保育園・幼稚園では保護者との連絡手段として、紙媒体の連絡帳を使用するのが未だに一般的だ。また、欠席連絡をする場合は保護者が園に電話をかける必要がある。
保育ICT株式会社が提供するWeb版の連絡帳「note」を使えば、オンライン上で保育士と保護者間の連絡が可能になる。つまり、保育士と保護者の負担が大幅に軽減するだけではなく、両者の綿密なコミュニケーションも実現するのだ。
どんなサービスなのか。同社取締役の堀田眞行さんに話を聞いた。
保育ICT株式会社 取締役
堀田 眞行
ーー「note」とはどんなサービスですか?
ICTを活用し、保育園・幼稚園の先生と保護者を繋ぐWeb上の連絡帳サービスです。弊社の保育業務支援システム「Hoisys」と連携し、先生の事務作業の効率化と両者の濃密なコミュニケーションを実現しています。
ーーどのような方が利用していますか?
利用者はサービスの対象者である保育園・幼稚園の先生と、お子様を通わせている保護者の双方です。また、ユーザーの招待機能があるので、祖父母の方々もご利用いただけます。
ーーユーザーの利用方法を教えてください。
現在は主に3つの利用方法があります。
1つ目は、出欠連絡機能です。一般的に、お子様が発熱し保育園を休まなければならなくなったときは、欠席連絡の電話をする必要があります。この作業は保護者にとっても、保育士にとっても手間がかかりますよね。noteを利用いただくと、Web上で出欠連絡が完了するので双方にとって効率的です。
また、保護者側は翌月登園の予定を入れられるようになっています。本来なら保育士がシフトを決定する際、「何歳の子が何人来園するか」を確認した上で保育士の配置を考える必要がありますが、曜日ごとにそれが可視化されるようになるのでシフト調整も簡単になります。
2つ目は、保育士と保護者を繋ぐメッセージ機能です。今までの連絡帳では、保護者は「家庭からの連絡事項」を手書きで記入する必要がありました。noteのメッセージ機能をお使いいただくことで、保育士とのコミュニケーションを簡単に行えます。
加えて、従来は保育士が「一言コメント」を園児一人ひとりの連絡帳に手書きで記入していました。同じ内容を複数の保護者に送る場合は、Hoisysのメッセージ機能においてコピー&ペーストが可能なので、連絡帳記入の時間を大幅に削減できます。削減した時間で一人ひとりに対応したメッセージを追加で送り、保護者とさらに綿密なコミュニケーションを取ることができるでしょう。
3つ目は、保育園便りや給食・検診予定などのお知らせをWeb上で共有できる機能です。また、活動内容のお知らせを写真やPDFを添付して送れるので、詳細情報も簡単に共有していただけます。ただ、保育園便りなどを紙媒体で工夫しながら手作りしている保育園もありますよね。そういった施設には今まで通り、紙媒体でお知らせを作成いただいて、PDF化して添付する使い方もあります。
ーーユーザーが得られるメリットは何ですか?
保護者側のメリットは、園との連携をスマートフォンひとつで簡単に行えることです。朝の忙しい時間帯に園に電話をしたり、連絡帳に連絡事項を記入する作業には時間がかかります。noteを使うことによって時間を短縮し、かつ保育士とより良いコミュニケーションを取ることができます。
保育士側のメリットは、事務作業の大幅な負担軽減です。電話を取らずにWeb上で出席状況を把握できたり、メッセージのやりとりも短い時間で行えます。先生方は事務作業が減った分、より子どもたちに寄り添った保育が実現できるのではないでしょうか。
ーーサービスを立ち上げた経緯を教えてください。
前職でクライアントとしてお付き合いしていた保育園の運営会社からのご相談があったことがきっかけです。相談の内容としては、「当時出ていた保育システムの中に使いやすいものがないので作って欲しい」ということでした。当初はその会社のみを対象に保育サービスを作る予定でしたが、「社会貢献できるサービスを作る」という理念のもと、すべての保育施設に使っていただけるようにまずはHoisysを立ち上げました。
ーーなるほど。連絡帳機能としてnoteを後から追加したのはなぜですか?
もともとHoisysは保育士の業務負担を減らすために作成したこともあり、保護者向けである連絡帳サービスを視野に入れていませんでした。Hoisysを2〜3年運用する中で、保育施設側から連絡帳サービスを追加してほしいという要望をいただき、noteの提供開始に至ったのです。
ーー今後サービスはどんな進化をしていきますか?
連絡帳としての機能をより拡大させていきます。現在は、保護者の方々がお子様の家庭での様子を簡単に伝えられる機能を開発中です。家庭の様子として想定していることは、お子様の起床・就寝時間/食事量/排泄状況/ミルクの摂取状況など。加えて、保育士からは新型コロナウイルス感染症の予防として行う、園内での検温の記録を保護者と共有できるようにします。
また、弊社では「Hoimin」という事故を未然に防ぐ午睡チェックサービスも運営しています。機器と連動した業務効率化を今後も促進させていきたいです。親会社の千株式会社が展開しているインターネット写真販売サービス「はいチーズ!」や動画配信サービス「園チャンネル」もnoteの連絡帳機能に入れていきたいと考えています。
ーー達成したい目標を教えてください。
保育施設の先生の事務作業負担を減らし、子どもと接する時間をより増やしていく支援をすることです。今後もITとIoTの技術を活用し、保育士や保護者の方々にとって付加価値となるようなサービスを提供していきます。
保育ICT株式会社の「note」が気になった方は、以下のリンクまで。
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