現代、コンテンツがどんどん増えてきている。ブロガーやユーチューバーなど、個人での発信力が大きくなり始めている。
多くの人が動画を作ることはできるが、自分だけで音楽を作れる人は少なくなっている。
そこで、誰でも作曲ができるツール「ecrett music」を開発している企業がある。Dmet Products株式会社だ。
どんなサービス・企業なのだろうか?詳しく見ていこう。
楠太吾
立命館大学理工学研究科卒業。学生時代はダンスグループを組み、ダンスコンテスト「BIG BANG大阪」などで優勝。大手メーカーから転職し、Dmet Holdings株式会社(株式会社阪神メタリックス)に入社。同社内にてIoT系スタートアップ部門を立ち上げ、Dmet Products株式会社として分社化。ウェアラブル楽器ガジェットSoundMoovzを開発し、世界17カ国でローンチ。
そのAI作曲ソフトecrett musicを開発してリリース。現在はその普及に専念する。
――ecrett musicについて教えてください。
ecrett musicを一言でいうと「誰でも作曲ができるツール」です。
法人・個人問わず利用できるサービスになっています。
――具体的にはどんなサービスですか?
シーンやムード、ジャンル、曲の長さを選択するだけで、AIによって数秒で楽曲が自動生成されます。現在では、5000万通り以上の作曲が可能です。
――機能が充実していますね!やっぱり利用料は高いのでしょうか?
月額8ドルで利用できます。とてもリーズナブルな価格設定です。
――ユーザーについて教えてください。
個人でのご利用の場合、ユーチューバーやインディーズゲームのディベロッパーがターゲットになっていますね。
――競合について教えてください。
ストック素材のサービスは競合になっていますね。AI技術で作曲するサービスという観点では、Amadeus Code(アマデウスコード)さんも競合になっています。
AI作曲技術を開発するためには、エンジニアスキルだけでなく、音楽スキルを兼ね備えたチームが必要でした。
そのため、非常に開発のハードルが高く、海外でも競合サービスは少なくなっています。
――強みについて教えてください。
ecrett musicの強みは、自分の好みでさまざまなカスタマイズができることです。
例えば、動画の秒数に合わせて、楽器を抜き差しするなどのカスタムが可能です。
――ecrett musicを開発していた経緯について教えてください。
新卒から3年間は比較的大きな上場企業で技術職として勤めていました。それからDmet Holdings 株式会社の転職。
そこでは、SoundMoovzの開発をしました。SoundMoovzはウェアラブル楽器ガジェットで、アプリをダウンロードし、Bluetoothでスマートフォン・タブレットを接続すると、人の動きで音を奏でられるサービスでした。
この事業の成功をきっかけにAmper Music(アンパーミュージック)と出会いました。Amper Musicは人工知能作曲によるシステムしている企業です。
その時に彼らと話をして、AI作曲の分野に非常に興味を持ち、動画は誰でも作れる時代になったが、作曲はまだまだ専門スキルが必要なので、そこのハードルを少しでも下げれれば、コンテンツクリエイターはより自由に良い作品を生むことができるようになるのではと思い、今のecrett musicを開発しました。
――プロダクトの展望について教えてください。
現在はecrett musicの音色の種類は限られています。
これをほぼ無限にまで増やしていき、よりプロクリエイターの方でも満足いただけるクオリティーに仕上げていきたいと考えています。
――無限に増やせるってすごいですね…!
これらの取り組みを通してecrett musicは、音楽業界におけるAdobeのポジションを獲りに行きたい。
ecrett musicを使えば、音楽を作るために、鍵盤を弾く必要はありません。多くの映像制作者が使えるツールにしていきたいですね。
――Dmet Products株式会社の展望について教えてください。
現在はAIを使った作曲サービスの開発に取り組んでいますが、固執するつもりはありません。
より良い世界を実現するために、幅広い事業に取り組んでいこうと思っています。
無限の音楽を奏でられるサービスを実現し、音楽を誰でも作れる世界へ。Dmet Products株式会社の進化は続く。
取材担当橋本
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