レシる代表取締役 安楽繁生(あんらく しげき)
DNPで電子部材の法人営業をしたのち、家電の保証書を電子化するスタートアップでBizDev&経理を担当。現在は税理士さん向けの記帳作業支援サービス「レシるBookAssist」を提供。
様々なものが、電子化され効率的になっていく世の中。その中でも「税理士業界」は特に紙の書類が多く、紙の受け渡しや郵送でのやり取りを行うという紙主体の慣習が残っている。ここをデジタル化できたら、税理士も顧問先も、膨大な手間と時間が省けるのではないか…今回は、紙主体の世界を覆そうとしている記帳作業支援サービス「レシるBookAssist」をご紹介します。
どんなサービスなのか聞いた。
一言でいうと、税理士や経理が行う記帳作業を自動化するサービスです。
サービス名は「レシるBookAssist」です。既存の会計ソフトなどに備えているOCRは、まず領収書の文字をOCRの技術を使って読み取ります。読み取ったとしても、これが正しい店舗名や合計金額なのか…というのは、今のOCRでは判断することができません。ですが、当社の提供するサービスは、読み取った結果があっているのか、当社独⾃の仕組みで、チェックを行い「⼊⼒結果が正しくない箇所」や「システムが正しいと判定できなかった箇所」をピックアップし間違いをユーザに伝え、確認してもらう、というシステムです。領収書を発行する店舗のデータベースを持つことで本当に正しいのかをしっかり確認できるようにしています。
ちなみに、OCRは数字やアルファベットの、読み取り精度は高いのですが、
日本語を読み取るのは、なかなか難しく正しく認識されないことが多いのです。
「レシるBookAssist」はAIや機械学習の分野ではない、全く新しい分野の記帳代行支援システムということだ。
※OCRとは?手書きや印刷された文字を、イメージスキャナやデジタルカメラによって読みとり、コンピュータが利用できるデジタルの文字コードに変換する技術。
では、どんな人たちがターゲットになるのか。
当サービスは記帳代行を行っている税理士事務所がメインのターゲットです。税理士さん一人に対してスタッフが4、5人ついていることが多いのですが、入力作業で手一杯になっているのが現状です。作業をスムーズにするためにも当社のサービスを使って頂きたいと考えています。
ですが、基本的にはレシートや領収書を多数入力している事務所であれば、効果を感じてもらいやすいのではないかなと思っています。
競合についても聞いた。
「既存の人が入力するアウトソーシングのサービス」が競合になってきますね。領収書一枚入力するのに、何十円とかの単価で領収書を丸投げすれば、すべて代行でやりますよ。という所。
レシるは、読み取った後に「ここ間違えていますよ、直してくださいね。」という通知をして、ユーザーの負担を減らしています。これがAIで、できるのは、まだまだ先だと思いますが…当社のサービスがより進化していくかAIに追いつかれてしまうのか…みたいな所はあるのかなと思います。
サービスを立ち上げた経緯について聞いた。
最初は、新卒で3年半、DNPにいました。その後、4年目で大阪のベンチャー企業に転職。その会社は、経理の担当者がいなく、私が簿記の資格を持っていたので、経理を兼務していたのですが、「面倒くさい。なんでこんなことやっているのだろう?」と感じたのがキッカケです。この会社で働いている間に電子帳簿保存法の法律が改正されました。今までは、紙の原本を保管しなければならなかった証憑書類の電子保管が、やっと認められ「サービスを始めるチャンスだ!」と思い起業しました。
祖父も父も自営業だったという安楽さん。自分の中で、転職も独立も変わらないという価値観があり抵抗感はなかったそう。
将来の展望を聞いた。
実は起業した際の最初のサービスが「デジタル領収書を発行するサービス」だったんです。ですが、今もなお、レシートや領収書に限らず、契約書も紙で貰ってハンコを押すという仕組みが残っていますよね。紙で発行する、紙で貰う「安心感」みたいなものが歴史を見ても、根付いているのだと思います。どんどん技術が発展してきているのに、この仕組みだけは変わっていない。ですので、まだまだ紙ベースで欲しいという方がいて、マネタイズには時間がかかるなと感じました。世に出すのが、少し早かったのかな?と思っていて、今は「レシるBookAssist」に力を注いでいます。いずれは領収書に限らず「紙で発行されているものをいかにデジタル化していくか」という所も大切にしていきたいですね。
「レシるBookAssist」としては、税理士の皆さんに認知されることを目指しています。認知されてきたらその次は、社内で記帳している企業もターゲットとなるのではと考えています。税理士が利用して便利だと感じるサービスなら、顧問先の企業に紹介しやすいですよね。認知度を上げるために、画面の見やすさも工夫しようと考えていて例えば「税理士が見る画面。顧問先が見る画面」と画面展開を工夫し、両ユーザーのUI/UXの改善も行なっていきます。
データの管理が、紙ではなく、どんどんデジタル化していくことで税理士の働き方も変わるのでは?と期待が高まった。かさばるものや、無くしやすい領収書も、効率的に整理整頓できると気持ち良いですね。
取材担当梨江
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紙が大好き。でも、無駄なものはキライで、皆が使いやすいようにしたい!という物腰柔らかな安楽さん。まだまだ税理士業界は「紙ベースで動いている」ということに驚きでしたが安楽さんがデジタル化の革命をおこしてくれるのでは?と期待が高まりました。無駄を省いて効率的な仕事をしたい税理士さん!注目です。