昨今、保育園における人手不足が大きな社会問題になっている。保育士が足りていないことはニュースになるが、園児に給食を届ける管理栄養士や調理師などの職業においても同じような問題が起こっていることはご存知だろうか。子どもたちに美味しい給食を届けたくても、人手不足が原因でクオリティの向上に力を注げない現状が浮き彫りになっている。
そんな保育園が抱える問題を食の視点から解決するサービスがある。
株式会社sketchbookが提供する「baby’s fun!(ベビーズファン)」だ。厳選した国産素材の離乳食・幼児食食材キットを提供し、給食にかかる事務作業の効率化や人手不足の解消を実現する。
代表の多田出 昇さんは、自身の娘に食べさせたい離乳食を作るために同社を立ち上げた。サービスの提供を通じ、子どもたちが知恵と知識を身につけ、将来の自分の「美味しい」に出会える世界を目指すそうだ。
「baby’s fun!」とはどんなサービスなのか。詳しく見ていこう!
株式会社sketchbook 代表
多田出 昇
ーー「baby’s fun!」を一言でいうと?
保育園向けの給食支援サービスです。
具体的には、献立を作ったり、子ども用のミールキットをお届けしたり、食育のお手伝いをしたりしながら、保育園給食のクオリティ向上や業務効率化に貢献しています。
ーー利用するメリットは何でしょう?
大きく分けて3つのメリットがあります。
1つ目は、少人数で美味しくて安心安全な給食が作れる点です。私たちが提供する食材キットを利用すると、例えば調理員が3人必要な場合であっても1.5人で調理することが可能になります。
これは決して現場の人数を減らして経費を削減してください、ということではなくて、日々、調理や事務作業ばかりに追われてしまっている現状を、調理時間を削減することで、子どもたちに食育を実践する時間を生み出すことが目的なんです。今後は食材キットの提供だけでなく、食育に役立つコンテンツの提案も行っていきます。
2つ目は、給食のクオリティを一定に保つことができる点です。複数の店舗がある飲食店を想像してみてください。A店ではシェフの腕が良くて美味しいけど、B店はそこそこのクオリティで客の評判もいまいちなんてこと、経験ありませんか?保育園でも同じことが言えます。弊社の商品にはレシピがあるので、人員に左右されずに同じクオリティで提供し続けることができます。また、各園で給食メニューを統一すれば、運営会社の給食コストの見える化により経営管理は容易になるでしょう。
3つ目は、食品ロスを減らせる点です。調理をすると捨てたりする部分が出たりするので各現場で廃棄が出ます。私たちは食材の仕入れや管理、調理までを工場でまとめて行っているので、食品ロスを大幅に削減できています。
ーー競合サービスはありますか?それとの違いを教えてください。
食材配送サービスは他にもあり、献立作成などの事務作業のお手伝いをする点と食材を届ける点ではサービス内容は同じです。
私たちのサービスは、配送時点で既に食材の下処理を行っている点や食育のお手伝いをしている点、保育園向けに特化している点において大きく差別化できているのではないでしょうか。
ーーサービスを立ち上げられた経緯について教えてください。
娘が生まれたのですが、世の中に娘にあげたいと思う離乳食がなくて。私は元々大手企業の社食を担当したり、仕出し弁当を提供していたので、「だったら自分で作ってしまおう」と思い、この会社を立ち上げました。
もともと弊社はCtoCビジネスを先に展開していたのですが、離乳食の食材キットを販売していく中で、ユーザーから「私の子どもの通う保育園がすごく大変なので紹介しても良いですか?」と声をかけられて、そこから保育園が現状抱えている課題を認識しました。私たちならこういった問題を解決するお手伝いができるのではないかと思ったこと、また、企業理念である「子どもたちが将来健康になるための知恵や知識をつけていく」というところに通ずるのではないかと思ったことが重なって、保育園への販売にシフトしました。
ーーこのサービスの今後は?
現在は、第一弾として食材キットをお届けしていますが、これがゴールではありません。
私たちは食材キットをただ売りたいわけではありません。給食のクオリティとスタッフの満足度を向上させながら、保育園の事務作業も同時に効率化できるようなサービスを提供していきたいと思っています。
ーー目指す世界観を教えてください。
私たちは“「子ども」と「子どもに関わるすべての人」をHAPPYに!”というビジョンを掲げています。子どもたちが知恵と知識を身につけ、将来の自分の「美味しい」に出会える世界を実現したいです。
「美味しい」の基準は人それぞれ違いますよね。だからこそ、子どもたちには自分なりの「美味しい」を見つけて欲しいと思っています。何を食べたら安心か。何を食べるべきか。など食べるものを自分で選べるようになって欲しい。この最終目標に向けて、まずは保育園から発信していきます。
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