今日の日本では、シャンプーなどの消費財や化粧品、食品に至るまで、定期購入で商品をリピート購入する仕組みが多様になっている。
ところが、定期購入という概念がない国も存在する。
定期購入がない国では、企業はどのように消費者のリピート購入を促せばいいのか?
チャットSNSを通じた消費者との対話で、この課題を解決に導こうとする企業がある。
株式会社人々だ。
株式会社人々は定期購入がない国、中国でのリピート通販のモデルケースをつくろうとしている。
どのような企業なのか。代表取締役の石川真也さんに話を聞いた。
株式会社人々 代表取締役
石川真也
――サービスについて教えてください
企業のチャットコマース(予約・購入から決済までの全てをチャットSNS上のトーク画面で完結するアジアのビジネスモデル)をAIで代行します。購入・行動履歴をAIが分析し、適切なタイミングで消費者に情報提供するので、チャット内で疑似的な定期購入を促すことが可能です。
――どんな企業が顧客となるのですか?メリットは?
日系のDtoC事業を行う企業様が主なユーザーで、海外のお客様への広告効果や、リピート購入を増やすことができるメリットがあります。企業様のチャットSNSのアカウントを弊社がAIを用いて動かし、購入までの流れを完結させるサービスなので、企業様の負担が少ないことが特徴です。
また、AIは自然言語の解析で効果的な「言い回し」を研究します。クライアントはそのレポートをもとにコピーライティングを改善するなど、販売業務以外のことにも役立てることが可能です。
――競合サービスはありますか?それとの違いは?
チャットコマースを会社の戦略に掲げる競合は日本にも複数社存在しますが、弊社の特徴は狙う市場を中国に設定しているところです。中国はインターネット環境が特殊で、集客方法も日本とは異なるため、それに合わせたサービスとツールが必要になります。
また、Baidu(中国の検索エンジン)が開発した自然言語解析AIをマーケティングに活用していますが、これは日本では私たちが初めてです。
――なぜこのサービスを始めようとしたのですか?
人口が縮小し、市場規模が縮小しつつある日本でのビジネスではなく、外貨を獲得しつつアジアのメンバーに雇用が提供できるビジネスを考えていました。その時に、アジアのECにチャットボットを活用することに着目したのです。
ーーなぜ中国なのですか?
中国に着目したのは、既にEC市場規模は世界No.1である上に、2030年には世界最大の経済大国としてアメリカを追い抜くと予想したからです。実際に、2017年の中国のGDP成長率は6.9%で、アメリカの2.3%を大きく上回ります。
――このサービスの今後は?
今はマンパワーで行っている業務をAIによって段階的に自動化していきます。来年には、AIによるユーザーに消費を促す「言い回し」の個別化を進めていきたいと思います。10万人のユーザーがいれば、ユーザーが好む会話パターンも10万パターン存在するからです。
私たちのサービスが中国のリピート通販のモデルケースとなり、中国にチャットコマースによるリピート販売の形が浸透すればいいですね。
――ビジョンはありますか?
今後さらに広がる中国マーケットで成功して、日本・台湾経済を少しでも豊かにしたいです。また、台湾と力を合わせて日本のAI開発をさらに進めていけるような企業にしたいと考えています。日本・台湾がシリコンバレー・深圳といったAI開発の最先端と並ぶ都市・国として「第3局」と呼ばれるようになればいいですね。
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