Chief Executive Officer
五味 和泰
早稲田大学理工学部卒、米国 南カリフォルニア大学法学修士。特許事務所で10年間、知財実務に従事。2015年、はつな知財事務所を設立。2016年2月より現職。日本弁理士会、日本商標協会に所属。
商標登録と聞いてどんなイメージが浮かぶだろうか。
ちなみに、商標は「誰が作った商品なのか?」「誰が提供しているサービスなのか?」を表すマークのこと。商標登録とはこのマークを得るための行政手続きのことである。
…とても面倒そうだ。
この商標登録の負担を軽減し、ブランドを守る助けをするのが、今回紹介する「cotobox」のサービスである。
詳しく見ていこう。
―Cotoboxはどんなサービスなんですか?
Cotoboxを一言でいうと「オンラインで簡単に商標の登録ができるサービス」です。
利用方法としては、まず考えたネーミングをに入力します。すると、Cotoboxが過去に出している商標と被っていないかをチェックして、商標として使えるかどうかを判断。その後、お客様にご登録いただき、外部で提携している弁理士に情報が送られます。弁理士が最終チェックをして、商標申請という流れになっています。
―Cotoboxのシステムだけでなく、最終的に弁理士さんを一度通すのはなぜですか?
知的財産権は、弁理士を介在させても6割ほどしか審査を通過できないんですよ。過去の商標との被り以外にも、審査を通過するための条件もある。そのため、商標によっては登録の難しさが変わることがあるんです。
登録が厳しいかもしれないけれども、チャレンジするかどうかなどは、最終的にコミュニケーションで決めた方が良い。だから最終的な判断は弁理士に任せています。
――ユーザーはどんな方が多いのでしょうか?
もちろん大企業のお客様もいらっしゃいますが、中小企業様が多いですね。スタートアップや個人事業主の方もいらっしゃいます。
業種はアパレルなどの小売りを小規模でやっている方が多いです。スタートアップだとサービスやアプリにネーミングする必要があるので、ウェブサービス系が多くなっていますね。
――競合はどこに当たりますか?
既存の弁護士事務所さんやtoreruさん、ウェブに特化した商標登録事務所さんは競合ですかね。
――他社さんとの違いはどんなところにありますか?
Cotoboxは商標の検索ができて、そのまま申し込めます。商標案を考えた企業がCotoboxを使えば、すぐにその商標が使えるかどうかがわかるんですね。このスピード感は他社さんとは違うところかもしれません。
また、ウェブで商標登録を受け付る場合、裏で人が商標登録をするために動いている場合が多くあります。しかし、Cotoboxは基本的に企業様向けに機能を発表しているので、ユーザーの方自身が操作できます。労働価値をユーザーに提供していることが特徴ですね。
最終的には人が確認することも強みです。商標登録が正確にできるようにクオリティを担保しています。
申し込みまでの流れはたった3ステップ。
①商標を入力
②小項目を選択し、検索結果を確認
③出願内容を確認し、注文
――cotoboxを立ち上げるまでにどんな経緯があったんですか?
新卒で建設業界に入り、10年間働いていました。建築物を作るのが主な仕事。現場にも率先して出ていましたね。工場やホテル、通信施設建設や首相官邸の改修工事まで幅広い業務をやっていた記憶があります。
建設業界に入って10年経った時、やり切った感じがしていました。そんなときに、知的財産権がメディアで取り上げられているのを目にして、とても興味がわいたんですよね。知的財産権のことを調べるうちに、弁理士の存在を知って。
弁理士の資格に挑戦しようと思い、思い切って転職しました。その後、特許事務所に入って実務をこなしながら勉強。4年目で弁理士の資格を取得できました。
知的財産権は国際的な手続きが多いのですが、僕は英語が苦手で(笑)。英語を勉強したい!と思い、留学することを決意しました。36歳のころでしたね。40歳でロサンゼルスのロースクールに留学しました
ロサンゼルスでスタートアップの存在を知りました。プロダクトを作っている姿に衝撃を受けたんですよね。Cotoboxのアイデアの原型はここで生まれました。
日本に帰ってきてcotoboxを創業。
体験や経験を提供したい、新しい体験や経験をする人を応援したいという想いをこめて「coto」という言葉をつけました。Cotoboxのサービス名は、カテゴリーを表さない、抽象的なものにしたかったんですよね。今扱っているのは商標ですが、今後仕事の幅を広げていくかもしれないので。サービスやカテゴリーに関わらず、上限なしに活躍できるようにしていきたいです。
――今後のcotoboxの展望は?
今後も変わらず、商標でサービスを提供していきたいと思っています。
各会社の立ち上げたサービスのネーミングやロゴはブランドになりえるものですよね。それらの保護をサポートしていきます。
商標登録をして、ブランディングに成功した名前についてもサポートできる体制を作っていきたいですね。
――Cotoboxはどんな風な展開をするのですか?
Cotoboxのプロダクトとしては、どんな会社でも使えるものを作っていきたい。
専門的な技術や知識が必要なく、思いついたときに、どんな担当者さんでも使えるサービスにしていこうと思っています。
また、今後はcotoboxをさらに普及させて、今まで守られていなかったブランドを守れるようにしていきたい。
日本に限らず、世界で利用できるサービスにしていきたいですね。
取材担当橋本
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