E資格の受験者をはじめとするAI学習者は、何を目的にAIを学んでいるのだろうか。彼らがAIエンジニアを目指した背景にはどんな思いがあるのだろうか。
そんなAI学習者の動向を探るため、スキルアップAI株式会社は自社が運営するスキルアップAIキャンプ第5回の受講者に対して任意でアンケートを実施した。
アンケートの内容や結果から分かることについて、スキルアップAI株式会社の安藤悠太さんに話を聞いた。
スキルアップAI株式会社
安藤悠太
ーーどのようなアンケートですか?
AIやディープランニングを学ぶ方の動向を探るためのアンケートです。弊社が毎週水曜日の夜に開講しているスキルアップAIキャンプの受講者を対象として実施し、有効回答数は95人でした。
ーー印象に残ったアンケート結果は何ですか?
AIエンジニアを目指したきっかけについて質問した項目です。
4つの選択肢の中で「最先端の技術で世の中に価値を生み出したいから」が65人と最も多く、AIを学習する方の社会貢献意欲の高さが伝わってきます。また、一般的にAIエンジニアの待遇が良いことが宣伝されるケースが多く、収入増加を期待する回答も予想しましたが、「待遇が良いから」を選択した人は複数回答可能だったのに、10人しかいませんでした。収入よりも新たなサービスを生み出したいと考えるAI学習者が多かったことが印象的でした。
ーー他に印象的だった回答はありますか?
E資格の受験を目指したきっかけについて質問した項目です。
「昇進に有利」・「転職に有利」「スキルアップのため」・「新しい技術を身に付けたい」・「資格証明のため」の5つの選択肢をもうけました。複数回答も可能でしたが、「昇進に有利」を選択した受講者はわずか1人でした。また、「転職に有利」を選択した割合も14人に止まりました。ほとんどの回答は、「新しい技術を身に付けたい」「スキルを身に付けたい」「資格証明のため」だったのです。これらの結果から、AI学習者の多くは収入増加・昇進といったキャリアにおける成長を第一の目的にはしておらず、新しい技術獲得のために学習を進めていることが分かります。
ーーアンケートを行った経緯を教えてください。
日頃から受講生のAI学習に対する意欲の強さを感じており、それを数値化して表したいと考えたことがきっかけです。講座の受講生にはslackに登録いただいているのですが、slack上の受講生同士の話題の多くがAI学習に関することでした。このように、受講生同士がスキルアップに向けて交流を図っている様子を見て、彼らのモチベーションを可視化させたいと考え、アンケートを行いました。
ーー御社がAI人材の支援をするに至った経緯も教えてください。
弊社社長の田原と取締役の伊澤が事業会社においてAI開発や機械学習を活用したソリューション構築に携わっていたことがきっかけになっています。業務に携わる中で、AIを使える人材がいないと、その企業の中でのAIの存在意義がなくなってしまうことに気づいたんです。そこで、AIを活用できる人材を育てた方がAIが日本に広まると考え、勉強会をスタートしたことが現在のAI人材支援事業につながりました。
弊社では、個人向けの研修に加え企業に向けた研修も行っています。企業内にエンジニアは沢山いても、実際にAIを開発できる人材や活用できる人材は少ないです。そこで、企業内のエンジニアやスタッフに対して、現場で実際にAIを導入したいと考える工程のデータを使って実践的な研修を行える仕組みを構築しました。研修が終わると自分たちでAIも開発でき、運用もできるようになっています。
ーー今後、アンケートをどのように活かしますか?
最先端の技術を追い求めているAI学習者の方々に、良い学びの機会を提供することに活かします。最先端で使用する技術は日々進化しているので、常にキャッチアップをしていき、新しい技術が世の中で早く広がっていくように支援していきたいと思います。
ーー目指す世界観を教えてください。
学びを加速させることです。
技術は沈下が早く、数年で新しい技術が登場しています。勉強し続けることでキャッチアップしていき、AIやそれに変わる新しい技術を学びたい方の学びを後押ししたいです。
スキルアップAI株式会社がAI学習者に対して実施したアンケートは以下のリンクまで。
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