代表取締役
徳永 勇治
2004年に中国銀行に入行。2007年株式会社リクルート入社。HR領域で関西の大手取引企業を担当する。2012年株式会社パシブル(現JoBins)を創業。人材紹介事業を経て、紹介会社向け求人プラットフォーム「JoBins」を企画・開発。現在登録社数は累計1400社。
現在の人材紹介業のビジネスモデルは、紹介した求職者が求人企業に採用された場合、初めて料金が支払われる「成功報酬型」になっている。料金は年収の30%であることが一般的。このようなビジネスモデルにおいて、高収入であることは、人材紹介会社にとっての高単価案件であることを意味する。高収入の案件は手厚く取り扱われやすく、それ以外の求職者に向けたサービスが手薄になってしまいがちである。
この現状を打破すべく生まれたのが、今回紹介するプラットフォームサービス「JoBins」だ。
詳しく見ていきたい。
JoBinsのサービスを一言で言うと「採用企業と人材紹介会社をつなぐプラットフォーム」です。従来の人材紹介会社のビジネスモデルは、求職者の年収から導き出される成果報酬をいただくという形になっています。ですから、利益が出やすく、より高単価な年収600万円以上の層がターゲットになりやすい。率先して職を紹介されることが多くなっています。そのためサービスも手厚いんです。
それに比べて、年収400万円以下の人に向けたサポートは少なく、当社はこの層に目を向けました。適正な成果報酬額を設定することで年収400万円以下の求人票を流通させ、新しいマーケットを創出し、彼らも人材紹介を使って転職できる仕組みをつくりました。採用企業側にも明確な経済効果があります。企業が採用活動のためたくさんの人材紹介会社とつながるには、開拓のための時間や契約の手間などあらゆるコストがかかります。しかし当社のサービスを使えば、WEBで登録するだけで500社以上の人材紹介会社と一気につながることになるんです。コストカットになりますよね。
「JoBins」は紹介手数料が低コストで利用できる新しい人材紹介プラットフォームだ。 人材紹介の良いところを残し、価格のみを中小企業の採用へフィット。JoBinsを導入することで企業は通常の約1/3のコストで確実な採用ができ、人材紹介会社は完全無料で求人票が手に入るメリットがある。
現在は人材紹介会社500社以上に登録していただいております。転職希望者の集客は彼らに依存しています。JoBinsはBtoBのサービスなので、直接集客はしておりません。
当社が扱う具体的な人材像としては、ハローワーク・リクナビに登録はしたが就職までは至らなかった方、初めて転職を考えているような方です。特徴は年収300~400万円ぐらいであること。求職者の方にとって一番合った職に就けるように、能力を評価するスペックマッチングではなく、「明るく元気であれば採用する」というような、主に性格などを評価し採用へとつなげるタイプマッチングをしていきます。
競合についても聞いた。
大手の人材紹介企業は競合にはならないんですよね。大手が扱う求人票とデータは、当社が扱うものは違うので。
扱う人材が似ているので、ハローワークやインディードが競合です。また、JoBinsに登録している人材紹介会社は、自分たちが保有している求人票をシェアすることもできるんです。条件に合う人材がいれば、他の人材紹介会社が彼らに人材を提供します。求人票をシェアした人材紹介会社からすれば、0円だった求人票がお金になるんです。こんな風に、小さい会社同士で協業していくことができるプラットフォームを目指しています。
サービスを立ち上げた経緯について聞いた。
中国出身で、11歳まで中国にいました。新卒では中国語が話せることを活かして、中国銀行に入行。3年間働きました。
その後リクルートに転職。リクルートでは、最初はHRにてアルバイト・パートの採用支援を担当しました。経験を積んで正社員領域へ。だんだん取扱高が大きいお客さんとお付き合いするようになりました。2007~2012年までリクルートに在籍。人材業界で生き残るためのノウハウはここで得たと思います。その後スタートアップの立ち上げに携わるように誘われ、リクルートを退職しました。しかしその会社は資金繰りが立ち行かなくなり、断られてしまったんです。まずキャッシュを作るために、法人登記して一人でエージェントとしてスタートしました。当初の社名は「パシブル」現在の会社のもとになります。
サービスの構想をしたのは今から3年前。エージェントを見様見真似でやっているうちに、採用されそうな高収入の人には力をいれ、それ以外の人にはサポートが手薄な風潮を感じたことがきっかけです。本当にサービスを必要としている年収300~400万円の人に十分なものを提供できていない。彼らに最適なキャリアアドバイスをして、しっかりミスマッチせず転職できることが社会に必要だと感じたんです。
将来の展望を聞いた。
今のビジネスモデルは不動産システムのレインズからヒントを得ました。私が家を借りに行った時に、レインズを使って案件をめちゃめちゃ出してくれたんですよ。要望に対して、当てはまるものを即座にたくさん出せる。そして、担当する営業マンは間取り図にはないローカル情報に強かった。だから利用者として、安心して使うことができました。
今の人材業界にはこれが必要だと思ったんです。どこのエージェントに行っても公平に情報を扱うことができ、そしてエージェントによって独自に強いローカル情報がある。その情報を活用して転職先をもっと気軽に見つけられるようにしていきたいです。プロダクトは、マッチング率を向上できるように進化させていきます。案件数はどんどん伸びているんですが、決定率は決して僕らの理想に届いているわけではありません。採用側が「推薦された転職者がどんな人物なのか」わかるようにするにはどうすればいいのか。過去の面接で合格した人はどうして合格したのか。機械学習などでデータ分析を進め、マッチング率の向上に努めていきます。まずは月に100件ぐらいのマッチングを目指したいですね。
年収300~400万円の就職・転職サービスが手薄になっている現在。
株式会社「JoBins」は年収に関わらず、誰でも天職につけるように支援していくプラットフォームサービスを構築する。
取材担当橋本
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