私たちの日常は広告で溢れている。特にインターネット上ではオンライン広告を目にしないことはほとんどない。コストも手軽で、手間もさほどかからないことから、オンラインで広告を出す企業は多い。しかし、数が多いだけに、流し見やスキップされてしまうことが多いという欠点もある。
一方、オフライン広告を使えば、エリアやターゲットを絞って広告を出すことができる。また、インターネットの利用が少ない高齢者層にも情報が届きやすい。しかし、オフライン広告製作のほとんどは広告代理店が請け負っていて、コストが高く、手間もかかる。オフライン広告に関する情報がまとまっているところも少ない。
そこで、オフライン広告を検索から注文までをインターネットで完結できるサービスが2019年に始まった。株式会社ビズパのBIZPAだ。
BIZPAには全国のオフライン広告の情報がまとまっており、手軽に検索できる。ECサイトを利用するような感覚で注文も可能だ。広告代理店が行っていた手順をプラットフォーム化したため、従来よりもコストや時間も削減できる。
今回はBIZPAについて詳しく見ていこう。
株式会社ビズパ 代表取締役CEO
石井 俊之(いしい としゆき)
中央大学法学部卒。住宅メーカーの大和ハウス工業(株)に営業職を経験後、2000年(株)ラクーン(現:ラクーンHD)に創業メンバーとして入社。取締役副社長として、執行部門を統括。B2Bマーケットプレイス事業、B2B決済事業、子会社社長等を歴任し、同社をマザーズ上場(2006年)、東証一部上場(2016年)まで導く。2018年12月株式会社ビズパ設立。
— BIZPAについて教えてください!
BIZPAはオフライン広告のプラットフォームです。看板、フリーペーパーなどのオフライン広告をECサイトを利用する感覚で気軽に検索することができます。
オフライン広告を出すとなると、従来は広告代理店に頼むことがほとんどでした。これでは、資料請求や注文書の作成など、手続きに時間がかかります。また、どんな種類のオフライン広告があるのかわからず、結局オフライン広告を出すことを諦めてしまう方も多いです。
そこでBIZPAでは、欲しい広告の検索から注文までをサイト上だけでできるようになっています。資料請求などの書類作成や代理店とのやり取りを削減し、商品への注文の手順を簡略化しました。また、私たちのサイトには現在2万5000種類の広告が掲載されていますので、利用者のニーズ合った広告を探すツールとしてもお使いいただけます。
— どのように利用するのですか?
当社は会員登録制で、法人又は個人事業主の方のみ利用いただけます。
ECサイトのように発注や発注後のやり取りが画面上から可能です。
雑誌・フリーペーパー・看板などのカテゴリーの絞り込みや地図によりからの検索、訴求するターゲットからの絞り込み等が可能となっていますので、自社に合った適切な広告を探し出すことができます。
注文完了後はデザインの入稿や納品を管理画面上から行い、広告掲載となります。
— オフライン広告は高額なイメージがあるのですが…
BIZPAに掲載されている商品の90%が20万円以下で掲載可能です。従来の手続きをインターネット上での作業に置き換えることによって、手続きにかかる手数料の削減に成功しています。
— ちなみに人気の商品などはありますか?
フリーペーパーはすごく人気があります。また、最近は薬局やスーパーのレジ横によくあるインストアサイネージいわゆる電子看板の需要が高まっています。
— もともとは何をされていたのですか?
前職は株式会社ラクーンホールディングスというアパレルや雑貨の仕入れ調達のマーケットプレイス「スーパーデリバリー」や企業間向け決済プラットフォーム「Paid」などを運営する会社で副社長兼事業責任者をしておりました。
— どうして起業しようと思ったのですか?
前職で、オフライン広告を探すのに苦労した経験が最初のきっかけです。インターネット広告は、管理画面上から簡単に広告出稿することができ、数万円単位で簡単に実施することが可能です。
しかし、オフライン広告は情報が集約されておらず、自社に合った広告を探すことがそもそもむずかしい。かつ、単価も高いため、スモールスタートすることが難しいという現状がありました。
調べてみると経営者の方やマーケターの方は同じように課題を抱えているケースが多く、それなら、自分が前職で行っていたB2Bプラットフォーム構築のスキルを応用することで、問題を解決できるのではないかと思い、起業しました。オフライン広告をより多くの人に気軽に楽しんでいただき、利用者の目的に合った適切な広告のマッチングしていきたいという強い思いがこのサービスには込められています。
— 会社のミッションはなんですか?
「広告業界をアップデートする」ということです
一部のネット広告は、効果を追いすぎたあまり、消費者にとってはジャマな存在になりつつあります。
一方で、オフラインの広告は、情報はクローズされ、価格は不透明で、発注は電話やFAXで行われており、中小企業・ベンチャー・個人事業主にはハードルが高く、遠い存在となっています。
しかし、私たちは広告代理店の方のビジネスを否定するつもりはありません。
むしろ、一回の出稿金額が多い大企業や高額の広告商品に対しては、コンサルティングをしっかりするべきだと思っています。
私たちは、広告代理店がカバーしずらいスモールビジネスの方へ向けて、小ロット低単価の商品を中心に提供しています。
オフライン広告をテクノロジーを使い、適切にマッチングさせ、カンタンに流通させることができれば、広告の価値は最大化できると考えています。
広告業界を支えてきた人々が作り上げた、広告の持つ魅力を取り戻し、つぎの時代に向けて新しいアタリマエを創造する。今後、広告業界の方と一緒になって、新しい広告ビジネスの世界をアップデートしていきたいと思っています。
それが私たちのミッションです。
— これから目指している世界観などはありますか?
将来的にはBIZPAだけで広告の戦略から発注まで完結できる広告プラットフォームを実現したいと思っています。
現在は、デザイン等のクリエイティブ制作は利用者に任せているのですが、今後はBIZPAでデザイン制作も行えるようにサービス機能を充実させる予定です。また、現在は広告の数が2万5000種類ですが、数多くの種類を集め、よりたくさんの選択肢をご提供していきたいと考えています。
BIZPAが気になった方はサイトを見てみてほしい。
取材担当廣瀬
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