国内に流通していないニッチな商品を個人輸入してでも手に入れたいと考えた経験はないだろうか。誰かと一緒に購入すれば、送金手数料や配送費を抑えることができる。
しかし、匿名でグループオーダーの参加者を募ると、ユーザーの信用力のなさから金銭トラブルに発展してしまったり、そもそも人が集まらなかったりすることも少なくないのが現状だ。
comono株式会社が提供するグループオーダーアプリ「comono」を活用すれば、参加者の募集だけでなく集金から商品の購入、分配までを安心して行うことができる。
同社代表の鎌野 里樹さんは、シェアリングエコノミーサービスの利用者として感じた違和感や気づきを1つずつ解決するために試行錯誤し、このサービスの構想に至った。ムダなものが生まれない産業構造の中で、誰かと一緒に行う特別な購入体験を届けていきたいそうだ。
「comono」とはどんなサービスなのか。詳しく見ていこう。
comono株式会社 代表
鎌野 里樹
ーー「comono」とはどんなサービスですか?
“欲しい”の声を定量化できるグループオーダーアプリです。商品を一緒に買いたい人の募集から購入品の分配までを一括で行うことができます。
小規模生産者が作る商品などが注目され、ニッチな市場が拡大していくこれからの時代、需要の底が見えずにプロダクトの生産を開始できない人が少なからず出てくると思っています。グループオーダーの仕組みを用いて事前に注文を集められれば、小規模生産者でも十分に採算がとれると見込んで製品を作れるようになるのではないかと考え、開発に至りました。
ーーどんな方が利用するサービスですか?
例えば、国内市場には出回らないニッチな商品を海外から共同輸入している人たちを想定しています。ペルソナを意識するというよりは、シーンごとにユースケースを考えていくイメージですね。
ーーどうやって利用するのでしょう?
まずはアプリを開き、購入したい商品の詳細や募集人数を記載した投稿を公開します。投稿はクラウドファンディングのプロジェクトと似たような形式で、各種SNSでシェアできるようになっています。購入する商品数は、1つでも人数分でも構いません。
設定した人数が集まったら、アプリ内のグループチャットで集金から分配までのやり取りを行いましょう。事前決済を導入しているので集金する人にリスクはなく、生産者もある程度の利益を確定して生産を開始できます。商品が発送され、参加者の手元に届いたのが確認できた時点で入金し、取引完了となります。
ーーサービスを利用するメリットを挙げてください。
匿名で人を集めてグループオーダーを行う場合に発生する課題は、主に3つあります。
①あまりにもニッチな領域だと、参加者が集まりづらい。
②ユーザーに信用力がなく、お金のトラブルが起きやすい。
③配送スケジュールが不安定で、送料を折半する割合が不透明。あらゆるグループオーダーの募集情報を一か所に集め、グループチャットで支払いの手続きまで進められる「comono」なら、これらの課題を一気に解決することができるのです。
ーーもともと何をされていたのですか?
サービスを立ち上げる前はスタートアップでシステムの受託開発を行いながら、各社を転々としていました。
ーーなぜ「comono」を立ち上げたのでしょう?
大量消費の時代が終わりつつあることを感じながらも、シェアリングエコノミーサービスの使いづらさやコスパの悪さに頭を悩ませてきたからです。例えば、カメラを5回レンタルしたとします。そこに払ったお金があれば、新品のカメラを買えてしまう場合もありますよね。そんな日常生活での違和感や気づきを1つずつ解決しようと試行錯誤した結果、このサービスの構想に至ったんです。
ーーこのサービスの今後は?
「comono」では現在、グループオーダーの参加者はSNSでマッチングをすることを想定していますが、今後は商品のジャンルやユースケースごとに”コミュニティ”を構築することで、サービス内でのマッチング件数を増やしていきたいと思っています。
また、アプリから工場に直接オーダーを通すシステムの整備を、もう1つのマイルストーンに設定しています。弊社でサプライチェーンを一貫して管理できるようになれば、小規模生産者は商品の製造のみに集中できるようになるでしょう。
ーー達成したい目標を教えてください。
ムダなものが生まれない産業構造の中で、誰かと一緒に行う特別な購入体験を提供し続けたいです。
私自身、ハンドメイドのマーケットプレイスを利用しながら、小規模生産されている商品には注文の融通がかなり利くことを実感しています。オーダーメイドの要望に応じてくれたり、フィードバックを積極的に受けてもらえたりと、購入した商品を一緒に作っている感覚に近いものがあるんです。その体験を同じ趣味を持った人たち同士で分かち合えるようにできたら、人々の消費活動は大きく変わるのではないでしょうか。
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