スタートアップのインタビュー1000本以上「スタートアップタイムズ」

HOME/ インタビュー /業界初「移籍金」システムで実現するプロ人材のオープンな転職「HR TRADE(エイチアールトレード)」ーー株式会社プロフィフティーン
インタビュー 2021.03.03

業界初「移籍金」システムで実現するプロ人材のオープンな転職「HR TRADE(エイチアールトレード)」ーー株式会社プロフィフティーン

「来月辞めます。」手塩にかけて育てた社員からこの言葉を聞くのは、上司にとっても、会社にとっても辛いことだろう。いなくなってしまった社員の仕事量を補う必要があるだけでなく、また1から企業に合う人材を採用し、育成するための資金や人的コストが必要になるからだ。

終身雇用は終わりを迎え、個人は自分のキャリアを自分で切り開いていく時代だ。日本の採用市場は今、過渡期にあると言えるだろう。これまでは企業に隠れながら転職活動するというのが一般的だったが、そんな転職活動のあり方に一石を投じるサービスが開発された。個人のキャリアアップと、経営における離職リスクを抑え、社員を送り出す側の企業のメリットを両立させる新しい人材サービスだ。

株式会社プロフィフティーンが提供する「HR TRADE(エイチアールトレード)」だ。転職先への情報共有や企業間交渉に応じることで、社員の転職が決定した際に「移籍金」を受け取ることができる。プロのアスリートが「移籍」によって、自分のキャリアを形成していく仕組みから構想を得たという。現在は、事前登録企業の募集を開始しており、サービス提供開始は3月中を予定している。https://www.hrtrade.jp/

代表取締役の兼田浩太さんは、プロ人材として成長志向のある社員がキャリアアップしていける仕組みと、社員の離職によって発生する経営リスクの回避を両立させ、日本における転職活動をオープンにしていくことを目指し、このサービスを開発した。企業が社員のキャリア形成をフラットな視点で応援し、個人個人の可能性を最大化できる社会の実現を目指すそうだ。

「HR TRADE」とはどんなサービスなのか。詳しく見ていこう。

プロフィール

株式会社プロフィフティーン 代表取締役
兼田浩太

企業が転職を応援する仕組みで、ポジティブでミスマッチのない転職を促進

ーー「HR TRADE」を一言でいうとどんなサービスでしょうか?

企業間の人材移籍プラットフォームです。

社員のキャリアアップや成長の支援は現状、社内での配置転換や上司との1on1を介して行われています。そこに転職という選択肢を加えることで、真のキャリアアップを実現する新しい人材サービスとなります。

ーーサービスの利用の流れを教えてください。

人材を輩出する企業は、転職を希望する社員の人材情報を登録します。ここには転職サイトに登録する経歴書のように、経歴やスキル、職歴などの欄があります。これに加え、人材の長所、個性、伸び代などが書かれた推薦状を添付します。

人材を採用したい企業は、魅力的だと思った人材が在籍している企業に転職後の職種、仕事内容、福利厚生などの情報を提示し、交渉します。企業間で合意が取れた後、転職を希望する本人と接触し、採用プロセスに進む意思を確認したら、面談や採用試験を始めます。採用が決定したら移籍成立となり、あらかじめ人材情報に登録された移籍金を採用側の企業が支払う流れです。

ーーサービス内容はヘッドハンティングのようなものなのでしょうか?

ヘッドハンティングには、エージェントが企業の依頼を受けて、人材を裏で引き抜くイメージがあると思います。
それに対して弊社サービスには、社員の転職を通じたキャリアアップを応援する企業が登録しているので、採用側の企業もオープンに交渉を進めることができるでしょう。

ーー利用することにどんなメリットがありますか?

人材を輩出する企業は、移籍金を原資として人材育成や事業拡大を推し進めることができます。人材の流出による経営リスクを抱える企業には、ぜひご利用いただきたいです。

人材を採用する企業としては、採用コストの軽減が期待できます。弊社サービスを通した採用活動で発生する移籍金は、人材を輩出する企業が年収の20%を目安に設定できるようになっています。採用を検討する際、人材の経歴を在籍企業に直接質問することもできるので、採用ミスマッチを軽減し、結果的に採用コストの軽減にも繋がります。

ーー類似サービスはありますか?

最終的に雇用契約が結ばれる人材移籍のサービスは業界初と自負しています。プラットフォーム上で直接交渉していただくことで、現場レベルで人材の特徴や個性を把握していただける点が弊社サービスの強みです。

人材を採用するにあたり、経歴やスキルに偽りがないかどうかを人材紹介会社を介して確かめる「リファレンスチェック」を行う企業が日本でも増えてきています。人材の長所や短所が入力された推薦状が添付される弊社サービスは、このリファレンスチェックの役割も内包していると言えます。

ーー社内でどのように登録者を集めるのでしょうか?

