代表取締役 田渕 健悟
シッピーノ株式会社を運営。大学時代は文系を専攻しながら独学でプログラミングを学び、Webサイト等の運営をしていた。卒業後はエンジニアに就職したが同期とともに起業。その後代表という立場で経験を積みたいという思いから1人で起業し現在にいたる。
現在、Amazonや楽天市場など多くのECサイトが存在する。より多くの製品を売りたい業者は何種類ものECサイトに出品し、複数の倉庫に在庫を置いている。そこで生じるのが、1つ1つのサイトの受注の確認と様々な倉庫への出荷の依頼に莫大な時間と手間がかかる、という課題である。この課題を解決に導く存在こそがシッピーノである。
私たちは、ECサイトの注文を一括して管理し、倉庫への出荷依頼や在庫同期まで自動化して行うというシステムで、お客様をサポートしています。現在も連携先を拡大し、様々なニーズに合わせてサービスを展開しています。いわば全てのECモールと物流サービスをつなぐハブのような役割を担っています。
現在は中小企業をはじめとしてBtoC系のスタートアップベンチャーなど1000店舗以上に導入され、1000万件以上の出荷実績がある。
初めは、異なる仕様のAPIや言語を使用するECサイトをまとめたり、物流サービスを開拓するのは、非常に困難でした。でも逆にこれらをつなげて1つにまとめることで「完全自動化」という新たな可能性が見えてきました。些細な手間をも省いて担当者のストレスを無くす。これは面白いと思い、突き詰めていきました。
注文情報の確認、サンクスメール送信、在庫確認、物流サービスへ出荷依頼、出荷完了メール送信、配送情報登録、在庫同期。これら一連の作業を自動化して一切人の手を挟まない。人手不足に悩んでいる中小企業にとって魅力的なシステムである。
これまで中小規模の業者が人の手でやっていた面倒な作業を完全自動化することで、よりクリエイティブな仕事を増やすことが狙いです。
田渕さんはエンジニアとして働いたのちに、同期とともにブロガーと企業をつなぐサイトの運営会社を設立。4年間開発担当として企業の成長に貢献。その後、「自分1人の手で起業し経験を積みたい」という思いから、シッピーノを起業する。しかし最初は、受託開発やアフィリエイトを行うエンジニア集団だった。
次から次へと案件に追われる日々でした。自社のプロダクトを作りたい。そう思っているときに、たまたま物流サービスの業者さんの悩みを聞き、物流業界のWeb化が遅れていることに気づきました。これだ、と思い現在のサービスの構築に取り掛かりました。
サービス展開を始めて3年。田渕さんは今後のシッピーノの可能性について語ってくれた。
業者さんの手作業はまだまだたくさんあります。単にECモールと物流を結ぶだけでなく、電話システムやWebサービスなど全ての業務を一元化して、不要な手間を一切省くプラットフォームのような存在になっていきたいと考えています。
困りごとから新たなビジネスチャンスを掴むシッピーノ。中小企業だけでなく様々な業態の企業を支える、無くてはならない存在になりそうだ。
茅ヶ崎にあるおしゃれなオフィスもシッピーノの魅力の1つである。田渕さん自身がサーフィン好きだったこともあり、10年程前に都内から移住し茅ヶ崎にオフィスを構えた。あえて都心から離れた場所を選んだのは、クリエイティブな働き方を重視しているから。
様々な働き方を受け入れる環境をつくる動きと新たな事業をつくっていくことをごっちゃにしていくと良い会社が作れると考えています。社員22人いろいろな働き方があります。例えば、結婚前バリバリにマーケティングをやっていた子育てママさん。都心には行けないけれど、自分のスキルを活かしたい。ここだからこそバリューが出る人材があって、そういう人材が集まると新しい事業が生まれる。楽しい働き方になるんじゃないかと考えています。
新しい働き方とそこから生まれる新しい事業。今後も目が離せない企業である。
取材担当下郷
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