情報があふれている現代では、ユーザーの発信力は大きくなり始めている。
ユーザーひとり一人が紹介者、発信者になる可能性があるのだ。このような現状において、ユーザーの顧客満足度を上げる重要性が上がってきている。
ユーザーの顧客満足度を上げるために、最強の武器となるのが「ユーザーコミュニティ」である。
ユーザーコミュニティを運営すれば、ユーザーひとり一人を理解でき、顧客満足度の向上施策を実施できる。ユーザー同士が助け合うような環境づくりの構築も可能だ。
しかし、従来のサービスでは、ユーザーコミュニティを運営するのは非常に難しかった。コアなユーザーではない、ライトユーザーを活性化する仕組みがなかったからである。
そのような課題を解決し、コミュニティ運営を効果的にするサービスがある。コミューン株式会社のcommmune(コミューン)だ。
どんなサービスなのか。詳しくみていこう。
高田優哉
パリ農工大学留学を経て東京大学農学部卒業。卒業後ボストンコンサルティンググループに入社し、東京、ロサンゼルス、上海オフィスで戦略コンサルティング業務に従事。リードコンサルタントとして活躍後退職し、コミューン株式会社を共同創業
https://youtu.be/4BPyPOFPLV8
――commmuneについて教えてください。
commmuneは、コミュニティタッチを通じて、ユーザーエンゲージメントを効果的に向上させるツールです。
一人ひとりがメディアパワーをもち、情報過多な現代社会では、ユーザーの発信やユーザー同士の紹介が一層重要になってきます。
また、サブスク型ビジネスの普及により、企業にとってはユーザーのLTV(生涯顧客価値)が最重要指標となっています。
コミュニティタッチは、企業とユーザー、あるいはユーザー同士のつながりを生むことでユーザーの顧客満足度を向上し、LTVの最大化とユーザーの発信を促進するマーケティング施策です。
commmuneではウェブ上でコミュニティのデザインや機能をプログラミングなしに簡単に編集できます。
また、企業のユーザーコミュニティ施策に特化した機能や分析ダッシュボードを備えており、コミュニティタッチを簡単に、かつ効果的に行うことを可能としています。
――企業がcommmuneを使う目的について教えてください。
commmuneは3つ目的で使われています。1つ目は、製品開発です。commmuneを使えば、ユーザー様の声やフィードバックを集めることができます。それらを利用して、より良いサービスの開発に活用できるんです。
2つ目は、コミュニティにユーザーの声を蓄積し、価値のあるメディアを構築できることです。commmuneを使えば、UGCだけのオウンドメディアを簡単に構築できます。このメディアはマーケティングに活用できるんです。
3つ目は、ユーザーさん同士でプロダクトの説明をしあえるプラットフォームになることです。ユーザー目線でわからない点を解決できるのは、ロイヤルユーザーさんであることが多くあります。そのため、ユーザー同士がわからない点を質問し合うことで、ユーザー同士でサポートし合う仕組みづくりができるんです。これはカスタマーサクセスにつながっています。
――ユーザーの企業について、具体的に教えて下さい。
ご利用いただいている企業様は、カスタマーマーケティングを目的とする企業様が多くなっていますね。具体的には、東京ガス株式会社さんやベースフード株式会社さん、株式会社 LITALICOさんにご利用いただいています。コミュニティの声を集めて、価値あるコンテンツを提供する使い方をされています。
ユーザーさん同士でプロダクトの説明をしあえるプラットフォームとしてcommmuneを活用していただいているのは、株式会社ユーザベースさんの「SPEEDA」や株式会社プレイドさんの「KARTE」などですね。BtoBの企業様が多くなっています。
――ユーザー企業に特徴はありますか?
BtoCの企業様の共通項は、お客様の話すことがあるかどうかという点です。大きく分けると2種類の企業様がいらっしゃいます。
まず、すごく熱量が高い方や愛好者さんがいるコミュニティを持っている企業様です。ファンコミュニティの運営・管理をcommmuneで行っていらっしゃいます。
また、カスタマイズ性に富んでいるようなサービスをお持ちの企業様にもご利用いただいています。代表例としては料理です。料理には無限のカスタマイズ性があって、人によって全く同じものは作れません。
このようにコンテンツ量が無限にありうるサービス・プロダクトを扱っている企業様は活用していただけるようになっています。
――commmuneを使う個人ユーザーはどんな人ですか?