方法は3つあります。

1つ目は、HR TRADEを社内全体に告知し、任意での登録を促す方法です。転職も含めたキャリアアップの選択肢を用意し、企業の福利厚生の一部とすることができます。

2つ目は、社外でのキャリア形成を検討している優秀な社員にHR TRADEを提案する方法です。自社では実現不可能なプロジェクトに携わりたい社員や、自らの技術相応の収入を望んでいる社員に、新たなチャレンジの場を提供することができます。

3つ目は、退職を考えていることを早めに伝えてくれた社員にHR TRADEを紹介する方法です。企業が転職を前向きに捉えて応援していることが社員に伝わるため、退職前でも抜かりなく仕事に打ち込んでくれるはずです。

ーー企業が社員の転職をポジティブに捉え、応援できる仕組みですね。

転職を希望している方の大半は会社を辞める前に転職活動を開始し、転職先が見つかり次第、早ければ1ヶ月以内にも離職してしまいます。突然「来月辞めます」と言われると、経営サイドはどうしてもネガティブな気持ちになってしまうんですよね。
そうすると、本人は職場にギスギスした雰囲気を感じながら会社を去ることになります。

人材が企業と共にオープンな転職活動を進められる環境を整備することで、転職先が仮に合わなかったとしても、出戻りできるような優しい世界が実現できると思っています。

エンジニアと経営者どちらにもメリットのあるサービスを作りたい。元エンジニアだから気づいたこと

ーーサービスを立ち上げた経緯を教えてください。

前職ではアプリの開発事業の責任者として、社員の教育や人材採用を担当していました。その職場では、インターンから育てた社員が入社後3年くらいで辞職するなど、人材が流出してしまう事例が多かったんです。
私自身もエンジニアだったので、彼らのもっと大きな仕事に携わりたい気持ちや、技術に見合った高い給料を望む気持ちには共感できます。彼らの転職活動を応援する一方で、手塩にかけて育てた社員を手放すのは惜しく、人材を送り出す会社も成長できるような仕組みがあればいいのに、と考えていました。

そんな中、経営者として同じように人材が流出してしまう悩みを抱えていた方と意気投合し、業界構造を変える仕組みを開発することにしたのが、サービス立ち上げのきっかけです。

ーー開発中に苦労したことはありますか?

会社間の人材移籍を実現するサービスの流れが法的に問題ないか、また世間に受け入れられるかが懸念点でした。法的な問題については開発の段階で綿密にチェックしたので、既に解決しています。これからは、私たちが目指している世界観を企業や人材に理解いただけるように努力していきます。

すべての人が可能性を発揮して生き生きと仕事ができる世界の実現を目指して

ーーこのサービスの今後は?

サービスの啓発活動が直近の課題です。裏でこっそりと転職先を探し、すべてが決まった後に会社に離職の旨を伝えるのが、一般的な転職活動の流れだと考える方が大半ではないでしょうか。その固定観念を変えるために、まずはHR TRADEを認知していただき、その上でサービスを利用するメリットをお伝えしていきたいです。

ーー目指す世界観を教えてください。

会社が社員のキャリア形成をフラットな視点で応援できる仕組みを作り、人々の可能性をもっと広げられるような社会を実現します。

今の職場では自分の力が発揮できていないと感じていたとしても、他の職場でなら輝けるという方はきっといます。個人がそれぞれの強みを発揮して生き生きと仕事ができる社会にしていきたいですね。

「HR TRADE」が気になった方は、以下のリンクまで。

サイトへ


取材させていただけるスタートアップ、募集中。詳しくはこちら

無料取材を申し込む

AIアクセラレーター、募集中。メンタリングを受けた人の感想はこちらこちら

「AI.Accelerator」

この記事が気に入ったらいいね!しよう

最新記事をお届けします
この記事をシェアする

あなたにおすすめの記事

【新しい学校】通信制オンラインスクールのサイル学院高等部とは?

EC成長を阻む3つの課題を同時に解決できる特化型プロ複業人材サービス

「不動産業界の商慣習を再定義し、これからのあたりまえを創る」新時代のパイオニア|株式会社IPPO

保険料を比較して最適な保険を選べるサイト

お店の開業・経営サポートプラットフォーム「BESPRA(べスプラ)」

FlexClip:ビデオ編集体験を再定義し、無限の可能性を創造!

FlexClip:ビデオ編集体験を再定義し、無限の可能性を創造!

FlexClip:ビデオ編集体験を再定義し、無限の可能性を創造!

FlexClip:ビデオ編集体験を再定義し、無限の可能性を創造!

FlexClip:ビデオ編集体験を再定義し、無限の可能性を創造!

さあ、
Startup Times から
発信しよう。

30分で取材

掲載無料

原稿確認OK