株式会社ミノージャパンが提供する「コンタクトレス・デリバリー(特許出願中)」は、ランチにユーザーのオーダーを集約してMinnow PodとよばれるIoTフードロッカーに集中的に配送する。
サービスについて伺った前回の取材から2ヶ月が経過した。なんと、サービスリリース後に受けたユーザーの声をもとに新たなサービス「ピックアップ&デリバリー(特許出願中)」を提供する予定だそうだ。サービスの成長や将来の展望について、代表取締役社長の池田保さんに話を聞いた。
ミノージャパン株式会社 代表取締役社長
池田保
ーー現在はどのようなサービスを提供していますか?
Minnow PodというIoTフードロッカーを日比谷国際ビルと新国際ビル(いずれも三菱地所様所有のビル)に設置しています。また、来月には新しいサービスとして集めたオーダーを直接渡す「ピックアップ&デリバリー」を提供開始する予定です。
ーーMinnow Podのサービス提供の流れを教えてください。
まず、登録ユーザーに毎朝8時に配信されるメニューからランチをオーダーしていただきます。現在は、最大で17店舗52種類のメニューから選択することが可能です。今後は、さらにフードトラック(キッチンカー)のメニューなどを拡充予定です。
11時にオーダーを締め切ると同時に、飲食店ごとにオーダー情報が伝わります。その後、専属のスタッフが商品を各飲食店から回収・収集(集荷)し、IoTフードロッカーにまとめて格納します。
格納後、ユーザーには通知が届き、メニューごとに指定された賞味期限までにピックアップしていただくという流れです。
ーーMinnow Podの特徴は何ですか?
オーダーを集約し、集中的にデリバリーするというビジネスの仕組み(特許出願中)が大きな特徴です。デリバリーの効率化を図っています。
従来のデリバリーサービスですと、飲食店もユーザーも、多額の配達関連手数料を支払う必要があります。
それに対して、超効率デリバリーを実現しているミノーの仕組みでは、飲食店とユーザーからいただく配達関連手数料を競合他社よりも圧倒的に低く抑えています。
また、商品を受け取る際に、タッチパネルも鍵も必要ない、完全コンタクトレス・デリバリー(特許出願中)も実現しました。感染症のリスクを最小限に抑えることができるため、Withコロナの時代にぴったりのサービスといえます。
ーーサービスインから2ヶ月ほど経ちましたが、Minnow Podはどのように成長していきますか?
Minnow Podには大きく分けて3つの可能性があると考えています。
1点目は、ランチの提供時間を増やしていくことです。現在は1日1回のデリバリーですが、今後はデリバリーの回数を1日12時30分/13時30分と増やすことを予定しています。また、ランチの他にも朝食はもちろん、夕食の持ち帰り(例:デパ地下弁当の自宅への持ち帰り)などにもニーズがあることが分かっています。
2点目は、飲食店へフィードバックができることです。Minnow Podでランチボックスをまとめて提供する中で、どのような商品が人気なのかも集約することができるのです。集約・分析した商品の売れ筋/死に筋情報を提供することで、さらなる飲食店支援が可能になると考えています。
売れ筋/死に筋が分かるということは、新商品開発やオリジナル商品を試験販売するプラットフォームとしても活用していただけるのではないでしょうか。
3点目は広告媒体としての活用です。提供するランチボックスにチラシを同封させることで、ひとつの広告ビジネスとして成り立つと考えており、現在試しています。また、Minnow Podの扉に薄いディスプレイパネルを取り付ければ、動画広告も扱うことが可能になります。ユーザー数が十分に増えてくれば、Minnow Pod設置エリアという超ローカルな広告媒体として、特殊なニーズがあるものと思います。
ーー来月にはピックアップ&デリバリー を提供開始予定だそうですね。ピックアップ&デリバリーを一言で言うと?
Minnow Pod のIoTフードロッカーは設置せずに、集約したオーダーを回収・収集(集荷)し、直接手渡しするサービスです。
ーーピックアップ&デリバリーを構想したきっかけを教えてください。
Minnow Podの設置を進めていくなかで、「IoTフードロッカーの設置は必要ない」という声があったことがきっかけです。そこで、Minnow Japan の事業の根幹「オーダーを集約し、商品を集中的にデリバリーする」は変えずに、商品の受け渡しは、人や棚を介して直接行うサービスも並行して始めることにしました。
ーーサービス(Minnow Podとピックアップ&デリバリー)の今後は?
IoTフードロッカーを各社デリバリーの配達先として広めて行きたいと考えております。デリバリー業界が発展すればするほど、労働者不足は加速します。デリバリーを担う人が圧倒的に足りなくなっているのです。この問題は、1 to1で配達する限り、解決できません。Minnow Podを他のデリバリー業態に開放することで、問題解決に繋がるのではないかと感じています。
ーーその他に構想はありますか?
現在は設置式のハードウェアですが、タイヤをつけて色々な場所へ移動させることができるハードウェアを開発したいです。
この移動式のハードウェアが実現すれば、弊社のプラットフォームを使ってさまざまなユーザーがビジネスを展開できると思います。設置式よりもさらに効率的に商品を集約することができ、何十店舗分ものメニューを日替わりで提供できたり…!まさに「動く町中の飲食店」ですよね。(笑)
このビジネスを展開していくことができれば、デリバリーを担う人不足や飲食店のコロナウイルスによる経営不振など社会的な問題が次々に解決されるのではないでしょうか。
ーー目指す世界観を教えてください。
デリバリーを効率的にすることがミッションです。
オーダーを集約すること、デリバリーを集中化すること。たったこれだけのことで、さまざまな社会問題を同時に解決することが可能になります。たとえば、シニアが買い物に行きづらい問題やコロナ禍で病院で働く方が食事をとる時間がない問題、都会の人口密集によりエレベーターの前に行列ができることなどなど…。デリバリーの仕組みを変えるだけで、多くの社会問題を解決することに繋がるのではないかと構想しています。オーダーを集約すること、デリバリーを集中化すること。この2点で、さまざまな社会問題を解決していきたいと思います。
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