思考とマインドの状態は、仕事のパフォーマンスに影響する。スポーツの世界では「あの選手はコーチを変えてから成績が良くなった」などと言われ、優秀で相性の良いコーチを付ける重要性が語られる。同様に、ビジネスの世界においても高い成果を出し続けるためにはコーチの存在が重要だ。自分では気づきにくい強みや弱み、思考の癖や陥りがちなパターンなどを理解し自分を最高の状態に整えることで、自分らしくハイパフォーマンスが発揮できる。
株式会社スーペリアが提供するmyPecon(マイぺコン)は、「パフォーマンス・コンディショニングⓇ」として、ユーザー一人ひとりのコンディションを整え、ビジネスでハイパフォーマンスを発揮することを目的としたオンライン・コーチングサービスだ。傾聴・質問を主体にコーチが受動的に関わるのでなく、コーチの知見や事例、自身の強みや特徴のフィードバック、アドバイスや提案も必要に応じて得ることができ、コーチも積極的に関わることでパフォーマンス・コンディショニングⓇをサポート。自身の強みや弱み、思考や言動の傾向を認識できるようになることで、戦略的かつ効果的に高いパフォーマンスが発揮できるようになるという。
どんなサービスなのか。株式会社スーペリアの曽我香織さんにお話を伺った。
株式会社スーペリア
曽我 香織
ーー「myPecon」を一言で言うと?
ビジネスパーソン向けにパフォーマンス・コンディショニング®を行うオンライン・コーチングサービスです。
ーーどのような方が利用していますか?
30代〜40代の管理職の方を中心にご利用いただいています。特に外資系IT企業や国内大手メーカー、コンサルティング会社など、一般的に”ハイキャリア”と言われる方のご利用が多い印象です。最近では起業や独立を検討されている方のご利用も増えてきました。
ーーコロナ禍で需要に変化はありましたか?
2020年4月から、月平均で約3倍ユーザーが増加しています。リモートワークを導入する企業が増えたことで、これまで移動時間を利用して自分のための時間を確保していた方は、内省や振り返りの時間を取ることができなくなったことに課題を感じているようです。ご自分のリズムづくりやパフォーマンス・コンディショニングⓇのためにご利用される管理職が増えました。また、立場上周りに相談できる相手がいない方や、社内では話しにくい今後のキャリア、社内におけるご自身のポジショニングを考えたい方のご利用も増えています。
ーーコーチングを利用することで、ユーザーが得られるメリットを教えてください。
可視化されているものはコントロールできますが、そうでないものはコントロールできません。コーチングを受けて頂くことで、自分では気づいていなかった強みや弱み、思考や言動の癖、特徴を認識できるようになり、これまで無意識でやっていたことを意識的に活用したり、抑えたりできるようになります。これができると、時間や労力を効率的に使えるようになり、パフォーマンスが向上します。よくある失敗パターンに陥りそうな時は、コーチがフィードバックすることで未然に防ぐこともできます。その結果、自分の強みを活かしつつ弱みも上手くコントロールして働けるようになり、仕事が楽しくなると仰る方が多いです。
myPeconのユーザーからは、コーチングを受けた結果として自分の調子が良くなるだけでなく、昇進・転職の成功、営業成績の向上・社員のエンゲージスコアの上昇などが実現したとの声を多くいただいています。
ーー類似サービスとの差別化点を教えてください。
主に3つあります。
1点目は、コーチングの会社でありながらもコーチング自体を目的にしていない点です。弊社では「パフォーマンス・コンディショニング®」として、自分のパフォーマンスを最大限に発揮するために思考とマインドの状態を整えることを目的としています。スポーツ選手もそうですが、どんなに能力があっても、思考とマインド状態が整っていないと高い成果を出すことはできませんよね。私たちは、ビジネスパーソンも同じく思考とマインドを最適化することがハイパフォーマンスに繋がると考えています。ユーザーのパフォーマンス・コンディショニングⓇに必要であれば、コーチがティーチングやアドバイスを行ったり、提案することもあります。一般的なコーチングでは、コーチがティーチングやアドバイスをすることはご法度とされており、ユーザーが自力で気づくことによって目標達成をサポートします。しかしそれでは遠回りになったり、どうしても独りよがりになったりしがちです。myPeconのコーチは手段に拘らず、ユーザーがビジネスで成果を出すことにコミットしています。
2点目は、マッチングサービスに終始せず、コーチングの品質管理やコーチの育成まで担っている点です。私自身も現役のコーチであり、10年以上コーチング業界に身を置いている経験から、従来のコーチングの課題や陥りがちなパターンを理解した上で品質管理やコーチの育成に活かしています。myPeconに所属しているコーチ全員が定期的に弊社が提供するトレーニングを受けています。2017年12月にサービス提供開始以来、myPeconのユーザー評価は5段階中4.8以上を維持しています。
3点目は、ユーザーや企業のニーズに合わせてカスタマイズしている点です。弊社独自のフレームワークなど、型はあるものの、ユーザーのニーズや目的によって効果的なコーチングは異なります。そこで、ユーザーのヒアリングや企業担当者との面談を通してニーズを明確にし、一人ひとりに合わせたコーチングを提供しています。法人のお客様には、コーチとチームを組んで品質管理や情報共有にも取り組んでいます。
ーーもともと何をされていたんですか?
