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インタビュー 2020.08.13

農家に特定技能外国人人材を必要な期間だけ派遣するーー株式会社シェアグリ

年々農業の担い手が減少している日本。人手不足は農家にとって大きな悩みの種だ。

株式会社シェアグリが提供するサービスは、農家に特定技能外国人人材を必要な期間だけ派遣し、農業の人手不足解消を低リスクで実現する。

同社は新型コロナウイルスの流行で技能実習生の来日が困難になった状況でも、農業の人手不足を解消するための策を打ち出した。

どんな企業なのか。詳しく見ていこう。

プロフィール

株式会社シェアグリ 代表

井出 飛悠人

特定技能外国人人材を農繁期にスポット派遣

ーーサービスを一言でいうと?

農家・農業法人に向けた特定技能外国人の農繁期スポット派遣サービスです。

ーーどうやって利用するのでしょう。

農家の方は「シェアグリ」に問い合わせていただくと、必要な人材を必要な期間だけ、派遣することができます。急な人手不足が発生した時や、農繁期の数か月間だけの派遣が可能です。

ーーサービスを利用するメリットを教えてください。

人手不足を解消しつつ、人件費の削減もできる点ですね。社会保険を負担する必要がないので、雇用リスクも低く抑えられます。

農業には農繁期と閑散期があり、必要な労働力の増減が激しいので、人材の通年採用は適していないんです。例えば、私の出身地の長野県東信地方では、夏場はレタスの収穫時期で忙しいですが、冬場は雪が降るので全く仕事がありません。無理やり通年で雇えば、余分な人件費がかかってしまいます。

「シェアグリ」は、産地ごとに異なる農繁期に合わせて人材を派遣することで、ムダのない人材配置とコストカットを実現しているのです。

ーーコロナ禍で技能実習生が入国できず、農業分野が人手不足になっているというニュースを見ました。何か対策をしていますか?

はい。大きく分けて3つの対策を講じています。

1つ目は、既に国内にいる技能実習生の農業分野への派遣です。旅行業界や飲食業界で勤めていたものの、コロナ禍が原因で雇用を打ち切られた外国人人材を、人手が足りない農業分野に送っています。法務省の規制緩和により、他業界の技能実習生でも「特定活動」という在留資格に変更すれば、農業に従事できるようになったんです。

2つ目は、コロナ禍で母国に帰れない状態のまま、在留資格の期限が切れてしまった農業技能実習生の派遣です。私たちは元々農業分野に従事していた外国人に対し、雇用維持支援を行っています。

3つ目は、観光業界の一時休業や雇止めの発生で職を失った日本人の派遣です。観光地の雇用に強い求人サイト「はたらくどっとこむ」を運営する株式会社ダイブと提携し、同媒体の登録人材を農業分野に派遣しています。

ーー競合サービスはありますか?

現時点ではないと思います。

農業分野と漁業分野だけ派遣事業が許されている「特定技能」という在留資格は去年始まったばかりですし、事業立ち上げの許可を得るためには農水省や法務省の厳しい要件をクリアしなくてはなりません。一般企業の参入が難しい業界なんです。

身近に感じてきた農業の課題を解決するため、試行錯誤を続けてきた

ーーこのサービスを立ち上げた経緯について教えてください。

長野県佐久市にある実家は明治3年創業の種苗会社を営んでいて、大学でも農学を学んでいました。このような環境で育ってきた背景もあり、農業の課題は常に身近に感じていたんです。

この業界の課題を解決することは家業にとってのメリットはもちろん、日本の農業を守ることにもつながると思い、起業したのは大学4年の夏でした。それから事業を何度もピボットしていますが、農業に関するサービスを提供するという軸は変えていません。

最初に立ち上げたのは「農機具のシェアリングサービス」で、その後、農業分野の人手不足にフォーカスしてからは「デイワーク単位の働き手と農家のマッチングアプリ」をリリースしました。そして今年、特定技能外国人人材に注目し、農繁期の人手不足をもっと根本的に解決できるサービスとして立ち上げたのが、特定技能外国人人材の農繁期スポット派遣事業です。

目の前にある農業の課題を解決し続ける企業として

ーーサービスは今後、どんな進化を遂げますか?

現在はアクセラレーターに採択していただいたJAグループさんのバックアップを受けながら、サービスを全国に広げている段階です。サービスの認知度を高めながら、JAさんの産地を介した人材の産地間リレーを行い、日本全国で農業の人手不足を解消していきます。

また、特定技能生は国内で就労できる期間が限られているので、実習期間を終えた後のキャリア形成を支援する仕組みを整えるべきだと思っています。私たちが雇用した外国人人材が、身に着けた技術を活かして母国で生活していくにはどうしたらいいか、現在協議を進めているところです。

ーー目指す世界観を教えてください。

私たちは、目の前にある農業の課題を継続して解決していきます。

外国人人材を活用した人手不足の解消は、今後何十年も続けていける保証はありませんが、現時点で地場の生産者さんの悩みを1番クリティカルに解決できるソリューションだと思っています。

今後も農業の身近な課題を解決する新規事業を次々に立ち上げ、この会社を農家さんにとって1番フレンドリーなスタットアップにしていけたらいいですね。

「シェアグリ」が気になった方は、以下のリンクまで。

サイトへ

編集後記

取材担当佐野

農業の農繁期と閑散期で仕事量がここまで違うとは思いませんでした…まさに農業の現場を知っているからこそ立ち上げられたサービスではないでしょうか!


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