現代社会は非常に生きづらい。生きづらさはさまざまな形になって現れる。その一つに「メンヘラ」がある。
そんなメンヘラの人に相談相手と安心感を提供しているのが、株式会社メンヘラテクノロジーだ。メンヘラに寄り添ったサービス「メンヘラせんぱい」を開発し、幸せに病める社会の実現を目指しているという。
詳しく見ていこう。
高桑 蘭佳(株式会社メンヘラテクノロジー 代表取締役)
東京工業大学修士課程在学中。 2018年8月に株式会社メンヘラテクノロジーを設立。 代表取締役に就任。 起業の動機は、 事業を成功させて実績を作り、 彼氏の会社の社外取締役に就任したいから。
――メンヘラテクノロジーが提供しているサービス「メンヘラせんぱい」について教えてください。
メンヘラせんぱいは、メンヘラが病んだ時、すぐに相談できる相手と安心感を提供するサービスです。
チャットアプリで、今はライン@で使えるサービスです。ラインでさまざまな内容の相談ができるようになっています。
――相談内容はどんなものですか?
8割ぐらいの相談が恋愛に関するものです。キャリアや仕事に関する相談も多いですが、基本的に恋愛が関係する内容になっていますね。
恋愛系の相談の中でも、特に恋人に対する愚痴やのろけが多くなっています。カウンセラーや友人になかなか言えない話でも、メンヘラせんぱいなら相談しやすくなっているんです。
――ユーザーについて教えてください。
10代後半から50代までのメンヘラの女性を対象にしています。特に20代が多くなっていますね。現在は300名の方にご利用いただいています。
――競合について教えてください。
cotreeやココナラなどのカウンセリングサービスや愛カツの電話相談などが競合ですね。
またターゲットは違いますが、感情を記録してAIロボと会話するアプリ「Emol」も近いサービスではあります。
――「メンヘラせんぱい」の強みはなんですか?
競合のサービスを使って相談するためには、安くて1時間当たり3000円ほどが必要になります。
しかし、月に1回相談するだけでは、気持ちは楽にならないことも多いですよね。そのため、値段設定を低めにしてたくさん使えることを強みにしています。
現在は、初回の相談は無料。次いつできるのかという問い合わせもいただいています。サービスを本格的に始めれば、リピート率の高いサービスになると思いますね。
――リーズナブルな価格設定が強みなんですね!
他にも、メンヘラせんぱいは人が対応していることも強みになっています。
人に話したくない思いがある人は、人工知能系のカウンセリングサービスを利用している傾向があります。一方、メンヘラは人に意識を向けてもらっていることが大切です。そのため、人に相談できることも強みになっていますね。
――サービスを開発した背景について教えてください。
現在のカウンセリングサービスは高額で、使えない人が多くなっています。
NPOが運営している無料の相談窓口などもありますが、なかなか対応してもらえない現状です。医療機関でのカウンセリングですら2週間以上待つことが多い。
そのため、これらの課題に焦点を当てたサービスを開発しようと思いました。
――開発した経緯について教えてください。
メンヘラせんぱいは、純粋に自分が欲しいものを開発した、という感じです。
自分自身の経験として、彼氏がいない時に愚痴や悪口、帰ってこないさみしさを強く感じることがあります。そんな時に、彼氏にラインで「帰ってこい」などと送ってしまうんです。調子が悪いと爆発して、彼氏の職場に突撃してしまったり、自傷行為をしてしまうこともありました。
そんなときに話を聞いてくれる人が欲しいと思ったんです。自分でも週に2~3回はメンヘラせんぱいのサービスを使いたいと思いますね。
――今後のプロダクトの展望について教えてください。
今後のプロダクトの進化や方針は非公開です。これからもメンヘラに寄り添うサービスを作っていこうと思います。
――ミッションについて教えてください。
メンヘラの方の症状が悪化しないようにしていきたいです。メンヘラが幸せに病める社会を作ることを目指していきます。
株式会社メンヘラテクノロジーのこれからに期待だ。今後の進展に目が離せない。
取材担当橋本
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