株式会社aiforcesolutions CEO 西川 智章
PwCコンサルティングやAIベンチャーにて主に日本並びに東南アジア地域の金融、製造、農業インダストリー向けにAIビジネスコンサルティングやビックデータ解析サービス、先端技術を活用したビジネスモデルの構想・計画策定などを支援。これまで、事業会社等にて中国事業の立ち上げ、ビックデータ事業部の立ち上げ、AI事業の立ち上げなどに従事。米国公認会計士(ワシントン州)、人工知能イニシアティブ会員、データサイエンティスト協会会員。日本語・中国語・英語のトリリンガル。
AIを社内に導入するには時間とコストが掛かる。
どんなサービスなのか聞いた。
サービス名は、「AMATERAS」アマテラスです。一言で言うと、日本初のデータサイエンティストの業務を代替する自動分析ツールです。専門家でなくても数クリックでAI予測モデルを作成可能なものになっています。
最近は、B-R サーティワン アイスクリーム株式会社(以下、サーティワンアイス)
にAMATERASを採用頂きました。 サーティワンアイスの場合、商品の生産管理・ 在庫管理を行うため、AIを活用した商品毎・ 旬毎の出荷量構成比の予測を、 3ヶ月毎に外部のベンダーに委託していました。 しかしながら、膨大な外部委託費と長いリードタイム(
四半期単位で分析)がかかっていました。また、 業務知見がないデータサイエンティストはお客様とのヒアリングに も時間がかかります。そこで、課題解決するためには、 現場を良く知る実務担当者が、 分析と検証できる環境を整えることが大切になってきます。 ここでコストがかからず、専門家出なくても簡単に使える「 AMATERAS」の登場です。 実際にサーティワンアイスがAMATERASを導入した結果、
外部委託費の大幅な削減と、出荷量構成比の予測頻度の改善( 3ヶ月から随時へ)を達成しました。
では、どんな人たちがターゲットになるのか。
「AMATERAS」は、
データサイエンティストを代替するツールです。一般的には、 現場の営業担当者やマーケター有するノウハウに基づき、 社内外のデータサイエンティストが分析を実施します。ところが、 外部委託も採用もコストがかかり、 一つのAIプロジェクトで約3ヶ月程度の時間と数百万〜 数千万円程度のコストがかかります。この二つの壁があり、 優良企業でも中小はなかなかデータサイエンティストはかかえられ ないので、そこで悩んでいる方達にぜひ使って頂きたいですね。 データ分析の専門家ではなく、実務者である営業部やマーケティング部担当でも数クリックで、最適な予測結果を自ら、簡単に、何度も検証することが可能なので、あまりコストをかけられない飲食からアパレルまで幅広い職種の会社の方に使って頂けたらと考えています。
ちなみに自分たちでデータを追加して予測することもできますので、ハロウィンなどのイベントなどプロモーションの強度を調整することも可能です。
競合についても聞いた。
データロボットかなと思います。アメリカの会社でツールを出しているのですよね。
ただし、ターゲット顧客と価格帯が異なるので、ほとんど競合しないです。また、統計解析系のツールなどは あると思いますが、お客様先で比較対象になる事はほとんどないです。
サービスを立ち上げた経緯について聞いた。
去年の7月に創業してから今年の6月末で一年たちます。
前職の外資コンサルの仲間と一緒に立ち上げました。 約10年程度ほどコンサルをして、最初は内部監査やリスクマネジメントの業務に従事していました。 その時に関わっていた内部監査の経験が、今に生きています。
当時、内部監査というのは、アナログなやり方で 手作業で取引と伝票をチェックするのですが、工数の問題で、全体の一部しかチェックできないんですよね。 それを、会社の基幹システムや会計システムから全部データを取り出して、 発見する手法があり、これがとても画期的な方法だったんですね。その後、ビックデータという言葉が市場に出てきた頃、不正や疑わしい取引のパターンを統計的に アナリティクスチームの立ち上げに参画し、 その当時の経験を生かして現在に至ります。データは21世紀の石油。
日本でもデータ活用を当たり前の世の中にしたいです。ですが、 日本ではデータを扱う専門人材の育成機関(学部・大学院) などが、日本5に対して、 アメリカや中国は500以上になります。資源(データ)もなく、 人材もない日本の現状に強い危機感を感じましたね。 データ分析の専門人材の需給バランスが崩れて、 超大手企業以外は、AIを導入できない。このままだと、 日本を支える中小企業がいつまでたってもAIのメリットを享受で きないと思い、今の日本をなんとかしなきゃ。 と思ったのが起業の始まりです。 すべての人が、読み書き、
算盤レベルでAIを活用できる世の中にするべく、 AI導入のハードルを下げて、 それを教育する環境を作ろうとしています。現在も高校や、 大学で授業をしています。
将来の展望を聞いた。
今後は、有力なブランドを持った消費財メーカーと小売りをターゲットにしていきたいと思っています。アパレルやレストランチェーンの流入量というのは、イベントや天気によっても変わってくるのでそこにも対処していきたいですね。また、店舗ごとに店長属性をいれたりすることもできるので、この辺りも活用して頂きたいです。
また、みんながこういう「AMATERAS」のようなサービスが使えるように、今後も教育には力を入れていきたいなと思っています。
取材担当梨江
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