新規事業を立ち上げたいけれど、仮説検証に割くリソースがない。ユーザーへのヒアリングを実施したいけれど、個人情報の扱いが課題になる。そんな悩みを抱える人は数多く存在するはずだ。
株式会社LIFULLが提供するオンラインインタビューサイト「uniiリサーチ」を活用すれば、低コストでインタビュー依頼を”おまかせ”して、ユーザーのリアルな声を聞くことができる。
事業責任者の浜岡宏樹さんは、社内ビジネスプランコンテストで採択された事業案を4回ピボットし、このサービスの立ち上げに至った。チームで掲げるビジョン「ワクワクする挑戦で溢れる社会を創る」の実現のために、今後はマーケティングやセールスといった領域にもサービスを展開していくそうだ。
「uniiリサーチ」とはどんなサービスなのか。詳しく見ていこう。
株式会社LIFULL uniiリサーチ事業責任者
浜岡 宏樹
ーー「uniiリサーチ」を一言でいうと?
ユーザーインタビューに特化したオンラインインタビューサイトです。
クライアントは特定の条件でユーザーを選定し、インタビューを通して顧客インサイトの把握やプロトタイプの検証、UI/UXのテストなどを行うことができます。
ーーどんな企業がインタビューを実施していますか?
クライアントの9割は、東証一部に上場されている大手企業様です。
近年はコロナ禍ということもあり、大手企業がこれまで基盤としてきた業種・業態から離れた領域での事業を立ち上げる流れが顕著で、新サービスの仮説検証に対するニーズが増加しています。
ーー企業がインタビューを実施するまでのプロセスを教えてください。
「uniiリサーチ」公式サイトよりお問い合わせいただければ、調査の目的や調査対象をすり合わせるためのミーティングを設定させていただきます。その後は、案件の掲載から日程調整まで弊社側にお任せいただけるので、Zoomでユーザーインタビューを実施するだけです。
ーー数あるモニターサイトや調査会社の中で「uniiリサーチ」を利用するメリットとは?
社内で新規事業を立ち上げ、仮説検証の段階に入ると発生する課題は大きく分けて3つありますが、uniiリサーチではそれぞれに解決方法を見出しています。
①予算や人員などのリソースに余裕がない
→提供サービスをユーザー集め(リクルーティング)に絞り、オンライン特化にすることで安さとスピードを実現。②適切なユーザーからのインサイト収集ができない
→事前アンケートに答えてもらうことで、クライアントが想定する顧客層に近いユーザーを絞り込む。このスクリーニングと呼ばれる作業が、精度の高いターゲット選定を可能にしている。③個人情報の取り扱いに課題がある
→ユーザーとの間に立ち、守秘義務についての規約取り交わしや謝礼の支払代行など、煩雑な手続きをアウトソースできる。
ーーユーザー層に特徴はありますか?
オンラインインタビューサイトということもあり、ユーザーの6割はITリテラシーの高い20~30代の方です。一方で、Web会議ツールを利用した会議や飲み会が普及したことで、比較的年齢の高い方までユーザー層の裾野は広がりつつあります。
また、ユーザーの半数以上は社会人として働かれている方で、リモートワークのスキマ時間にご利用いただいています。
ーー案件数は月間でどれくらいですか?
インタビュー案件数は月間20~30本くらいで、案件ごとに抽選が行われます。
ーーユーザーはどうやってインタビューを受けるのですか?
公式サイトの登録フォームに必要な情報を入力し、LINEで「uniiリサーチ」の公式アカウントを友だち登録すれば、インタビューを受けられるようになります。
インタビュー案件へのエントリーから日程調整、Zoomミーティングの案内までLINEのメッセージ内で完結する、わかりやすいUIが好評です。インタビュー実施の報酬は1時間あたり3,000~5,000円が相場となっています。また、インタビュー案件で求められる条件に自分が合致していなくても、条件に当てはまる友人をご紹介いただければ、紹介報酬を受け取れます。
ーーほかにサービスを利用するメリットはありますか?
「uniiリサーチ」ではインタビューを受ける度に、教育関係の支援を行うNPO法人へ50円の寄付金が支払われます。インタビューに協力するだけで社会貢献ができるこの仕組みは、「利他主義」を社是とするLIFULLの理念にも適うものなんです。
また、利用者様からは「自分の何気ない言葉が企業の力になるのがうれしい」という声もいただいています。企業の商品開発の現場に関わることで、新たな発見ができるかもしれませんね。
ーーサービスを始めた経緯とは?
株式会社LIFULLは社内事業提案制度「SWITCH(スイッチ)」を毎年開催しているのですが、私たちは2回目のエントリーで採択された事業案を4回ピボットし、2020年9月に「uniiリサーチ」を正式リリースしました。
ピボット前の事業案は、教育系サービスでした。採択されたまでは良かったのですが、仮説検証の段階に入り、ユーザーが継続的にサービスを利用して、それが社会課題の解決に繋がるかどうか検証していくと、事業として成立しないことが分かってきました。スタートアップが失敗する要因の半分近くが「ニーズがないのにサービスを立ち上げたこと」だという調査の結果は有名ですが、実体験としてサービス開発の仮説検証という領域に大きな課題を感じました。
同時に、この課題を解消できれば、次々と立ち上がるスタートアップの成功率は飛躍的に向上するだろうという確信を持つようになったんです。そこで、まずは仮説検証の領域から事業を始めることにしました。
ーーなぜ社内ビジネスプランコンテストに参加されたのですか?
エントリーした動機は、LIFULLに新卒入社して4年ほど営業職に従事した後に、2年間社長のカバン持ちをさせていただいた経験にあります。社長とともに起業家をはじめとした多くの成功者にお会いさせていただく中で、「自分自身が恵まれた環境にあるのに挑戦しない理由はないな」と一念発起して、社内起業のキャリアをスタートしたんです。
LIFULLには、メインの事業領域の不動産に限らず、あらゆる社会問題を解決する事業を生み出そうとする企業文化があって、常に刺激を受けてきました。社内起業のような動きがさらに一般的になれば、新たな挑戦のルートが確立されることに繋がるのではないでしょうか。挑戦する人たちのために選択肢を用意したい、というのは私個人の思いでもあります。
ーーこのサービスの今後は?
今後、インタビューを実施したいクライアントとユーザーを繋げるプラットフォームサービスをリリースする予定です。
サイト上にインタビュー依頼を直接ご掲載いただくことで、第三者を介さないスピード感とリーズナブルなコストを実現します。早ければ掲載翌日にインタビューを実施し、1時間5000円程度でユーザーのリアルな声を聞くことができるでしょう。
現在はエンタープライズを対象にサービスを展開していますが、今後はプラットフォーム事業への移行により、スタートアップや広告代理店、コンサルティングファームなど、幅広い業種・業態の企業様にご利用いただけるサービスにしていきたいです。
ーービジョンはありますか?
チームとして掲げているビジョンは、「ワクワクする挑戦で溢れる社会を創る」です。
誰しもに挑戦したい目標があって、その挑戦が応援される社会で生きていけるとしたら最高ですよね。そんな社会を実現するために、いずれは成功の条件として欠かせないマーケティングやセールスといった領域にも手を伸ばし、クライアントとユーザーの距離を近づけるサービスを提供していきたいですね。
現在uniiリサーチでは新サービスである、クライアントとユーザーをつなぐプラットフォームサービスの初回トライアルキャンペーンを実施中。気になった方は以下のリンクまで。
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