現在、ファッションECサイトが多数あり、実際にお店に行ってお買い物をする必要性は低くなってきている。
にもかかわらず、どうしてもお店に行った方がいいという場合がある。その最たる例が「試着」だろう。
本当はECサイトだけで洋服を買いたいのに、試着するためにわざわざお店に行く人も多いのではないだろうか。
そんな負担を軽減するサービスがfitom (フィットム)だ。
試着をシェアすることで、「試着したい人」「試着が面倒な人」もさらには、店舗・ECサイトまでメリットのあるサービスになっているという。
どんなサービスなのか。詳しく見ていこう。
代表取締役社長
安藤 望
外資系コンサルティングファーム、金融機関を経て、シグマクシスにて10年間、複数業界にて新事業開発を中心としたコンサルティング業務に従事。企業や個人の多様性をアグリゲーションすることで、新たな価値を創りたいという思いでfitomを設立。趣味はアウトドアと子供たちと遊ぶこと。
執行役員 UX本部長
村上 悠
広告代理店を経てユナイテッドアローズに入社。広告宣伝職、UA LTD.ハウスカードのサービス開発、CRMシステム開発、新規事業開発、海外進出などのプロジェクトに従事。「試着の価値」に着目し fitomを考案。好きなものは、料理、焚き火、歌、カルチョ。
執行役員 マーケティングコミュニケーション部長
原 康人
大学卒業後、音楽業界を経て2008年に博報堂DYインターソリューションズ(現DAC)に入社。クリエイティブ・メディア領域を中心としたデジタルマーケティング全般を経験。趣味は音楽鑑賞、買い物、キャンプ。夢は、トレンドとなるカルチャーを作ること。
――fitom のサービスについて教えてください。
fitomのサービスを一言でいうと「試着シェアアプリ」です。
今まで、試着は自分のためにするものでした。fitomは「人のために試着をする」という新しいコンセプトに基づいたサービスになっています。
――具体的にどうやって利用するのですか?
試着してもらいたい人は、まずお気に入りのアイテムに試着のリクエストを送ります。その後、投稿された試着フォトでサイズ感やシルエットを確認し、ブランドECにて直接決済することができます。
一方、試着する人のご利用方法は、お店に行ってもらい実際の商品のバーコードをスキャンします。すると、ECから連携している画像が表示され、同時に試着をシェアした時のポイントを確認できます。ポイントはリクエスト数や投稿数によって変わりますが、最大1000ポイントが付与されますね。そして、シェアをしていただいた段階で、ポイントを獲得。ポイントはクーポンとして、実店舗で使うことができます。
シンプルな仕組みで、試着してほしい人・お店に行って試着する人・実店舗・ECサイトすべてにメリットがあるサービスになっています。
――どんな方が利用されていますか?
実店舗に来ている方は、積極派と消極派のお客様がいらっしゃいます。これらのお客様がfitomをご利用いただいています。
積極派のお客様は、昔から店舗でのお買い物を楽しんでくださっている方のこと。お買い物体験自体を楽しんでいらっしゃいます。
一方で、一生懸命頑張って、実店舗にいらっしゃっているお客様も。それが消極派のお客様です。「ECサイトだけで買い物をしたいが、画面だけではわからない」「サイズ選びで失敗したくない」いう思いがあり、経済的に損をしたくないお客様・主婦の皆様など買い物に時間をかけられないお客様・接客が苦手だというお客様がその代表例です。
これらの「積極派」「消極派」のお客様に使っていただけるサービスになっています。
――fitomを使っている方はお買い物が好きな「積極派」と「消極派」なんですね。
消極派のお客様は、実はECサイトでお買い物を完結させたいと思っていらっしゃることが多いんですよね。しかし、失敗したくないと思っているから実店舗に来ている。
そこで、積極派の方に試着をしてもらい、消極派の方は一般の方が試着している姿をアプリを通して見てもらう。
そうすれば、試着をシェアした人にはポイントがもらえ、試着イメージを見ることができればECサイトだけでもお買い物ができるようになります。
このように、積極派と消極派の課題・ニーズを整理し、両者にメリットができるサービスになっています。
参加ブランド一覧。
今後提携先を増やしていくとのこと。
――fitomの強みについて教えてください。
fitomはお買い物に寄せたサービスになっています。EC側に在庫があればすぐに買えますし、実店舗の強みを生かした新しいお買い物体験を実現しています。
実店舗の試着という「リアル」とそれを提供するfitomの「デジタル」のハイブリッドであることが強みになっていますね。
――fitomを立ち上げた経緯について教えてください。
ユナイテッドアローズでは、「実店舗の強みを活かした、新しいお買い物体験を作る」を課題として掲げて活動していました。
そこで現状のお客様のお買い物の動向をリサーチし、カスタマージャーニーを把握。そこでわかったことは、買い物はスマホの画面で完結するのに、実際に店に行って試着している人が多いということなんですね。
なぜ実際に店に行っている人が多いのかというと、ECサイトだと試着ができないからなんですね。サイズ感や素材は実際に着てみないとわからないことがあります。また、モデルさんが写っているようなきれいな写真では、自分との差が大きい場合があるので、参考にならないことも。
だから、本当はECサイトだけで買い物をしたいけれども、実店舗に足を運んでいるという人がいらっしゃるんです。
――なるほど。そこからfitomを提供するまでにどんな流れがあったのですか?
実店舗に行って試着した記憶が忘れられているのが、もったいないと感じたからですね。
昔は、お店に行く価値は決済をして、モノを得る快感を感じることでした。しかし、最近はECサイトなどの登場により、どこでも購入することができます。そのため、実店舗に行くことの価値が「試着する体験」に移ってきていると感じたんです。
試着情報には価値がある。そんな価値ある試着情報を有効活用して、シェアできれば、あたらしいお買い物体験を提供できると思って、fitomを開発しました。
――今後のfitomの展望を教えてください。
今後は規模を拡大していこうと思っています。
取り扱いブランドはUNITED ARROWSからスタートしていますが、今後は複数のブランドに使ってもらえるようなプラットフォームサービスにしていきたいです。
――fitomの目指している世界を教えてください。
僕たちは、New Paradigm for Life.というビジョンを掲げています。サービスの目新しさだけではなく、人々の生活に根付く新しい価値を生み出していきたいと思っています。
まずは、試着をキーワードにアパレル業界が抱えている問題を解決していきます。
そして今後は、その問題を総合的に解決し、新しい価値観を世の中のインストールしていける会社を目指していきたいですね。
アパレルの問題を包括的に解決できる会社へ。株式会社fitomは試着から挑戦を始める。
取材担当橋本
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