地域の多様性とそこに生きている人たちの創造性を映し出す、伝統生地や民族衣装。滞在先で着たり、思い出を残すためにお土産として購入する方も多いだろう。しかし、旅が終わってから、着る機会がなくなりタンスやクローゼットの中に眠ってはいないだろうか?
そんな想い出たっぷりの生地を使って日常使いできるような洋服にリメイクしてくれるサービスがある。株式会社WOOBのshiro ni sekaiだ。
shiro ni sekaiでは、普段使いできるように白をベースとした洋服と、ユーザーが持っている世界生地を組み合わせることで想い出を纏う洋服の作成を実現している。
今回は、洋服を通して想いの循環を生み出すリメイクブランド、shiro ni sekaiについて詳しく話を聞いた。
鎌田悠菜
—サービスを一言で言うと?
想い出を纏う(まとう)をコンセプトに世界各地の素材を白の中に取り入れたお洋服のリメイクブランドです。
世界各地で手に入れた洋服や生地をお客様に提供していただき、日常使いできるようなデザインのお洋服にリメイクしています。
shiro ni sekaiでは「想いの循環」に特化し、世界各国の素材に込められた想いや経験を日常でも身に纏えるお洋服作りを目指しています。
—どのように利用するのですか?
現在は、クラウドファンディングでのサポートがメインの利用方法になっています。クラウドファンディングでは主に3つのサポート方法があります。
まず1つ目は実際に世界生地を提供していただいてお洋服を制作させていただく方法。
生地をshiro ni sekaiに郵送してもらい、お好みの型(現在は5型から選択可能)を選んでいただきます。
2つ目は、今後生地を手に入れる予定がある、またはこれから選べる型が増えたときにお洋服作りをしたい人が、その時のためにチケットを買う方法。このチケットを買うことで、来年3月以降であれば、いつでもshiro ni sekaiで洋服を作ることができます。
3つ目は、誰かが提供してくれた生地の余った部分をお裾分けとして使い、お洋服を購入する方法。生地は持っていないけど、思い出の詰まった世界素材を着てみたい方はこのチケットを買えば、来年3月以降いつでも誰かのお裾分けの生地で作られたお洋服を購入することができます。
—ユーザーはどのような人ですか?
海外にいくことが好きな人、海外に滞在したことがあり、その地に強い思い入れがある人、海外に行ってみたい人がターゲットです。
—こだわりはありますか?
生地に込められた想い出を可視化している点です。
生地を提供していただいた方には必ずヒアリングをし、その生地を入手したときの思い出や、生地にまつわるエピソードを聞いています。
シェアしていただいたエピソードは「想い出タグ」と「お裾分けカード」として出来上がったお洋服と共に残るので、生地を提供してくれた人にはもちろん、お裾分けの生地でお洋服を購入した方もその生地に込められた思いを知ることができるんです。
普段は言語化しないような気持ちや感情をあえて文字として残すことで、旅が終わった後も世界各国に想いを馳せることができるようなお洋服の提供を実現しています。
—想い出タグとお裾分けカードについてさらに詳しく教えていただけますか?
想い出タグは、お洋服ごとに使われている生地のエピソードが書かれたタグのことです。このタグはお洋服に直接つけられているので、お洋服を着ながら、生地に込められた想いも一緒に身につけることができるのです。
お裾分けカードは、余った生地をお裾分けしてもらってお洋服を購入されたお客様が、生地をお裾分けしてくれた方に感謝を伝えることができるカードです。
お裾分けの生地で作られたお洋服を購入した方にはその生地のエピソードが書かれたカードもついてきます。カードにはメッセージ欄がついており、そこに生地を提供してくれた人へのメッセージを綴ることができます。メッセージを書いた後、ポストに投函することで生地の提供者の元に届きます。
このお裾分けカードを作った理由は、生地に触れた人たちの想いを循環させたかったからです。生地を提供してくれた人も、お裾分けしてくれた人も、お洋服を通じてさらに思い出を作っていく。そんな想いをシェアする仕組みを作りたいと思い、このお裾分けカードを作っています。
—このサービスを始めたきっかけは何ですか?
旅先での体験やその時の感情に想いを馳せる時間を作るお手伝いをしたいと思ったことがきっかけです。
私自身、旅が好きでドイツに留学している間、ヨーロッパ50か国を旅して回りました。
旅をしているその時が楽しいのはもちろんですが、旅が終わってからも、ふとした瞬間に蘇ってくる想い出があるんですよね。例えば、その地で聞いていた音楽を聞いた時や、写真を見返している時など…。旅の想い出が増えれば増えるほどフラッシュバックする瞬間も増えていって、現地で過ごすだけが旅ではなく、滞在した地のことを思い出したり、現地の人たちに想いを馳せている今も旅の続きなんだということに気がついたんです。
そんな想いを馳せる時間をもっと日常的にできたら、旅というものをより身近に感じられるのではないかと思い、shiro ni sekaiを立ち上げることを決めました。
—想い出に関するものはいろいろありますが、洋服にこだわっている理由はありますか?
ヨーロッパ50か国を旅しているときに、たくさんの世界素材に触れたことから、洋服作りに興味を持ちました。何より魅力を感じたのは、現地の人たちの手で作られ、販売されている温度感です。その温度感や、現地で作っている人たちの雰囲気を伝えられたらどんなにいいだろうと旅をしながら思っていました。
そこで、shiro ni sekaiでは現地で生地を手に入れた人たちの想い出や感情に寄り添ったお洋服作りにこだわっています。
—これからどのように成長していきたいですか?
現在は5型のお洋服の型をさらに増やしていきたいと思っています。来年の3月には20型に増やす予定です。
また、今行っているクラウドファンディングが終わったら、ECサイトを立ち上げて、本格的な販売も始める予定です。
—目指している世界観を教えてください
「想いの循環を作ること」を新たな価値として社会に広めていきたいです。
感情や思いは目には見えないものですが、人生を豊かにしてくれるとても大切な要素です。「想い」を共有して循環させる仕組みを作ることで、人生の楽しみ方を増やしていくお手伝いできるようなサービス作りをこれからも作っていきたいです。
お洋服作りに限らず、どんなふうに想いの循環を作っていけるか試行錯誤しながら挑戦を続けていきたいと思います。
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