株式会社iCAREの「Carely(ケアリィ)」は、紙やエクセルで管理している従業員の健康管理情報をクラウド上に一元管理できるシステムだ。他にも、オンラインチャットで健康への不安を専門家に相談できる機能などがある。また、従業員の健康管理の質が上がることで経営の質も上がるという。
「Carely(ケアリィ)」は、新型コロナウイルスの流行で、ますます従業員の健康管理が必要となる現代に必須のサービスと言えるだろう。
どんなサービスなのか、株式会社iCAREの呉 美里さんに伺った。
株式会社iCARE 広報PR 呉 美里
大手広告会社で美容・飲食情報の集客媒体に関わった後、
30~40代女性向け健康情報誌の広報を経て2021年3月より現職
ーー「Carely(ケアリィ)」を一言で言うと?
企業で働く従業員と組織のためのクラウド型健康管理システムです。
ーー対象としているユーザーを教えてください。
職種や業種を問わず、従業員50名以上の規模のすべての企業様にお使いいただけます。
ーー50名以上と規定を設けている理由は何ですか?
「労働安全衛生法」という法律がもとになっています。この法律では、50名以上の従業員が働く企業において、雇用主が働く環境の衛生を維持し改善していくことが義務化されています。「働く環境衛生の維持」と一言で言っても、感染防止対策や運動不足の解消、危険物質の除去などその業務は様々です。そこで、Carelyでは従業員50人以上規模の雇用主が定期的に行う従業員の健康管理を支援することで効率化を図っています。
ーーユーザーが得られるメリットについて教えてください。
人事部門と従業員の両者にメリットがあります。
1点目は、人事部門におけるメリットです。健康診断の結果など、従業員の健康データは紙で管理する方法が一般的でした。また、就業管理や残業時間は労務担当が管理しており、従業員の健康状態を総合的に判断することが困難でした。それらの健康データをCarelyで一元化を図ることで、人事担当は瞬時に従業員の健康状態が可視化され、本質的な健康管理を効率よく行えるようになります。また、クラウド上でいつでも閲覧可能になるのでコロナ禍で普及したテレワーク勤務下で非常にニーズが高まっていえます。
2点目は、従業員側のメリットです。毎年の健康診断結果や残業時間、ストレスチェックの結果など自分の健康状態をオンライン上で瞬時に確認でき、経年比較を行うこともできます。また、オンラインチャット相談機能を利用することで看護師・保健師や臨床心理士などで構成されるCarelyの専門家チームに、普段人事や産業医に相談しづらいようなちょっとした不安など、気軽に相談が可能です。健康的に仕事に取り組めるような、安心できる職場環境をサポートします。
ーーベンチマークとするサービスとの違いを教えてください。
主に2点あります。
1点目は、一気通貫型の健康管理システムであることです。健康診断予約業務から法律で定められた健康管理業務・産業医との連携・従業員の相談窓口整備、そして一元化された健康データの可視化・分析までをCarely一つで実施可能です。集約された健康データは人事や健康経営の施策に活用ができ、経営の質向上にも役立てられます。
2点目は、カスタマーサクセスと開発の体制が充実していることです。Carelyでは、3ヶ月の丁寧なオンボーディング(導入支援)期間を設定しています。企業ごとのニーズで着実に効率よく活用することで、Carelyで健康管理を軌道に乗せていくよう支援しています。また、現場の声をもとにした開発も評価を受けています。ユーザー視点での使い方やナレッジの共有会を開催したり、出てきた要望をもとに毎月100件ものアップデートを行っているんです。新型コロナウイルスで状況が刻一刻と変わっているご時世での健康管理だからこそ、日々のキャッチアップを大切にしています。
ーーサービスを開発した経緯を教えてください。
もともと弊社の代表は、心療内科を専門とする医者としてメンタル不調を抱える患者と日々対面してきました。その経験を通して、「ケアする」アプローチが病院の中ではカバーしきれていないという問題に気づいたんです。その後、働く環境が精神的な健康に与える影響の大きさを一層実感して産業医になりました。そこで、企業側にアプローチしていくことで、働くひとの健康創りを支援する会社を創業し、Carelyを開発しました。
ーー代表が産業医を経験される中でどのような気づきがありましたか?
主に2つの発見がありました。
1つ目が、健康の大切さは健康でなくなってから初めて気づくということです。基礎疾患の不調や出産・介護といった病院に行く機会があれば健康について考える機会があるでしょう。しかし、日々生活している中ではなかなか気を配る機会がありませんし、健康情報サービスも健康関心の感度が高い人を対象に作られてしまっている現状があります。
2つ目が、労働安全衛生法を順守することの重要性です。労働安全衛生法は、企業に対して従業員が健康で働き続けられるように健康管理を義務付けている法律です。先ほど、健康情報サービスは健康に対する関心が高い人に向けて作られているという現実を示しました。その解決策として、健康へ無関心である層に対して企業として強制力をもった働きかけを行うために、労働安全衛生法の法令遵守を促す方が効率が高いと考えるようになりました。
ーー今後サービスはどのような進化をしていきますか。
健康管理を充実させ、最終的にはデータの活用を促していきます。Carelyの導入企業が増え、ビックデータを元に様々な分析ができる土台ができつつあります。コロナ禍で着手する企業が増えている健康経営において、今後、業界内同規模比較などCarelyのデータを施策に使っていただけるようにしていきたいです。
また、従業員側と人事側の両者に対してより健康診断のDX業務を推進していきます。健康管理の入り口である健康診断の予約業務の負担がまだまだ大きい現状があります。人事が他の業務と兼務しながら従業員と医療機関とアナログのやり方で調整を進めていることが壁になっていると予想されます。Carelyを使って健康診断の予約から受診までの工程をオンライン上で完結するシステムをローンチ予定です。
Carelyの「健康診断WEB予約」機能リリースは
ーー目指している世界観を教えてください。
カンパニーケアの常識を変えることです。カンパニーケアとは、企業が行う健康管理のことです。「ペーパーレスではない」「本質的な健康管理ができていない」「健康管理が経営の質向上に繋がっていない」など蓄積している課題を一つづつ解決していきます。
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