飲食店を探すとき、Google検索やSNSで店舗情報を確認する方は多いのではないだろうか。店舗の営業時間などを手軽に知れるこれらのサービスは、消費者にとっては便利な一方で、運用する店舗にかかる負担が大きいのも事実だ。
株式会社Lerettoが提供する「Canly(カンリー)」は、Googleマイビジネスや各SNS上の店舗アカウントの一括管理を可能にし、店舗の運用コストを大幅に削減する。
代表取締役の秋山祐太朗さんは、共同代表の辰巳衛さんとのルームシェアをきっかけに同社を立ち上げた。今後は、サービスの口コミ管理機能や顧客データ運用機能を充実させ、さらなる店舗ビジネスの顧客価値向上を目指す。
どんな企業なのか。詳しく見ていこう。
株式会社Leretto 代表取締役
秋山祐太朗
ーーCanlyを一言でいうと?
Googleマイビジネスや各SNSの店舗アカウントを一括管理できるサービスです。これまで店舗ごとに行っていた作業を一つの画面に集約することで、運用コストの削減を実現しています。
ーー導入効果はどれくらいあるのですか?
50店舗を経営されている事業者様のケースでは、導入前は100時間かかっていたアカウント運用の作業を10時間に減らすことができました。
ーーそれはすごいですね。サービスにはどんな機能がありますか?
サービスには大きく分けて4つの機能があります。
1つ目は、複数の店舗情報を一括で更新できる機能です。一部店舗のみ情報記載ミスが発生してしまうリスクを避けながら、アカウント運用の工数を大幅に削減できます。
2つ目は、Googleマイビジネスの店舗情報の第三者による改ざんを防ぐ機能です。Canlyを導入するだけで、悪質なユーザーによる情報改ざんを自動でブロックしてくれます。
3つ目は、全店舗を横断してデータの分析が行える機能です。すべての店舗データを一括して分析することも可能ですし、エリアや業態ごとに分析を行い、予算配分や出店計画の判断材料にご活用いただくこともできます。
4つ目は、全店舗の口コミデータを一元で管理できる機能です。複数アカウントに対する口コミ対応を一つの画面で行えるほか、CSV形式でデータをダウンロードし、経営戦略やオペレーション改善に役立てることができます。
ーー競合サービスと比べたCanlyの強みは何ですか?
シンプルで使いやすいUXを、安い価格帯で実現している点ですね。海外の競合サービスと比較してもハイレベルな機能性を備えつつ、連携する媒体を主要なものに限ることにより開発コストを抑えているんです。
また、豊富なMEOサポートもCanlyの大きな強みです。弊社はMEO対策サービス「MEOクラウド」で店舗ごとのGoogleマイビジネスの運用代行をしてきたので、店舗目線に立ったGoogleマイビジネスのコンサルティングを付加価値として提供することができます。
ーー起業のきっかけは何ですか?
共同代表の辰巳とのルームシェアがきっかけです。
私は銀行員として、辰巳は商社マンとして働いていましたが、お互い将来は経営者になりたいと考えていました。そんな思いを抱きつつ、一緒に住みながらバカなことをしたり、ビジネスの話をする中で、「2人で協力すれば、世の中に大きなインパクトを与えられるんじゃないか」と考えるようになったんです。そこから2人で起業アイデアを1000個考え、起業に至りました。
ーーなぜこのサービスを始めたのですか?
創業当初から「ビジネスマン向けの食べログ」のようなグルメ予約サービスを展開していたのですが、営業で店舗の方々とやり取りをする中で、「サイトへの広告掲載から脱却し、GoogleマイビジネスやSNSのコンテンツを充実させて集客したい」という声をいただいたからです。
新型コロナウイルスの流行で宴会の需要がほぼ0になったこともあり、グルメ予約サイトはクローズしました。現在は、Googleマイビジネスを店舗の方々が快適に運営できる環境をつくるためにサービスを提供しています。
ーーこのサービスの今後は?
今後は口コミの管理機能を中心に開発を進めていきます。現在、口コミと売上の相関関係の分析や、ネガティブなクチコミへの対応を自動化できるAIを開発しているところです。Google上に点在する口コミを一か所にまとめて可視化することで、さらにオペレーションを簡素化していきます。
また、今回の資金調達を契機に、エンジニア、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス領域を中心に採用を強化し、Canlyの導入店舗数拡大、サービス強化にブーストをかけたいと思っています。
現状の連携媒体はGoogleマイビジネスとFacebook、HPのみですが、InstagramやTwitter等、各種SNSとも随時連携していき、インターネット上における全集客媒体の管理プラットフォームを目指します。
我々の真の目的は”店舗での提供価値向上を支援すること”で、Canlyによる運用工数削減は最初の一手にすぎません。
顧客情報のデータベースとしてCanlyを運用し、「口コミ」「位置情報」「アクション」などの顧客データを蓄積・分析することで、新たな店舗施策の立案など、店舗ビジネスの顧客価値向上を実現していきます。
ーー目指す世界観を教えてください。
「次世代のインフラを創る」が私たちのミッションです。
私は銀行員として金融のインフラに、辰巳は商社で空港事業で空のインフラに携わっていた背景もあり、私たちはインフラのような本当になくてはならないものを作りたいという思いでサービスの開発を続けてきました。
Googleマイビジネスをしっかり整備して、有料の広告媒体になるべく頼らない広告体制を作っていくのは、店舗の方々にとっての大きな命題なんです。テクノロジーでこの目標の達成を支援し、結果として私たちのサービスをインフラのような存在まで成長させられたらいいですね。
株式会社Lerettoの「Canly」が気になった方は、以下のリンクまで。
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