10年以上HR領域に携わっており、新卒で外資系コンサルティング会社のアクセンチュアに入社した後、コーチ・エィというコーチング会社でコーチ兼法人営業として働いていました。
ーーmyPeconの立ち上げに至った経緯を教えてください。
私は20代でマネジャーになったのですが、リーダーシップやチームのマネジメントで悩んだ時、周りに適切な相談相手がいなかった経験がもとになっています。当時はコーチングの会社に所属していたので相談先には恵まれているはずでしたが、悩みの解決には至りませんでした。コーチに共感して傾聴してもらって勇気をもらって、コーチからの質問に対して自分が答えたことを実行したりもしたのですが、結局自分の主観的な視点から抜け出せていなかったり、いつものパターンに陥ってしまったりして、解決には至りませんでした。
同時期に、前職でコンサルティングをしていた元同僚にも相談したのですが、私の至らない部分を分析・指摘してロジカルに課題解決をしてくれました。ただ、共感が全くなくて凹んでしまったり、私の性格やメンバーとの関係性といった現状からは乖離していたりと、これも結局実現できずでした。親身になって寄り添ってくれ、私の性格や価値観を考慮したうえでロジカルに解決してくれる存在がいなかったんです。とても欲張りで我儘なニーズですが、こういったことってあるのではないでしょうか。
この経験をきっかけに、ユーザーの性格や個性、価値観を踏まえて自力で答えを見つけるサポートをするコーチング的アプローチと、ロジカルに考えて課題解決を行うコンサルティング的アプローチを掛け合わせたサービスを作りたく、myPeconの立ち上げに至りました。
ーー今後、サービスはどのような進化をしていきますか?
自分の強みを仕事に生かして、仕事を楽しみながら最高のパフォーマンスを発揮するビジネスパーソンを増やすべく、「パフォーマンス・コンディショニングⓇ」のサービスを充実させていきます。
現在もオンライン・コーチングサービスだけでなく、コーチの専門性を活かして「勝てる戦略策定」や昇格のための「面接対策」、プレゼンスを高めるための「ファッションコーチング」、運動不足を解消するための「パーソナルヨガ」、マインドフルネスを目指す「チャイム」など、各分野に特化した講座を提供しています。これを更に拡充させて、総合的なパフォーマンス・コンディショニングⓇサービスを展開していきたいです。
ーー目指している世界観を教えてください。
自分の強みを最大限に発揮して仕事を楽しみながら、成果を出していくビジネスパーソンを増やしていくことです。日本人の幸福度は世界149カ国中56位、先進国の中では最下位の状態が続いています。少なくとも1日の1/3を占める仕事が楽しくなれば、もっと生き生きと生活する人も増えるのではないでしょうか。myPeconのサービスを利用することで自分の強みや価値観に気づき、それを仕事に生かしつつ、高いパフォーマンスを発揮して仕事を楽しむ人を増やしていきたいです。子どもたちが、両親が楽しそうに生き生き働く姿を見て、「自分も早く大人になって働きたい」と夢を持てるような社会づくりに貢献できたらいいなと思います。
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