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インタビュー 2021.03.18

接触なしでスムーズ。マスクを着けて歩きながらでも認証できる、新時代の顔認証システム「FaceMe®︎(フェイスミー)」ーーサイバーリンク株式会社

外を出る時にはマスクを着けて当たり前。接触はなるべく避けたいこの時代に、オフィスの入館管理も新たなフェーズへと移行している。

マスクをしていても、歩きながらでも、人やモノとの接触を避け、安全かつ正確に認証を行うことのできるサービスがある。

サイバーリンク株式会社が提供する「FaceMe®︎(フェイスミー)」だ。AIのディープラーニング技術を活用し、本人確認はもちろん、年齢や感情、マスクの有無までを即座に判定できる新時代の顔認証システムである。

もともとパソコン用のソフトウェアを開発していたサイバーリンク株式会社が、市場のニーズなどを考慮し、自社の技術を生かした新たな主軸商品として約2年前から提供を始めた。同社はサービスの提供を通じて、異分野とコラボし、便利で新しい時代の構築を目指すと言う。

「FaceMe®︎」とはどんなサービスなのか。詳しく見ていこう。

プロフィール

サイバーリンク株式会社  シニアマーケティングマネージャー
今澤浩之

速く正確な認識で人の密集を避ける。ニューノーマルな時代に合った顔認証システム

ーー「FaceMe®︎」を一言でいうとどんなサービスでしょうか。

ディープラーニングというAI技術を使った、精度の高い顔認証システムです。

現在、多くの企業では、入館時にタッチが必要なICカードが使われていますが、接触が必要になりますし、接触のために立ち止まったりするので、人が集まり、「密」が発生しやすいです。その点、FaceMe®︎は接触がなく、歩きながら認証できます。そのため、感染症対策を徹底しながら、入館者のセキュリティーチェックを行えます。また、認証のために専用の機械を買う必要がないので、コストも抑えられます。

ーー導入状況はどれくらいですか?

約2年前から販売していますが、このコロナの状況を受けて、非接触のシステムを検討されている企業様がさらに増えています。本格的に採用する前に、実証実験をされる企業様もいらっしゃいます。

ーーFaceMe®︎の具体的な機能を教えてください。

本人確認をする機能に加えて、性別や年齢、感情を推定する機能があります。
顔認証についてはオフィスの入館管理など、主にセキュリティ分野でお使いいただけますが、年齢や感情を推定する機能はマーケティングにも活用できます。

また、コロナの状況に対応し、マスクをしていても顔認証ができます。マスクの有無や、マスクを正しくつけているかをチェックする機能もあり、マスクをしていると”Mask OK”、鼻を出すと”Mask NG”と出て、正しい付け方ではないことを教えてくれます。マスクを完全に取っていると”No Mask”と判定されます。

ーー他の顔認証システムとの違いを教えてください。

世界中にさまざまな顔認証システムがありますが、FaceMe®︎は認証精度の高さと、さまざまな環境への対応力が強みです。

例えば、FaceMe®︎の認証角度は60度で、一般的な顔認証システムの認証角度の40度から45度に比べて、かなり広くなっています。
認証角度が狭いものは顔が真正面でないと認証できませんが、FaceMe®︎は顔が斜めになっても、両目が写っていれば認証することができます。

また、OSを含めたさまざまな媒体や動作環境に対応できます。
例えば駅にあるような看板にカメラを取り付けてその前に立った人の属性を推定し、その人に合った広告に変えるなど、デジタルサイネージとのコラボも可能です。

ーーなりすましには対応していますか?

はい。AIが本物の人か、画像や動画を写しているだけのものかを判別します。AIが判断に迷った時は、「右を向いてください」や、「目を閉じてください」などのメッセージが出て、それに反応できるかでチェックできます。

また、3Dで深度を測ることのできるカメラを使って、より正確になりすましを防止することも可能です。

ーー導入したい場合はどのようなステップを踏むのでしょうか。

まずはどのくらいの規模で、どんな場所で使いたいのか、FaceMe®︎をご使用になる環境について弊社と面談をします。

その後、開発キットを提供し、お客様自身で開発していただきます。自社での開発が難しい場合は、開発会社に依頼することもできます。

セキュリティ管理の場面で使う場合は、顔認証とマスクの有無のみ、マーケティングで活用する場合は、年齢と性別の推定のみなど、お客様のご要望に合わせて使う機能をカスタマイズすることが可能です。

ーーマーケティングでの活用において、個人の年齢や性別を推定する時に個人情報が漏れる心配はありませんか?

マーケティングに必要なデータだけを収集し、カメラに写った情報を残さないのでご心配いりません。

また、情報を残さなければならない場合であっても、顔の特徴を点で捉えたデータで残すので、仮に流出したとしても復元することは不可能です。

ソフト開発技術×AI。顔認証技術の分野に、新たなアプローチで差をつける

ーーサイバーリンク株式会社はなぜセキュリティ領域に展開をされたのですか?

弊社は1996年に台湾で創業しており、元々は動画の再生や動画の編集をするパソコン用のソフトを開発していました。

しかし、パソコンがスマートフォンやタブレットに押され、パソコン用のソフトの市場は減少傾向にあります。この現状を踏まえて、サイバーリンクとしても別の柱が必要になりました。

顔認証技術は10年以上前からありますが、AIのディープラーニングを使うようになったここ2、3年で、その精度はかなり上がっています。AIと弊社のもともと持っている技術を使えば、すでにある分野でも戦えるという確信を持ち、FaceMe®︎を始めました。

開発キットの持つ柔軟性を生かした異業種・異分野とのコラボで新しい世界を創りたい。

ーーこのサービスの今後は?

さまざまな業界でのサービス展開をしていきたいです。

今は、スマートフォンで銀行口座開設をする時に、顔認証でできるようにするシステムにFaceMe®︎を採用いただいています。医療現場でマスクや手袋をしていても個人認証ができるサービスへの搭載もすすめています。また、特定の人にしか使ってはいけない機械や、入れる人が限られている施設の入退室を顔認証で管理できるようにしていきたいです。

ーー目指す世界観を教えてください。

今後、全く業種や技術同士の交流が進んでいくと思います。

弊社としてもそういったところに積極的に参加して、新しい世界を作る手助けをしていきたいです。

「FaceMe®︎」が気になった方は、以下のリンクまで。

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