日本の深刻な社会課題として「労働力不足」が挙げられる。この課題解決のために「外国人人材」の雇用が促進されはじめた。実際に、2030年には在日外国人労働者が200万人に上ると推定されている。
しかし、外国人人材と日本企業とのマッチングはうまく行っているとはいいがたい状況だ。
なぜなら人手不足に悩んでいるのは、地方企業や中小企業だからだ。地方企業や中小企業は高額な利用料が必要となるエージェントや採用媒体を活用できない。そのため、本当に人材不足で苦しんでいる企業の効率的な外国人人材の採用は難しい現状にあるのだ。これでは、日本の労働力不足の課題解決にはならない。
このような課題の解決を進める企業がある。
jobchain株式会社だ。外国人材と日本企業をつながるチャットアプリ「jobchain」を提供している。
jobchainは採用に関する情報公開を進め、外国人人材には職業選択の自由を確保。企業側にも安くサービスを提供している。
いったいどんなサービスなのだろうか。代表取締役CEO 馬 玉峰氏に話を聞いた。
代表取締役CEO
馬 玉峰
――jobchainについて教えてください。
jobchainは外国人材と日本企業をつながるチャットアプリです。
企業と外国人人材のデータをマッチングしています。
目指しているのは、人のつながりに特化したC2Cプラットフォームです。
――具体的な特徴について教えてください。
まずチャットボット機能が特徴です。日本企業の採用担当者は直接外国人人材とリアルタイムでコミュニケーションをとることができます。
2点目の特徴として、インフルエンサーの拡散機能が挙げられます。企業は求人情報に、成果報酬型の広告費を自由に設定できるんです。そのため、マス広告によって不特定多数に情報をばらまくのではなく、在日・海外在住の外国人の仲間同士のネットワーク内での効率よく拡散できるようになっています。
ほかにも、だれでもかんたんに求人を出せることが特徴です。企業だけでなく、仲介業者にあたる人材紹介企業や、魏の実習生の管理組合、特定技能1の登録支援機関なども追加料金なしで、自由に求人情報を掲載できます。
これらの機能を安い手数料で提供しているのは、最大の強みになっていますね。
――ターゲットの企業について教えてください。
人手不足に苦しんでいるのは、中小企業や地方企業です。ほかにも、ロングテール人材の不足に悩む企業も多い。
この分野を私たちはサポートしていきたいと考えています。
――起業するまでの経緯について教えてください。
私の生まれは中国で、高校生の時に日本に来ました。
アルバイトや就職、転職を日本で経験。日本の商社には3年ほど勤めていました。
今ではロードバイクで日本一周をするほど、日本が大好き。留学生にも同じ気持ちを持ってもらいたいと思っています。
留学生が日本を好きになってもらうためには、日本のサービスが必要です。しかし、日本はまだまだそのサービスが少ない現状。
日本は「おもてなし」を国策としているのであれば、インバウンドのおもてなし以外にも、住んでいる外国人のおもてなしもしてほしいと思っていました。
そこで、私たちが在日の外国人の就職や転職、会社設立のサポートをしていきたいと思い、起業しました。
――人材業界のビジネスをはじめるきっかけはなんだったのですか?
人材のデータベースと企業のデータベースがマッチしていないと感じたことがきっかけです。
実は、早稲田大学の留学生の日本企業への就職率は36%しかないんです。これは、中国人留学生が日本の企業を知らず、大手企業ばかり狙うからなんですね。
このミスマッチをなくし、日本の労働力不足を解決したい。そこで、人材領域の事業に目をつけました。
――今後のプロダクトの展望について教えてください。
今後は、「海外人材が日本で仕事を探したいならjobchain」というポジションを確立していきたいと思っています。
ほかにも電子決済サービスにも展開していきたい。
というのも、外国人人材には、海外送金がめんどくさいことや外国人が日本で銀行口座を作るのが難しい課題があるからなんです。
将来的には、金融の仕組みも導入していきたいですね。
jobchainのサービスについて、さらに詳しく知りたい方はサイトもチェックしてみてほしい。
取材担当橋本
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