アパレル業界は深刻な人手不足に悩まされている。人手不足が原因で、オペレーションが回らない店舗も多い。
また、アパレルの販売員は長時間労働で、立ち仕事が多く、給料が少ないという印象がある。そのため、人手不足に拍車がかかってしまっているのだ。
この現状の解決に挑戦しているスタートアップがある。株式会社メッシュウェルだ。フリーランス販売員とアパレル企業をマッチングするサービス「MESHWell」を提供している。
どんな企業なのだろうか。CPO・CTOの森氏に話を聞いた。
CPO・CTO
森 陽
――MESHWellについて教えてください。
MESHWellは、「フリーランスの販売員とアパレル企業をマッチングするサービス」です。
特徴は、個人ユーザーが条件を提示し、企業はその条件にオファーを送り、個人ユーザーが承諾することですぐにマッチングが成立すること。業務に入るまでに事前の面接も一切ありませんし、マッチングを重ねながら業務にアジャストしていくことができます。
また、個人ユーザーが、働く場所・時間、報酬まで条件を決められることも特徴です。この特徴により、子育て世代のママのような、既存の雇用モデルでは働くことのできなかった人達が、短時間でも働く機会が得られます。
働き手に寄り添ったサービスになっていますね。
――個人ユーザーのMESHWellの使い方を教えてください。
個人ユーザーの方のMESHWellの使い方はシンプルです。
会員登録をしていただいて、プロフィールを入力していただきます。
そして、自分の働ける日時に働きたい条件を登録してもらえば、店舗に知らせることができます。店舗とマッチングが成立すれば働けるようになります。
――個人ユーザーはアパレル業界の経験者でなければいけないのでしょうか?
いえ、そんなことはありません。未経験の方もたくさんいらっしゃいます。
男女比でいうと、女性の方が多くいらっしゃいますね。
――店舗側のMESHWellの使い方を教えてください。
店舗側は、正社員や既存のアルバイトがシフトを埋められない時間をピックアップします。
そして、隙間時間や条件が合致する個人ユーザーの方にオファーを出せばマッチングできるようになるんです。
――店舗側が受けられるメリットについて教えてください。
はい。まず、店舗ごとに1アカウントを作成できる点です。
それぞれの店舗で人の足りない時間や人手が欲しい時間は違いますよね。にもかかわらず、企業の人事部が全体を総括して採用を行うことが一般的です。これでは、店舗ごとの採用ニーズを満たすことができません。
そこでMESHWellでは、現場の判断で手軽にマッチングすることができるようになっています。
――現場のニーズを満たしているサービスなのですね!
ほかにも、面接だけではその人の人柄や能力はわかりません。実際に働いてみて初めて、その人のことがわかります。
MESHWellは1時間から働き手をマッチングできるサービスなので、まずマッチングしてみてその人の評価を出すことができます。その方が、店舗としても助かると思うんです。
このように、自分の店舗に合ったニーズを満たすことができます。
――強みについて教えてください。
まず、アパレル業界に特化している点は大きな強みになっています。
他にも、店舗側が人を選べるのも強みです。
基本的には、店舗と人が相互にマッチングできます。そのため、どんな人が来るのかがわかった状態で、マッチングできるようになっているんです。
――株式会社メッシュウェルを創業した経緯について教えてください。
創業したのは、CEOの窪田なのですが、彼は学生時代から、アパレルの小売店で店頭販売や仕入れ業務に従事していました。
その経験を通して、アパレル業界の課題である「人手不足」を痛感したそうです。
しかし、一企業で解決するのは難しい。どう解決すればいいか、模索していました。
――それから、MESHWell立ち上げまでの経緯について教えてください。
その後、窪田はアメリカに留学。そこで、アパレル店舗でフリーランスの働き方をしていた人を目の当たりにしました。
この経験をきっかけに、フリーランスの販売員の働き方を日本でもできないかと考えたそうです。フリーランスの働き方ができれば、日本の人手不足は解決できるでしょう。
それから帰国して、MESHWellを立ち上げました。アパレルでのフリーランスの働き方が日本の文化になじむような展開をしています。
――森さんが株式会社メッシュウェルにジョインするまでの経緯について教えてください。
もともと私自身がフリーランスという立場で、エンジニアとしてアパレル業界に10年近く関わってきました。大手アパレルEC事業のシステム開発・事業拡大に従事したこともあります。アパレル業界が好きだったんですよね。
アパレル業界を好きになったきっかけは、店頭で接客を受けてきた経験でした。そこで、アパレルは感性が違う中で多様性を持てることが素晴らしいと思ったんです。それからアパレル業界でEC事業を中心に関わっていく中で、店舗のように多様性やひとりひとりの個性に合った買い方を実現するのって実は難しいなと感じていました。
そんな中で窪田のアイデアを聞いたんです。この考えならば、自分の理想を達成できる。そう思ってジョインしました。
――MESHWellの社名の由来について教えてください。
MESHには「交わる・編み込み」という意味があります。
私たちは、店舗と個人の編み込みをよりよくしていきたい。そんな想いが社名に込められています。
――MESHWellの今後の展望について教えてください。
現在、関東・関西など限られたエリアのみでの展開を行っています。
今後は、日本全国に拡大をしていきたいと考えています。
――他に展望として考えていることはありますか?
他にもカバーできる業務の幅を増やしていこうと思っています。
現在、働き手は業務委託契約をしているため、接客と陳列整理(たたみ等)の業務のみ担当できます。
そこで今後は、レジ打ちやバックヤードでのストック整理など幅広く対応できるようにしていきます。
――さまざまな活躍ができるようになりますね!
ホスピタリティ向けのサービスにも展開していきたいですね。
具体的にはエステや美容室などでの展開を考えています。資格が必要なのに働きたくても働けない人がたくさんいる業種もまだまだたくさんありますからね。
アパレル業界での知見をいかして、フリーランスという働き方が確立していない業種に幅広く展開していきたいですね。
――ミッションについて教えてください。
今後は、ファッション販売員のコミュニティを作っていきたいと思っています。
フリーランスは孤独になりがちですからね。マッチングだけでなく、さまざまなコミュニケーションができるプラットフォームを創っていきたい。
最終的には、ファッション販売員の人事部を目指しています。「MESHWellに登録すれば、働く場所を得られる」というポジションを確立したい。フリーだけでなく、正社員や派遣など働き方が変わっても使い続けていただけるよう拡大していきたいと考えています。
MESHWellのサービスが気になった方は、ぜひサイトもチェックしてみてほしい。
取材担当橋本
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