「スマホへの依存傾向が強い今の世の中で、音声テクノロジーを使って、もっと目の前の現実世界を楽しむ時間を増やしてほしい」
そんな想いを実現するべく、株式会社VOICE ALEは「ボイス・ファーストな世界」の実現をミッションに掲げ、事業に取り組んでいる。
株式会社VOICE ALEとはどんな企業なのだろうか。詳しく見ていこう。
代表取締役 中嶋 あいみ
ーサービスについて教えてください
株式会社VOICE ALEでは、音声テクノロジーを軸としたサービスデザイン支援をおこなっています。今はAmazon Alexa、Google アシスタントやLINE Clovaといったスマートスピーカーや音声アシスタントの「スキル」のデザインが中心です。
「スキル」とは、スマートスピーカーに組み込まれている音声アシスタントを使った音声アプリのこと。実は、「スキル」はサードパーティが独自に開発できるようになっています。VOICE ALEはそのスキルの企画やデザイン・開発に取り組んでいる企業です。
デザインといっても一般的なビジュアルを作成するようなデザインではありません。人間とシステムがどう気持ちよく会話をして、機能を実現できるかを設計しています。
その他にもサービスデザインの視点から、プロトタイプ制作やユーザーテストを行うVUIデザインスプリントワークショップも提供しております。
ーVUIとはなんでしょう?
VUIとはVoice User Interfaceの略で、音声で入出力をするインターフェースのことを指します。スマートスピーカーが代表例ですね。最近では家電などにAlexaやGoogle アシスタントが搭載されることも増えてきました。VUIで操作できる照明やTVなども登場しましたね。
ーそうなんですね。VUIデザインスプリントについて詳しく教えてください。
デザインスプリントとは、アメリカ西海外のスタートアップ発祥の、サービスをデザインする上でのフレームワークの一つです。Slackなどのアプリ開発に使われたことでも知られていて、3日間や5日間などの短い時間(スプリント)で課題発見・アイデア出し・デザイン・プロトタイプ制作・ユーザーテストを経て仮説検証を行います。
もともとアプリやWebサービスのPMをやっていたこともあり、馴染みのあったデザインスプリントをVUIスキル開発に応用しました。
メリットとしては、新しい企画を出すうえで、限られた時間の中でアウトプットが出せること。具体的にいうと、1DAYワークショップの場合だと、朝に企画ゼロの状態からスタートして、夕方にはスマートスピーカー実機で動くプロトタイプ(試作品)が出来てしまいます。その後ユーザーテストを行い、スキルのコンセプトへの共感や、プロトタイプを使ってみた感想など多くのフィードバックを得て、本開発への材料とします。
疑似体験を作って検証ができるので、企画を机上で練っていきなり開発をするよりも効率的にプロジェクトを進めることができます。開発をご相談いただく段階ではあまり内容を詰めることや他者からのフィードバックを受けていないケースがほとんどなので、まずワークショップ形式でVUIデザインスプリントから始めることをお勧めしています。
このような一連のプロセスを提供しているんです。
ーその他やっていることはありますか?
ボイスマーケティングの事業にも取り組んでいます。これはコンサルティングに近いものですね。自社ブランドにボイステクノロジーを取り入れるための戦略の立案や、マーケティング、競合調査、海外の事例調査を行なっております。
ーターゲットとしている企業は?
どのような業種にも当てはまりますね。BtoBでもBtoCでも音声が入り込める可能性がある企業がほとんどで、ターゲットになり得ます。今はまだ日本の音声テクノロジー業界は黎明期なので、まずはBtoCでの活用が広がり、一般に浸透させることがビジネス活用を広げるために必要な段階なのではと考えています。
ーもともとは何をされていたんですか?
会社員時代、アメリカに2ヶ月ほど長期の出張に行ったことがありました。その時に初めて、Amazon Echoというスマートスピーカーを購入し、感銘を受けたんです。
それから帰国した後、以前の会社の中でVoice UI/UXの新規事業に取り組み始めました。その時も誰かにアサインされた訳ではなく、個人的な思いを持ってリーダーとなり新規事業として立ち上げたんです。利益に貢献しながら主体的に新しいチャレンジを始めるというのを応援してくれる会社だったので、新規事業から最終的には利益貢献するプロジェクト化まで育てることができました。
所属していた会社自体は自社・受託どちらもWebサービスを運営していましたが、自分の注力したいことと、会社の全体への貢献という方向性が必ずしも一致しないということと、新卒から14年一度も転職せず一途にやってきたので、働き方やキャリアの発展を考えて独立を決意しました。
ースマートスピーカーとの出会いがVUIの道に進むきっかけだったんですね
はい。独立する前までもアプリ開発のPMやWebマーケティングを担当していたので、VUIの開発との関連性がなかった訳ではありませんでした。
しかし、個人的にスマートスピーカーが好きという想いは事業を動かす原動力になってますね。
ー今後のサービスの展開について教えてください
すでにニーズのあるスキル開発を軸に、ご説明したVUIデザインスプリントやボイスマーケティングのような上流工程を強くしていくことがまずあります。事業の展開はもちろん海外進出も考えています。
最近では、外国の企業で日本にローカライズしたいというような、海外との取引とも芽が見え始めたところですね。
ー最終的なビジョンを教えてください
世の中のスマホ依存を徹底的に無くしたいです。現代では、電車の中や歩きながら、誰かと食事していてもスマホのスクリーンに囚われている人が多いですよね。このような状況は異常だと思っています。
体の不自由な人、発展途上国の人などのアクセシビリティ向上、社会貢献という意味合いでもVUIの可能性を大いに感じています。
音声アシスタントが普及すれば、画面を見なくても話しかけるだけで操作できるようになります。この体験をもっと当たり前にしたい。年齢や環境に関わらず人々がVUIを使いこなせるようにして、斜め下ではなく前を向いて過ごすことができる時代にしたいですね。そのような光景が当たり前になった時に、VOICE ALEがVUIで世界を明るくするリードカンパニーであることを目指しています。
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取材担当阿部
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