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インタビュー 2019.05.28

「非認知能力を認知する」XCOG(エックスコグ)が描く壮大な未来とは

XCOG  代表取締役CEO
玉木 穣太

2017年7月まで株式会社CogentLabsにてクリエイティブリード。現在はXCOG代表取締役兼DPDC代表。

DPDCとしてはMitasMedicalのストラテジスト担当。その他直近の仕事はDraperNexusVentures 改めDNX Venturesの新名称、CI開発。FintechベンチャーOLTAのブランディング、JapanDigitalDesignにてクリエイティブアドバイザー等。活動領域は0-100。デザインを広義な意味で使って経営学から診るデザインアーキテクト〜実制作まで

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「非認知能力を認知する」でコミュニケーションを科学するXCOG

日本人は勉強ができる。学習到達度調査(PISA)の点数を見ても、国際的に高い水準を保っている。

しかし、自殺率はOECDの中でワースト2位、GDPや出生率も低い水準…問題を上げればきりがない。

このような問題を「非認知能力を認知する」というアプローチで解決を目指しているのがXCOGだ。

詳しく紹介しよう。

「非認知能力を認知する」とは?

――XCOGのコンセプトについて教えてください。

「非認知能力を認知する」サービスをXCOGは開発しています。

非認知能力とは、協調性やコミュニケーション能力など数字になって出てこない能力のこと。認知能力は可視化できますが、非認知能力は可視化できず、バラツキも大きくなっています。これらの特徴から、非認知能力は体系化やスコアリングがされていません。
一方、
人間の認知能力は数値化されているので、AIが代替できます。

例えば日本の一般的な学校教育1つ取ってみても、人間の力が必要なくなる分野にも関わらず、この認知能力を伸ばすことに注力しています。

これが労働者の能力不足に大きく起因しているのではないでしょうか。

だからこそ、我々はいまだに数値化・体系化されていない非認知能力の正体を暴きたいと思っています。

非認知能力を数値化し、新しい基準を提供することで、現在の数値化できる能力ばかり評価される文化を変えていきたいですね。

――XCOGの作るサービスはどんなものなんですか?

「OK Google」「Hey Siri」などAIに質問をしてみるとしましょう。

例えば「調子どう?」と聞くと、
AIは「調子はとても良いです。花粉の季節なので気を付けてください」といったような意味の答えを返します。
これが今のAIの限界です。

一方、「調子どう?」と聞いたとき、「なんだか楽しそうですね♪」という答えが返ってきたらどうでしょう。
このAIはその人の人となり、普段からのコミュニケーションをもとに心理を理解した応対をしていますよね。

描ける未来の1つに、いずれその人に寄り添った対応ができるような機械ができるかもしれません。

そのためにXCOGでは「人」を知ることができるサービスを作っています。

XCOGの名前は、認知を意味する「Cognitive」と、外部化するという意味の「External」、拡張という意味の「Extension」の英単語が由来です。非認知能力を外部に拡張することを目指しています。

XCOGの立ち上げの背景には学生時代の思い出があった

――XCOGを立ち上げた背景について教えてください。

僕が小学生の時、実際にあった美術の授業で、先生が「木は緑に塗りなさい」とクラスに言ったことがありました。結局、授業では枠からはみ出さずに塗った人の点数が高かったんです。僕は70点ぐらいだったかな笑

子供心に、この授業の意味がよくわからなかったんですよね。指示は「木は緑に塗りなさい」だったにもかかわらず、正解は「はみ出さずに塗ること」目的は技術の向上だったのかもしれませんが、結果として点数の高い人が社会的な品位を得ていた。
しかし、これって個性が排除されたことに他ならないですよね。

このような集団に単一性を求める文化が日本にはあって、ずっと違和感を覚えていました。
この違和感がXCOGのビジネスに生きています。

XCOGが描き出す未来

コミュニケーションを科学する

――サービス開発後のXCOGが描く世界を教えてください。

個人的な視点ですが、2030年~2040年にはAIが社会に実装されていると思います。「正しい答え」に24時間365日誰でもジャンプできるようになる。

AIが実装された後に、人が何に躍起になるかと言うと「自分たちが存在する意味・意義」だと想像しています。

ある日、湯川秀樹の本を読んでいて思うことがありました。

その本にはこう書いてありました。
「孫から、『ねえおじいちゃん。誰が空からお水を撒いているの?』と聞いてきたが私は答えられなかった。」

私はこの応対は間違っていると思うんですよね。
恐らく彼は、孫に水蒸気の仕組みをどう翻訳したら良いかわからなかったんだろうと思います。
でもそうじゃない。正しい答えを認知していない時は、例えば「うん、そうだよ。鬼が泣いているんだよ」と返すべきだった。

30歳にもなって、空で鬼が泣いているなんて言っている人は周りに居ないじゃないですか

人はいずれ認知するんです。外部環境がそうさせる。全ての物事には認知するタイムラインがあり、認知前には想像力が占有しています。この認知するまでの力を育てることこそが、人間の使命なのではないでしょうか?

XCOGはAIが担うことのできない「人間らしさ」を追求していきます。

まだプロダクトは開発途中とのことだったが、これから「非認知能力を認知する」ことに向けて動き出すXCOGに期待がかかる。

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編集後記

取材担当橋本

わかりやすく、面白い解説についつい聞き入っちゃいました。これからXCOGが開発するプロダクトが楽しみです!

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投稿者プロフィール

橋本 雅弘
橋本 雅弘
大学では社会福祉学を専攻。現在はStartupTimesのほか、日本最大級のAIメディア「AINOW」でも執筆。学生スタートアップ特化型アクセラレータープログラム「GAKUcelerator」でメンターを勤める。

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