれるので、顧客として定着する可能性も高いです。
2つ目は、コワーキングスペースの運営収入を得られる点です。これまで収益を生まなかったスペースを貸し出すだけで、店舗には利用料の50%が振り込まれます。
3つ目は、チェックイン時/チェックアウト時に送信されるLINEメッセージで、ユーザーのリピート来店が狙える点です。テレスペはLINE内で動作するアプリなので、お店で使えるクーポンや会員登録の案内などの情報を自動で送信することができます。
ーー利用料金の目安はありますか?
各施設が個別に料金の設定をするので、一律で料金が決められているわけではありません。ワークスペースを提供する施設の目的によって相場は変わってきます。
スペースの貸し出しによる収益が目的なら、1時間300円~400円程度が目安で、集客や認知度の向上を目指す施設は、丸1日50円で利用できるところもあったりします。
ーー競合サービスはありますか?それと比べた強みを教えてください。
コロナ禍によるテレワークの需要増加に伴い、競合サービスが増えてきています。
私たちの強みは、空きスペースを活用する事業を以前から継続しているため、現場の方たちがどういったサービスを欲しているのかを熟知していることです。
テレスペが他のサービスに多い予約制を採用していないのも、ユーザーにとって使いやすいサービスを追求した結果なんです。
ーーサービスを立ち上げた経緯を教えてください。
3年ほど前から飲食店などの空きスペースをシェアする事業を展開しているのですが、ある時、店舗の方から「キッチンはシェアしたくないけど、客席ならシェアしてもいい」という声をいただいたことが、着想のきっかけです。
その後、渋谷の道玄坂に無人のワークスペースを作り、昨年の9月から12月までサービスの実証実験をしてわかった一番の課題は、集客の難しさでした。
その時期から、ワークスペースを提供するカラオケ店など、店舗の空きスペースを有効活用する企業が増え始めたのですが、どのサービスも自社で集客を行っていたので、同じ課題にぶつかった事業者さんは多いと思ったんです。
そこで、空きスペースを有効活用したい店舗と、ワークスペースを利用したいユーザーを一か所に集めるマッチングプラットフォームを作ろうと考え、サービスローンチに至りました。
ーーこのサービスの今後は?
今後数か月間はユーザー数を増やすことに注力せず、リクエストを参考にワークスペースを利用できる拠点を増やしていきます。
また、月額定額制の料金プランや、最初の20分の利用料金を無料にすることも検討しているところです。試行錯誤を重ね、12月くらいまでには機能を拡充させたいです。
ーー目指す世界観を教えてください。
サービスの提供を通し、世界中どこでもいつでも働けるようにしたいです。
例えば、手ぶらでシンガポールに行って「今空いてるカフェはどこ」と音声ガイドに言うと、テレスペを通して近くの空席を瞬時に探し出せる未来を想像しています。テレスペは非言語コミュニケーションができるアプリなので、どの国でも普及する可能性があるんです。
深夜になっても宿泊者がいないホテルの客室など、活用されていない空きスペースはまだまだあります。将来的には、ワークスペースの貸し出し以外にもサービスの幅を広げ、あらゆる空きスペースを検索と予約をすることなく活用できるようにしていけたらいいですね。
テレワーク・テクノロジーズ株式会社の「テレスぺ」が気になった方は、以下のリンクまで。
取材担当佐野
取材させていただけるスタートアップ、募集中。詳しくはこちら。
AIアクセラレーター、募集中。メンタリングを受けた人の感想はこちらやこちら。
30分で取材
掲載無料
原稿確認OK