街中や電車で見かける看板やチラシ。通りかかっても意識せず、印象に残らないことがほとんどだろう。景観を損ねると腹を立てる方もいるかもしれない。
WALLSHARE株式会社が提供するサービス「WALLSHARE」で制作されたアート広告は、通行人の視線を釘付けにするだけではなく、一つのアート作品として街に彩りをもたらす。
代表の川添孝信さんは、ウォールアートやストリートアートに対して日本人が抱くネガティブなイメージを変えるため、このサービスを立ち上げた。サービスを通じ、「アートと人々が繋がるきっかけ」を作り続けている。
どんなサービスなのか。詳しく見ていこう。
WALLSHARE株式会社 代表
川添孝信
ーー「WALLSHARE」とはどんなサービスですか?
空き壁×アート×プロモーションで、日本に新しい価値を生み出すサービスです。
「PROMOTION ART」と「PRODUCTIVE ART」の2軸でサービスを展開しており、前者では屋外広告による企業のプロモーションを行い、後者では屋内外問わずアートを取り入れた空間づくりを行っています。
ーーサービスのステークホルダーは?
広告主となる企業と空き壁を提供する壁主、そしてアーティストです。
企業は、アートを活用した人を魅了するプロモーションを行うことができます。アート広告をバックに撮った写真がSNSでシェアされるなど、従来の広告にはなかった価値を想像できるでしょう。壁主は、これまで無価値だった壁を貸し出すだけで収入を得られるだけではなく、街の景観を良くすることで地域活性化にも貢献できます。
アート広告を制作するのは、ミューラルアートの制作を中心に活動しているアーティストで、コネクションは100人弱あります。弊社が介入することにより公の場で活動できることが、アーティストさんにとってもメリットになると嬉しいです。
ーー1つのアート広告が完成するまでの流れを教えてください。
弊社が企業様と空き壁、アーティストをマッチングし、ディレクションを行いながらプロジェクトを進めていきます。
企業様からご連絡をいただいた段階で広告の完成イメージをヒアリングし、ストックされた空き壁をすぐに紹介させていただくことが可能です。単に企業様の要求を形にするのではなく、アーティストの経験やスタンスと掛け合わせた「コラボ」作品の制作を目指し、ディレクションを行います。
ーーこれまでにどんな広告を制作してきましたか?
9月に黄色いカッターで有名なオルファ株式会社のアート広告を企画しました。
近年、「危ない」というイメージから”子どものカッター離れ”が進む中、再度カッターの安全性を訴求したい同社の思いから始まったプロジェクトです。大阪を中心に幅広く活動をしているクルー「CMKgallery」が街中でライブペイントという手法で制作したそのアート広告は、道頓堀アートストリートで多くの通行人の目を惹きつけています。
ーー競合サービスはありますか?
ウォールアートを事業の一つとしている企業は何社かありますが、空き壁を活用する要素とウォールアートをプロモーションに活用する要素を組み合わせた事業を行っている企業は、現時点で弊社の他にないと思います。
弊社が考えるアートというカルチャーに寄り添う軸はブラさずに取り組み、唯一無二のサービスにします。
ーーなぜこのサービスを始めようとしたのですか?
ウォールアートやストリートアートに対して日本人が抱くイメージを変えたいと思ったことがきっかけです。
海外では文化の一部として受け入れられているストリートアートは、日本では“落書き”や“犯罪”といったネガティブなイメージを持たれてしまいがちだと思います。しかし、海外の有名なウォールアートのスポットで写真を撮る日本人はよく見かけるので、興味を持っている方は数多くいるはずなんです。
アート市場の規模は世界全体で7.6兆円あると言われていますが、日本が占める割合はほんの3~4%程度。美術館に通ったり、絵画を買う人も少ないのが現状です。街の景観そのものをアートにすることで、アートをより身近に感じ、関心を持つ方が増えていく流れを作ることができるのではないかと考え、サービスの展開を続けています。
ーーこのサービスの今後は?
シャッター通りをアートで彩って観光客を呼び込んだり、人口減少に苦しむ街でアートによる町おこしを行う地方創生のハブのような存在として「WALLSHARE」を広げていきたいと考えています。
現在は関西エリアを中心に実績を出していますが、今後は関東エリアをはじめとした主要エリアの空き壁をストックし、全国にサービスを展開していく予定です。
ーーサービスの提供を通じて達成したい目標を教えてください。
「アートと人々が繋がるきっかけ」を作り続けることです。
人々にとってアートが身近にある日常を当たり前にしていけたらいいですね。
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