動画配信プラットフォームの広がりと5Gの実用化。今後も個人の動画クリエイターは増えていくだろう。
動画編集において最も重要な作業の一つが、BGMの選定だ。しかし、コンテンツの展開に合った楽曲をストックBGMから探し出したり、作曲家に制作を依頼するのは時間や費用がかかる。
SOUNDRAW株式会社は、AI作曲クラウドサービス「SOUNDRAW」で、誰でもイメージ通りの楽曲を作れる場を提供する。
代表取締役社長の楠太吾さんは、どのコンテンツでも重要な要素となる楽曲制作の「民主化」を実現することで、誰もが自由に創作活動ができる世界を目指す。
どんな企業なのか。詳しく見ていこう。
SOUNDRAW株式会社 代表取締役社長
楠 太吾
ーーSOUNDRAWとはどんなサービスですか?
誰でも簡単に楽曲が作れるAI作曲クラウドサービスです。フリーランスの動画クリエイターをメインのターゲットにしています。
クリエイターにとって重要な要素である音楽コンテンツは、これまでは作曲を第三者に頼むか、ストックBGMから探すしか手に入れる方法がありませんでした。SOUNDRAWを使えば、イメージ通りの音楽を、作曲の専門知識が無くても作ることができます。
ーー曲の作り方を教えてください。
テーマ・ムード・ジャンルを選択して”CREATE MUSIC”をクリックすると、約15曲をAIが自動生成します。ベースにしたい曲を決めたら、楽曲の尺や構成、テンポなどを直観的にカスタマイズしてください。画面右下には動画のプレビューを表示できるので、コンテンツに合わせた楽曲編集を1画面で行うことができます。
また、シェアのために発行されたURLを共有することで、他のクリエイターとの共同編集も可能になります。チーム内で共同編集を行えば、クリエイティブの幅が広がるでしょう。
ーー競合するサービスはありますか?それとの違いを教えてください!
AI作曲サービスは他にもありますが、SOUNDRAWほど「楽曲クオリティの担保」と「カスタムの自由度」を両立しているサービスは、現時点では他に無いです。
また、ストックBGMサービスよりもSOUNDRAWを利用した方が、イメージ通りの楽曲を手に入れるまでのスピードは早いと思います。膨大な数のサンプルの中から、動画コンテンツの雰囲気に合い、かつ尺や転調のタイミングが合致する楽曲を見つけるのには相当な時間がかかるからです。
ーーサービスを立ち上げた経緯を教えてください。
自分が作ったものを世界中に広げ、課題を解決したいと思ったのが起業家になったきっかけです。子どもの頃から何かを作るのが好きだったんです。大学時代にダンスに打ち込んで音楽が好きになったこともあり、音楽に関するプロダクトを作ることにしました。
前の会社で開発したプロダクト「SoundMoovz」は、人の動きを検知してスマートフォンから音楽を出力させるリストバンドです。海外ではかなりの数が売れたのですが、消費寿命が短く、継続利用が難しいことが反省点でした。長い期間使ってもらえるプロダクトでなければ、人の生活を大きく変えることは難しいですよね。
そんな中、趣味の動画編集をしているときに「動画に合う音楽を選ぶのが大変だな」と感じ、これを解決するSOUNDRAWを作りました。このサービスなら、クリエイターの創作活動に長期間定着し、音楽コンテンツの課題を解決できると思っています。
ーーこのサービスの今後は?
ユーザーが作曲する時に選ぶテーマ・ムード・ジャンルの選択肢を増やし、作曲可能な楽曲のバリエーションを増やしていきます。また、動画編集ソフトAdobe Premiere Proへのプラグイン機能の追加など、よりクリエイターが使いやすいサービスにしていくつもりです。現在はベータ版を配信中ですが、10月頃のオフィシャルローンチに向け、開発を続けます。
ーー目指す世界を教えてください。
作るのが大好きなすべての人が、自由に創作できる世界です。どのコンテンツ制作においても、音楽は重要な役割を占めます。誰もが音楽を気軽に作れるこのサービスを通して、楽曲制作の「民主化」を実現できたらいいですね。
SOUNDRAW株式会社が気になった方は、以下のリンクまで。
取材担当佐野
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