株式会社Value marketが提供する「CTOut(シーティーアウト)」は、技術顧問によるOJTで優秀な即戦力エンジニアを育成し、CTO/VPoEへ成長させる採用支援サービスだ。
代表取締役の内田裕希さんは、日本企業の国際競争力低下、DX課題、採用のミスマッチといった国内外や現場の課題を解決するため、このサービスを立ち上げた。サービスの提供を通じてCTO/VPoE人材を増やし、日本のIT化推進を目指すそうだ。
「CTOut」とはどんなサービスなのか。詳しく見ていこう。
株式会社Value market 代表取締役
内田 裕希
ーー「CTOut」を一言でいうと?
優秀なエンジニアを育成してCTO/VPoEへ成長させる、技術顧問のOJT付き採用支援サービスです。
ーーエンジニアはどのような方がサービスを利用していますか?
フリーランス・正社員問わず、即戦力として現場で活躍する一方で次のキャリアパスを模索している成長意欲の高いエンジニアにご利用いただいています。いわゆる経験が豊富で既に名の通ったCTO人材ではないのですが、私たちが「潜在優秀層」と呼んでいる、今後2~5年以内にCTO/VPoEとしてご活躍いただけそうな実績を持つ、ポテンシャルの高い方が中心となっています。
ーーサービスの具体的な流れを教えてください。
ご登録いただいたエンジニアの方と企業様それぞれに対して弊社がまずヒアリング面談を行い、マッチング選考を行わせていただきます。
それぞれの企業に合うエンジニアをマッチングするために、経験値や適性、専門性など複数の選考基準をもって選抜を行います。たとえば、シード期の企業とシリーズB以降の企業では求めるCTO/VPoE像も大きく変わるため、単純なスキル・能力の高低だけでなく、開発体制・フェーズ・カルチャー/マインドの整合率など、複数の観点で見極める必要があります。比較的初期のスタートアップでは、完成されたCTOではなく、事業と共に成長することができるポテンシャルの高い候補者が求められることも少なくありません。
その後、提案させていただいたエンジニアの方と企業様で一度面談し、お互いに合意できた場合は業務委託契約を結んでいただきます。契約後は、6ヶ月間技術顧問が企業とエンジニアのハブとなって、CTO/VPoE候補者の育成と事業の成長をOJTで支援していきます。そして、お互いに実際に働けると判断した場合に、直接契約をしていただく流れとなっています。
ーー技術顧問のOJTについて教えてください。
エンジニアの方がCTO/VPoE候補者として内定した後、契約が開始する前に経験豊富な技術顧問から簡単な研修を行い、その企業が持つ課題感などのすり合わせをしていきます。
契約後は、無制限のSlackサポートに加えて、エンジニアと企業の双方と週一回の定例ミーティングを実施します。実務の中で生まれる課題に対して、定例ミーティングを軸に、対策の検討と候補者の定着化に向けた両面型の支援行っていきます。
CTO/VPoEがいない企業の場合、企業の期待や抱える事業課題を候補者にお伝えしたり、候補者の要望を適切に企業に伝えたりと、両者の視点を持ちハブとなって支援していく存在が必要なのです。
ーーこのサービスを利用するメリットを教えてください。
エンジニアの方には、豊富なCTO/VPoE経験を持つ技術顧問から直接OJTを受けられ、実務を通して知識・ノウハウを学べるメリットがあります。
また企業側にとっては、CTOutを利用することでミスマッチリスクを最小にして、優秀な人材獲得を実現することができます。CTO/VPoE不在の企業が候補者を直接審査しても、自分の企業に合った人材を見つけることはなかなかできません。経験豊富な技術顧問が一緒に候補者を探し、企業に合ったCTO/VPoEに育成してくれることは、企業にとっても大きなメリットになります。
通常のエンジニア採用以上に難易度の高いCXO採用では、単なるマッチングで上手くいくことは少なく、両者が学び合い、共に歩み寄りながら関係を築いていくようにチューニングする働きかけが重要になります。
ーー既存サービスとの差別化ポイントを教えてください。
技術顧問の派遣や研修サービスを提供する事業は少しずつ増えてきていますが、直接的にCTO/VPoEの育成・採用支援に向き合うサービスは例がないように思います。
特にエンジニアが一切の費用を負担することなく、業務委託で報酬をもらいながら技術顧問のOJTを受けられることは、このサービスの強みの一つです。CTOutの6ヶ月の期間中は業務委託契約となりますので、通常のフリーランスと同じように高い報酬をもらいながら、リスクなくCTO/VPoEの実務経験を積むことができます。
また企業側からも、顕在化していない優秀層にアプローチできる点、ミスマッチリスクを抱えることなく、自社に合うCTO/VPoEへと育ててから直接契約を判断することができる点は、ご評価いただいています。
ーーこのサービスを始めた経緯を教えてください。
CTOutをリリースした背景は3つあります。
まず一つ目は、日本企業の国際競争力の低下です。少し前に話題になりましたが、30年前の世界の時価総額ランキングでは日本企業が上位を独占していましたが、現在は大きく後退しており、代わりに海外のIT企業が上位を占めています。多くの方が認識されている課題ではありますが、日本企業が世界で戦うためにはIT活用の推進が不可欠です。
二つ目に国内の問題としてDXがなかなか進まないことがあります。2025年の崖問題で言われるようにレガシーシステムの負債解消を始めとした諸問題の解決ができないと、今後も非常に大きな経済損失が産まれ続けてしまいます。
最後は、現場で起きている深刻な採用のミスマッチ問題です。技術革新のスピードに対して人材の成長が追いついていないのと同時に、十分な成長機会を提供する環境が整備されていないことから、長期的に採用の需給効率が悪い状態が続いています。
このような課題を根本から解決するためにも、IT化を推し進める“鍵”を握るCTO/VPoE人材を増やすことが必要だと考えました。
エンジニアにCTO/VPoEへのキャリアパスを整えることで成長機会をつくり、企業にも即戦力を採用するor自社で育てるといった方法だけでなく、新しい選択肢を提供できたらと思っています。
ーーこのサービスの今後は?
即戦力として働く中で次のステップを模索している、そんな方からご登録をいただくことが増えてきました。これからの未来を創っていく優秀なエンジニアの方に、魅力的な企業を数多く紹介することで、ワクワクするキャリアパスを提案していきたいですね!
ーー目指す世界観を教えてください。
優秀なエンジニアが、自分の能力を十分に発揮することなく成長を止めてしまったり、企業がエンジニアのポテンシャルを活かしきれていないのが、この業界の現状ではないでしょうか。「CTOut」を通じて、エンジニアと企業の双方が成長し続ける環境をつくり、日本の成長に貢献していきたいと思っています。
「CTOut」が気になった方は、以下のリンクまで。
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