commmuneをご利用いただいている個人ユーザーの方は、コアユーザーの方はもちろん、ライトユーザーの方もメインターゲットになっています。
コアユーザーはコミュニティがあれば、メリットが無くても入っていただけます。ただし、コアなユーザーは一握りしかいません。
これまでのコミュニティツールでは、コアユーザー以外の方にメリットを感じていただくのが難しい課題がありました。
commmuneでは、企業様が持っているデータベースやツールとAPI連携をしているので、ユーザーごとにコンテンツをパーソナライズできます。その個人に適したコンテンツを提供することができるんです。
また、ポイントやバッジのインセンティブを企業によってカスタマイズすることもできます。このインセンティブを使うことで、ユーザーの方にはアクションをする理由付けができます。モチベーションのアップにつながるんです。
これらの取り組み通して、ライトユーザーの方にも使ってもらいやすくしています。
――競合について教えてください。
BtoCサービスではFacebook、BtoBサービスではSlackが競合ですね。
――commmuneの強みについて教えてください。
commmuneの強みは、徹底的にコミュニティを科学していることにより、高いユーザーのアクティブ率、アクション率が実現できることです。
ある企業は、commmuneを入れるまで、コミュニティのアクティブ率が全体の約5%でした。
しかし、commmuneに移行して数カ月後、アクティブ率は約20%に向上したんです。内部で運営している人は変わっていません。サービスを変えただけで、ユーザーのアクティブ率があがったんです。
――5%から20%のアクティブ率の向上は驚異的ですね!
コミュニティの価値は、ユーザーがどれだけ来てくれて、アクションしてくれるかに尽きます。
アクティブ率 / アクション率の高いコミュニティを作ることができれば、ユーザーのフィードバックを簡単にもらうことができ、発信も促進でき、企業にとって最強の武器になるからです。
commmuneでは、コミュニティを科学しているからこそ、ライトユーザーにリーチでき、アクティブ率の高いコミュニティを作れることに最大の強みがあると考えています。
――commmune開発の経緯について教えてください。
commmuneは実は2つ目のプロダクトなんです。
以前は、サプリメントのDtoCサービスを提供していました。しかし、市場性の問題で停止。
このサービスを提供していて、ユーザーと企業の距離が遠いと思ったんです。ベータ版の段階で、プロダクトに関するフィードバックを効率的に集められなかった。フィードバックをもらったとしても、フィードバックをくれた人にリターンを返すこともできませんでした。
また、サービスの拡散の方法も、クチコミに頼るしかありませんでした。にもかかわらず、クチコミを積極的に後押しできる仕組みもない。友達同士で勧めてくれる人もいますが、対価を払えませんでした。
――以前のサービスの苦労がcommmuneの背景にあるのですね。
今後の時代としても、サービスはサブスクリプション方式が主流になると予想されています。5Gの導入で、情報とモノの流通がさらに滑らかになっていくでしょう。
そうすると、個人の持つメディアパワーもさらに強くなっていくのではないでしょうか。
このような時代において、ユーザーが満足できる仕組みを作れた企業とそうでない企業で大きな差が生まれてきます。以前のサービスでは、この仕組みづくりがうまくいかなかった。
だからこそ、ユーザーが満足できる仕組みづくりが大事になると思ったんです。
他社の方に調査をしても、やはりユーザーと企業を繋げるニーズはありました。そこで、開発を始めたのがcommmuneです。
――プロダクトの展望について教えてください。
これまでは、コミュニティを簡単に作って運営できることが価値でした。しかし、今後は「簡単さ」の価値は薄れていくように思います。
だからこそ、コミュニティ運営を効果的にできる、という付加価値を高めていきたい。commmuneを使うことで、コミュニティが活性化する仕組みづくりを通じ、価値を増幅させていこうと思っています。
――具体的にはどんな進化を考えていますか?
コミュニティデータを徹底的に科学することで、よりよいユーザー体験を提供していきたいと思っています。
例えば、コミュニティへの登録から3か月後のユーザーのアクティブ率は、コミュニティ参加直後の「あるアクション」の有無の影響が大きいことがわかっています。
これを踏まえると、登録直後のユーザーにだけアクションを後押しする施策を行うことで、効果的に中期的なアクティブユーザー数を増やすことができます。
このように、いままで蓄積してきたコミュニティデータを分析・活用して、プロダクトをより良くする改善を加速していきたいと思っています。
――ミッションについて教えてください。
ミッションは「企業とユーザーの間の垣根や断絶を解消して、融け合う社会を作る」です。
現在、ユーザーの定義があいまいになってきています。企業のプロモーションをしているのは企業のPR部門ではなく、顧客の発信だったりする。
だからこそ、企業とユーザーは同じ方向を向いて、より良いものを作るために協力し合えるような関係性が大事だと思うんです。
企業と個人が利益を享受できるような社会を実現したいと思っています。
企業とユーザーの間の垣根や断絶を解して、融け合う社会の実現へ。コミューン株式会社は発展し続ける。
取材担当橋本
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