営業担当者の仕事は顧客と話すことだけではなく、日程の調整やオンライン商談のリンクの立ち上げ、出張旅費の精算など多岐にわたる。このように、営業以外の事務処理をしながら同時に多くの案件を抱えなければならないので、営業担当者は営業だけに集中できず、大きな負担を強いられているのだ。
そんな営業担当者の負担を大幅に軽減するサービスがある。
株式会社Srushが提供するセールスエンゲージメントツール「Srush(スラッシュ)」だ。日程調整をはじめとした事務処理の業務効率化を図ることはもちろん、顧客との関係をスコアリングすることで、今まで勘に頼っていた営業をデータドリブンなものに変えてくれる。
「Srush」とはどんなサービスなのか。詳しく見ていこう!
株式会社Srush 代表取締役
樋口 海
ーー「Srush」とはどんなサービスですか?
「リアルな受注確度が見える。最適なアクションが分かる。だから売上が上がる。」
日本初のセールスエンゲージメントツールです。法人営業・ルートセールスの受注確度向上や、売上のアップを図ることができます。
海外でセールスエンゲージメントツールは7~8年前から普及しております。例えば、アメリカは国土が広く物理的に距離が離れており、顧客と簡単に会うことは出来ません。そういった理由から、効率的に顧客とのエンゲージメントを高めるために当たり前のように利用されています。
日本でも新型コロナウイルスの流行に伴い、お客様と会うことが難しくなり、以前よりも顧客との信頼関係が重要視されるようになってきました。そこで、Srushを国内初のセールスエンゲージメントツールとして提供しています。
ーー利用方法を教えてください。
顧客のリアクションデータを収集して、顧客との関係性をスコアリングします。さらに、このデータと案件管理データを結合し、正確な受注確度とともに、案件の優先度や最適なリソース、タイミング、アクションを提示する仕組みです。営業担当者はエンゲージメントを高めるために「次に何をするべきか」を把握しつつ、サービス内の機能を使って非生産的作業を自動化・効率化できます。
ーー営業担当者が生産性を高める機能にはどのようなものがありますか?
大きく分けて「セールスエンゲージメント機能」と「セールスイネーブルメント機能」の2つの機能があります。
セールスエンゲージメント機能には、前に述べたエンゲージメントスコアリングや、受注確度算出などがありますが、特に「パイプラインポートフォリオマネジメント」にご注目いただきたいです。営業担当者は同じ時期に大量の案件を抱えることが多くありますが、すべてを同じように対応するのは不可能です。Srushは受注しやすい案件を可視化し、リソース配分を最適化することができるので、利用する営業担当者の負担は劇的に軽減するでしょう。
セールスイネーブルメント機能は、日程調整やZoom連携、顧客情報の連携により忙しい営業担当者の業務効率化を図る機能です。また、カレンダーやメール、SFAやCRMなどの連携サービスのデータを集約して、エンゲージメントの分析に使用しています。
ーー利用するメリットは何でしょう?
セールスにおける事務処理の時間が短縮できることと、やるべきことが目に見えて分かることです。
営業担当者の一番得意なことは、顧客と話すことだと思っています。私自身、法人営業を10年間やってきて、顧客とのコミュニケーションに直接関わることのない業務には煩わしさを感じていました。Srushでは、そうした業務をすべて自動化することを目指しています。実際に当社調べでは、日程調整の業務効率化だけでも1人あたり年間120時間の削減に繋がるというデータも出ています。
また、10年営業を続けていても、自分が起こしたアクションが正しいのか分からなくなってしまうことがあります。マーケティングやファイナンス、エンジニアリングの仕事には何かしら正解がありますが、営業は行動のほとんどは勘や経験に頼ったものになってしまいがちです。例えば、新人営業マンにとっては、勘や経験がないので何が正解なのか分からない状況になってしまっています。そんなときにSrushを、セールスの「新しい地図」としてご活用いただきたいですね。
ーー競合サービスはありますか?それとの違いを教えてください。
国内では主要なプレイヤーはいない認識です。
エンゲージメントという単語においてマーケティングや、HRの領域に存在はしています。しかし、営業ではデータの集約が難しい、かつ何を集約すればいいか確立していないため、国内にはこれまで存在していなかったんです。
ーーなぜこのサービスを始めようとしたのですか?
先ほど申し上げた通り、営業を10年経験する中で事務処理にかかる負担の大きさを感じており、これを解消したいとからで考えたからです。世の中のセールステックは案件を管理するシステムばかりで、ほとんどが営業担当者に負担を強いるサービスです。私自身、さまざまなサービスを利用してきましたが、どれも管理運用に手間がかかるサービスばかりだったんです。
こうした経験から、いかに営業担当者が営業以外の業務に負担をかけずに案件を進められるサービスを作るかがが大事だと考えるようになりました。海外のセールスエンゲージメントツールのように、営業担当者目線でサービスを提供することを心がけています。
ーー今回が2回目の起業とお聞きしました。前回の起業と比べて大切にしたポイントは何ですか?
たくさんあるのですが、特に人との関係性ですね。
今いる社員や副業として業務を請け負ってくださる方のエンゲージメントを高めるところは特に大事にした部分です。
もちろんプロダクトの品質やお客様のエンゲージメント向上に集中する部分はありますが、きんと人材を大事にする会社こそが、事業の失敗確率を下げることができるのではないかと考えています。
ーーこのサービスの今後は?
サービスの機能を拡充するとともに、日本においてはセールスエンゲージメントツールという新たなマーケットを作るための営業、マーケティングに注力していきたいです。
営業担当者のKPIを、売上からエンゲージメントに変えていくプロダクトとして、営業担当者の業務内容を「顧客と話すこと」だけにできたらいいですね。他にも、株の自動売買のように、スコアに応じて案件を前進できるようなオートメーションを組みたいです。
ーー目指す世界観を教えてください。
この問いへの答えはまだありません。
ですが1つ言えるのは、人と人の繋がりに一定の示唆を与えることを目指しているということです。人間関係の構築は誰しもが抱える課題でありながら、アンコントローラブルな領域だと思ってます。現時点ではまだセールスの領域でしかサービス展開していないですが、他の領域にも展開していきたいですね。
人間関係はあらゆる領域において必ず発生するものです。エンゲージメントツールを通じて、このアンコントローラブルな領域を可能な限りコントロールできるようになれば、人間関係で悩む人はいなくなるのではないでしょうか。
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