多くの企業のコスト削減においてあまり触れられていないのが、間接経費。費目が膨大であり、かつ各品目ごとの費用は少ないため、ブラックボックスになりがちなのだ。
株式会社アイキューブが提供する「COSTON」は、費目ごとに細かく分類・分析し見える化することで、多くの企業で手付かずの状態の間接経費を短期間で削減してくれる。
どんなサービスなのか。株式会社アイキューブのコンサルタント笠井恒さんに話を聞いた。
株式会社アイキューブコンサルタント
笠井恒
ーー「COSTON」を一言で言うと?
間接経費削減サービスです。削減余地を分析し、費目ごとの削減効果を可視化します。
ーー主な利用企業を教えてください。
すべての業種・業態を対象としていますが、現時点では特に製造業や一般小売業を展開されている企業様にご利用いただいています。
ーーCOSTONのコスト削減の流れは3ステップと伺いました。まず始めに何を行うんですか?
最初のステップは、「見える化」です。総勘定元帳をいただき、「何にいくら使っているのか」といった費用の詳細を可視化させます。ただ、勘定科目ごとの分類では表面的な金額しか見えてこないため、適用欄をひとつずつ参照し、分類していきます。ひとつの企業につき、100から130もの項目になります。この作業を行うことで、どの取引先からどれだけの品目を購入したのかといった品物・単価・数量・取引先がすぐに確認できるようになります。
ーー100から130もの項目に分類し、「見える化」を図るんですね。それでは、2つ目のステップを教えてください。
2つ目のステップが、「仕様の最適化」です。先ほどステップ1で「見える化」した情報をもとに、契約の条件や期間・特別条項を整理し、文書化したものを相見積依頼書に反映させます。また、交渉の準備としてベンチマークの他社が扱う金額を知るために市場調査を行います。利益分を差し引いた原価を推定するためです。加えて、仕様の変更として、条件をどのように緩和することでより安く購入できるかどうかも検討します。取引先を集約させて、取引先の被りなども取り除いていきます。
「仕様の最適化」の中でもCOSTONが得意としているのが、サプライヤーの業績把握です。会社全体の営業達成率・部門ごとの達成率・個人の達成率はその時々の状況に応じて異なるので、自ずと商材の単価も変わってきます。COSTONでは時期や状況に応じてサプライヤーの業績を十分に把握します。
ーー2つ目の仕様の最適化では、1つ目のステップで見える化した情報を文書化していくのですね。文書化する目的は何ですか?
認識合わせを行うことが目的です。一般的に、間接材については何をどのくらいの条件で購入しているのかについては曖昧になりがちです。そこで、しっかりと文書化することで確認を効率化させます。交渉を実施する際に口頭ベースのお話では話がすれ違い、トラブルになる恐れもあります。文書化した資料をもとに交渉を進めることで、そういったトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
ーーそれでは、最後のステップについて教えてください。
最後に、交渉を実施します。サプライヤーは値段を下げる要素を理解しているものの、なかなか提示してくれません。そこで、「例えば、こういう経費は削れますか?」といったように仮説を検証する形で質問していき、提示を促します。また、サプライヤーの仕入れ先や下請け先と交渉を進める必要がある場合は、一緒に値下げ交渉を進めていきます。
ーー多くの企業で無駄にしてしまいがちなコストとは何ですか?
人事総務部門に高いコストをかけている企業が多いです。ただ、そこに所属されている方が費用を使い過ぎているのではなく、コストの削減業務がメインのお仕事でないということが原因になっています。また、管理部門ということもあり、営業からの購入希望を断りづらいという環境も原因の一つではないかと考えています。
ーー類似サービスとの差別化点を教えてください。
今までにお取引をしたり、御見積をさせていただいたご縁で1000社以上のサプライヤーのネットワークを持っていることです。広範なネットワークがあるおかげで、他社では持ってこれないような見積もりデータを取得できます。
また、「片手ビジネス」を行っていることも大きな強みです。一般的にコスト削減を支援する会社ではお客様からだけでなく、サプライヤーからもマージンをとることが多いです。それに対し、私たちはマージンバックを前提としてサプライヤーを紹介すれば、結果的にお客様の不利益に繋がりかねないと認識しているので、サプライヤーからお金は頂いておりません。サプライヤー自身の競争力向上にも寄与できるので、サプライヤーとお客様双方にとって最適な関係性なのです。
ーーコスト削減に目をつけ、COSTONを始められたきっかけを教えてください。
もともと親交があった弊社代表の麹池と自社のサービスラインを充実させる目的で始めました。私自身はこれまでに数多くのコスト削減プロジェクトに携わってきたので、その経験を活かすことができています。
ーーもともと笠井さんは金融業界でコンサルタントを経験されていたそうですが、その経験はCOSTONに活きていますか?
はい。企業再生に携わる中で、費用削減は必ず問題になる分野です。また、売り上げを伸ばすことは難しいですが、間接材の削減については3ヶ月ほどの短期で効果を出しやすいです。その為、費用削減できる方法を知っていることは大きな強みだと思っています。
ーー今後COSTONはどのように成長していきますか?
サービスの自動化を考えています。弊社独自のツールを提供することで、間接経費の見える化・見積書依頼書作成・サプライヤーリスト作成をお客様自身で行えるようにします。
ーー目指す世界観を教えてください。
費用削減の一環で企業の人件費が削減されないようにしたいです。企業にとって”人”は財産。人財を守れない企業からは、良い商品やサービスは生まれてこないと思います。間接材を削減することで、会社の中で働く人財を大切にできる世界観を実現したいです。
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