瀬戸 敦史
Atsushi Seto
近畿大学法学部3年/株式会社No Limit 代表取締役
1995年、大阪生まれ、近畿大学3回生。 2016年の大学2回生の20歳のときに株式会社NoLimitを起業し、 現在4期目。20歳当時、お付き合いしていたアメリカ人留学生の日本で働きたいという夢を個人的に就職支援をしたことがきっかけで、 弊社メインサービス”グローバルJOB”を立ち上げる。
高度外国人人材向けの総合採用プラットフォーム『グローバルJOB』を展開しており、 日本の4年制大学を卒業した優秀な留学生を企業に紹介するサービスを提供。 これからの令和時代は、多様な価値観を持つ国・地域・人々がお互いを認めつつ共存できる時代、 すなわち「多様性と共存共栄」の時代であるべきだと考え、関西発の外国人HRベンチャー企業として、日本全国に事業拡大を目指している。
2018年1月、EO(起業家機構)が主催する大学生起業家アワード『GSEA』で西日本No.1 賞を受賞。朝日放送『財界フォーラム2018年』や『キャスト』で注目ベンチャー起業として紹介される。
また、2018年には、大阪府主催の成長可能性のある有望ベンチャー企業を上場まで支援するアクセラレーションプログラム「Booming!4.0」の支援対象ベンチャー企業に採択され、事業を急拡大されている。
ーどのようなサービスか教えてください。
一言で言うと、「日本国内で高度外国人の採用が完結できるサービス」です。外国人人材の活用に挑戦して見たい。けれども採用、育成の仕方が分からないだったり、海外進出する中で、採用戦略として、外国人の採用を取り入れてくなど、そのような企業様に対して、気軽に外国人採用というものに触れてもらう、知ってもらうという機会提供を行います。
ーどんな機会提供なんですか?
インターンシップやアルバイトの形式で、外国人を受け入れてみるという提案が可能です。外国人とのミスマッチングを減らす目的でも、ご活用頂いています。
ーサービスを利用する顧客について教えてください。
大手企業から、中小企業、ベンチャー企業まで、幅広い業界・業種で様々です。
ー登録者に特徴はありますか?
国内TOPクラスの京都大学をはじめ、大阪大学、神戸大学など関西の有名大学に在籍している留学生が多く、能力の高い留学生が集まっています。
語学スキルについては、日本語能力を判定する試験の中で、最高スコアであるN1評価を持つ留学生が登録者全体の約70%を占め、残る30%もN2レベルの判定を得ています。
また、性格・志向性に関しては、ハングリー精神と知的好奇心が旺盛な人が多く、新しいことに挑戦する気概にも富んでいます。
その上日本まで来て4年間、真剣に学ぶ学生なので、日本で働こうという想いは相当なもの。今後長期的に日本で働くことを前提にしている外国人留学生ばかりです。
ー競合について教えてください。
東京や関西の外国人採用支援企業が競合です。
ただ現時点では、外国人採用市場シェアを奪い合うのでなく、市場を如何に大きくできるか(外国人採用に興味・関心を持って頂ける企業を如何に増やすのか)が非常に重要と考えております。
これからの令和時代は、多様な価値観を持つ国・地域・人々がお互いを認めつつ共存できる時代、 すなわち「多様性と共存共栄」の時代であるべきだと考え、関西発の外国人HRベンチャー企業として、日本全国の同業他社様と外国人採用市場の拡大に貢献していきたい次第です。
ー他社と差別化できる「グローバルJOB」の強みはなんですか?
他社様と決定的に異なる部分は、弊社は、日本国内にいる外国人と採用マッチングに対して他社様は海外にいる外国人と採用マッチングしている点に尽きます。
日本国内にいる外国人を採用マッチングの利点としては、
・就労ビザが許可されやすいこと
・日本語力が高い留学生が多いこと
などが挙げられます。
中でも強みとして挙げられるのが、正規雇用の前に、インターンシップやアルバイトなどを取り入れることで、ミスマッチングの可能性を減らすことができることです。
ー会社設立の経緯を教えてください。
No Limitは、私が大学2回生、20歳のときに創業しました。親族が事業を経営しており、その話を、幼少期の頃からよく聞いており、そのことが大人になった今でも、その話が忘れられず、自分も将来起業しようと考えていました。そして、大学2回生時に親族の会社の事業である不動産事業の経営悪化を食い止めるため、民泊の運営代行サービスで起業しました。
また、民泊運営代行を行う過程で必要だったチェックインチェックアウト業務の通訳などは、当時お付き合いしていたアメリカ人の彼女がとてもサポートしてくれました。
ーそこから今のサービスを始められたきっかけはなんですか?
民泊新法が新たに制定されたことで、民泊運営代行事業を停止しなければいけなくなりました。そして経営が立ち行かなくなって、給与が払えなくなりました。彼女は、弊社で就労ビザを取得していたため、給与が払えなくなった瞬間に、就労ビザの取得要件を満たせなくなります。その為、彼女が日本に在住するために必要なVISAを新たに取得するため、転職をするしかなくなり、彼女の転職支援をすることになりました。こうした経緯で、外国人の就職支援に携わり、外国人留学生の就職環境がとても厳しいという現実を知ったんです。
ー具体的に外国人留学生の就職環境というのは?
日本で働きたい外国人留学生は 2 万 4 千人いて、実際に日本で就職できるのはたった5割だけだったんです。 僕はこの状況にすごく危機感を感じました。この先、日本は今よりも人手不足によって苦しむと言われる中、せっかく日本で働きたいと願う優秀な留学生が、今の日本では就職しやすい 環境が整っていないって本当にやばいなと。今後も人口が減少し続ける日本が、働きたいと願う外国人に背中を向けたまま、この先の数十年を見送る未来をたどれば、今よりも厳しい日本になる。
この現実を知ってから、この社会問題を解決しなくてはならないという使命感が自分の中で湧いてきたんです。 日本の人手不足という社会問題の解決だけでなく、 すべての人が国境や文化を超えて、生き生きと働ける日本社会の実現を、人生をかけてやり抜きたい。そう思ったんです。
ー厳しい環境を身近で感じ、その想いが今の事業につながっているんですね。
ー今後のサービスの展望について教えてください。
単なる人材紹介で終わりたくないですね。外国人留学生にキャリア教育を提供し、より日本で働きやすくなる仕組みを作っていきたいです。例えば、インターンやバイトを通して企業側からフィードバックをもらい、学生個人の経歴に貯めていきます。そうすると、たとえJLPTなどの日本語能力が低くても、コミュニケーション能力が高かったり、エクセル等の他のスキルを可視化できる履歴書ができます。
ー目指す世界はありますか?
外国人が思い出、就職、結婚等の日常生活で日本を選びやすくなる土壌を作っていきたいです。入国から出国まで、外国人が直面する課題を解決し続ける会社にしていきたいです。日本にいる外国人のための会社であることはこの先ずっと変わらないと思います。
ー日本企業と外国人留学生を繋ぐ マッチングサービス「グローバルJOB」の今後に注目ですね。
編集後記
取材担当大野
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