従来のマッチングサービスは、「理想」を追い求めすぎている側面がある。
理想を追い求めるあまり、100件以上の「いいね!」を送り、何度もメッセージを交わさなければならない。そして、実際に会うと「理想」と違ったことに落胆することが少なくない現状だ。
このような現状を「理想」よりも「会ってみたい」という感情を大切にすることで、解決するマッチングサービスがある。
株式会社BuzzTechが開発したアプリ「Rose Me」だ。
試着するような恋愛を実現しているのだという。
試着する恋愛とは?サービスについて詳しく見ていこう。
代表取締役
岩佐晃也
小学4年生の時にアセンブリに出会い、プログラミングに興味を持ち始める。その後中学卒業までの間に、C言語とHSPを学びゲーム製作やツール制作に勤しんだ。大学入学後は、iOS/Androidアプリ開発(Swift, Java)や機械学習、Web開発(React, Rails)に励み、5以上のサービスローンチに携わった経験を持つ。2018年、株式会社BuzzTechを共同創業。
取締役CTO
福知侑也
大学に入ってから本格的にプログラミングを始め、3回生の時にリクルートをはじめとする企業でアプリ開発のエンジニアインターンやビジネス職インターンに参加。iOSアプリ開発がメインであり、その他にも現在はデータ分析や機械学習の仕事もしている。2018年、株式会社BuzzTechを共同創業。
――Rose Meのサービスについて教えてください。
Rose Meを一言でいうと「試着できる恋愛を提供するサービス」です。
今まで出会いのためのサービスは、理想の人だけに「いいね」をして、それ以外の人を無視することが多くありました。
それに比べてRose Meはメッセージは手短にして、まず会ってみるというモデルを採用。「理想」はもちろん大切ですが、それ以上に「会ってみたい」という思いを大切にしています。
そのため、Rose Meでは、メッセージで相手のことを深掘るのではなく、1時間で時間を区切ってまず会ってみる形で異性とのマッチングを行っています。
――Rose Meの具体的な使い方を教えてください。
出会いを募集する場合は、まず都合のいい時間を選択します。そして、カフェやランチ、バーなどの食事ジャンル・場所・コメントを入力。あとは、ローズが送られてくるのを待つだけです。届いたローズの中から一人を選んで、デートを楽しむことができます。
一方、応募する場合は、空いた時間からデートの募集を探します。そして、デートしてみたい相手にローズを送付。相手がローズを受け取ってくれれば、デートが成立します。
――ユーザーについて教えてください。
ターゲットは20代前半の方です。現在は、22~23歳の方に多く利用していただいています。
ユーザー数としては、リリース3日目で1000人を達成しました。これからも多くの方にRose Meを使っていただきたいですね。
――競合について教えてください。
Dine(ダイン)さんが競合ですね。
Dineさんは食事に特化したマッチングサービスです。マッチングが2週間後であるなど、中長期的なマッチングをしていることが特徴です。
――Rose Meの強みを教えてください。
Rose Meでは、マッチングする際に、場所や時間、何を食べるかまで決めます。このように細かく条件を事前に設定しておくことで、実際に会える確率を上げているんです。
また空いている時間の指定も「今日」「明日」「明後日」に絞っているので、予定のキャンセルなどで突然時間が空いた時に使いやすくなっています。
加えて、デートを1時間だけに限定しているのも特徴ですね。Rose Meでは1時間以上のデートを禁止しています。特に故意に1時間を超えるような男性は、自然と悪いレビューがつくので出会いにくくなっていきます。
女性のユーザーの方に気軽に使っていただけるように、男性側のFacebookが公開されている機能もあります。
これらの機能で、出会いやすさと安全性の両立をしたサービスになっています。
――Rose Meを立ち上げた経緯について教えてください。
会社を立ち上げた当初は、パパ活アプリを作ってお金儲けをしようと考えていました。そこでアプリを開発したのですが、なにも楽しくなくて。お金だけ手に入っても嬉しくなかった。
私たちはユーザーの方に、「出会った2人が一生のパートナーになりました!」というような経験をしてほしいと思ったんです。
そこで、従来のマッチングアプリについて研究しました。
わかったのは、出会うまでのハードルがとても高いということ。
というのも、従来のサービスの多くは、「いいね」をしあって、100人中数人とマッチング、そしてメッセージを送って、実際に出会うという流れなんですね。中には、10回以上メッセージのやり取りをしないと出会いたくないという人もいる。
また、プロフィール写真と実物が違うなどの問題があることもわかりました。
――様々な問題がありますね…。
さらに近くの同志社大学に行ってマッチングアプリに関する調査もしました。
そこで多かった意見は、「初対面の男の人が怖い」ということ。
私たちは男性には「出会い」というメリットを提供しつつ、制約をいくつか設けて女性にも使いやすいサービスを開発することで、これらの問題の解決を目指しています。
男性だけでなく、女性の視点を取り入れたサービスになっているんです。
――今後Rose Meはどんな進化をしていきますか?
Rose Meを開発する中で、男女2人が会った時、どんな会話をするのか研究しました。
その結果を活かして、今後サービス上で「会話の提供」をしていきたいです。
具体的には、「ミッション形式」でデートを進めてもらおうと思っています。デートを始めた時に「相手の呼び方を決めてください」というような話の内容を決めてあげることなどを考えていますね。
会話の提供する機能を追加することで、より良いマッチングを実現できるようにしていきます。
――他に進化していくことはありますか?
世界観のアップデートもしていこうと思っています。
今後さらに女性メンバーの意見を取り入れ、ロマンチックな世界観の演出をしていきたいです。
また、現在女性にとって、募集のハードルが高いという課題があります。その課題を解決するために、アプリを開いたときに募集が開始されるような改良を加えていきたい。
女性は都合がよければバラを受け取ればいいし、都合が悪かった場合には受け取らなければいいわけです。このような取り組みを通して、女性の方が使用するまでのハードルを下げていこうと思っています。
――株式会社BuzzTechの目指している世界を教えてください。
私たちは、テクノロジーで何かを変えることを目標にしています。そこで人の温かみに注目しました。人の温かさを伝えられるようなテクノロジーを作りたいと思っています。
例えば、マッチングアプリでも、出会うまではオンライン上ですよね。でもオフラインで実際に会ったときに、オンラインの時と印象が違ったということがよくあります。
オンラインでもオフラインでも、行き着く先は「人」なのに、差が生まれているんです。
この差をなくしていきたいと思っています。
――「人の温かさ」を感じたきっかけは何だったんですか?
この間フェスに行ったんですよ。周りの人は知らない人ばかり。そんな中でアーティストさんが「隣の人とハイタッチして」とおっしゃったんです。最初は戸惑いもありましたが、実際にハイタッチしてみると、人とのつながり・温かみを感じて。
結局人ってやらされないと動かないんですよね。やれば「やって良かった」と思うわけです。つまり、動くための「言い訳」が大事。
私たちは人とつながるための「言い訳」をテクノロジーで作っていこうと思っています。
そして、オンラインとオフラインの壁を壊していきたい。会社もそのために進んでいこうと思います。
オンラインとオフラインの壁を壊し、人とつながる「言い訳」を作る。そのために、株式会社BuzzTechのプロダクトは発展を続ける。
取材担当橋本
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