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インタビュー 2020.04.21

産業の課題を解決する、AI活用技術を紹介ーーAI技術データベース『アイブン』

「AIのトレンドを知りたい」「AIに関する専門的なレベルの情報が欲しい」

そんな産業界のビジネスマンの課題を解決するのが、株式会社Parksの提供するAI技術データベース「アイブン」だ。

どんなサービスなのだろう。詳しく見ていこう。

プロフィール

代表取締役兼CEO 水谷 健

1992年 三重県桑名市機械工場生まれ

2015年 名古屋工業大学(Nagoya Institute of Technology)工学部機械工学科卒業

研究内容:スペースデブリ用柔軟防護壁の開発

2017年 東京大学(The University of Tokyo)大学院工学系研究科機械工学専攻卒業

研究内容:カーボンナノチューブの生成現象分析

職歴:日本精工株式会社にて技術者

VRベンチャーの立ち上げを支援

株式会社Parksを設立、同社にて代表取締役

海外のAI活用研究に手軽にアクセス!最新のAI技術を紹介するメディア『アイブン』とは?

ーーアイブンはどのようなサービスですか?

ひとことで言うと、産業課題を解決するAIの応用技術を、専門家がわかりやすく記事にして紹介するサービスです。

 

ーーどのような人がターゲットなんですか?

産業業界のビジネスマンや技術者です。企業でプロジェクトを担当する人が、AIをはじめとしたIT化を進めるときに、我々のサービスを使って知識を得てほしいと考えています。また業界の将来を予測したり今後のニーズを考えることに役立つので、AIのプロジェクトに関わる人以外もぜひみて欲しいです。大袈裟に言えば、テクノロジーに関心のある人全員に読んで欲しいです。

 

ーーアイブンの特徴はなんですか?

アイブンの特徴は、記事を書いているライターさんが全員専門家であることです。彼らが難解な論文を噛み砕いて文章を作り、そのあと編集部が一般の人にもわかりやすいコンテンツを作成しています。専門家が書くことで記事の正確性を担保しているのも特徴ですね。

もう一つの特徴は、ソースが英語で書かれた論文であることです。読者は、海外のサイトに飛ばなくても日本語で最新のグローバルな情報にキャッチアップできます。アイブンのサイト内のフリーワード検索で出てくるコンテンツの多くは、世界中の研究成果です。AI実用化のためのアプローチと結果を発信しています。

また、ソースとなる論文は、研究とはいいつつ、読んで面白いものを発信するように心がけています。また論文の商用利用許諾もしっかり確認してあるので、安心して使って欲しいですね。

ーーどういった基準で発信する内容を選んでいるのですか?

基礎研究で終わっているものではなく、ビジネスになりそうな技術を記事にするようにしています。ただ、例えば医療関係の技術はインパクトが大きいものが多いですが、研究で成果が得られてもその後の臨床試験などを経なければ社会に実装できません。そういった業界特有のハードルも合わせて発信することで、「研究成果を投げて終わり」にしないようにしています。

ーーイチ推しの記事はなんですか?

イチ推しの記事は、直近1ヶ月で一番読まれた「世界の緑はドローンで監視されているのか」です。この記事はNewsPicksのテクノロジーカテゴリーのトップにも載りました。一見地味な内容ですが想像を膨らませると未来の姿が見えていくようなコンテンツになっています。アイブンではこういった記事が他にもたくさんあります。

ーーベンチマークとしているサービスはありますか?

ベンチマークとしているのは、AIやテクノロジー系のメディアではないのですが、金融系のStockclip(ストッククリップ、現Strainer)というサービスです。今流行しているサービスで、ニーズを捉えてサービスづくりをしている点は参考にしたいと思っています。

ーーAI技術を紹介するメディアは他にもありますが、類似するサービスとの差別点や独自の強みは何ですか?

AI系のメディアにさまざまなものがありますが、競合だとは考えていません。アイブンはテクノロジーのファクトベースというのが独自性になっていると思います。また情報の確かさの他に、産業課題とそれに対するソリューションを重視している点が強みだと考えています。広告媒体としてではなく、コンテンツそのものの価値を作り込んでいるのも独特のスタンスだと思っています。

ーー他に読者が得られるメリットはなんですか?

掲載している情報をもっと詳しく知りたかったら、所属のリサーチャーにコンタクトできることです。AIのアルゴリズム選定を論文の調査を元にサポートしたり、情報にとどまらずビジネスに応用するにはどうすればいいのかを調査したりできます。

個人レベルというよりも企業や法人向けに展開して、メディアを切り口にテクノロジーのプラットフォームとして挑戦していきたいです。この点については今後もっと押し出していきたいと考えています。

製造業、製薬・医療業界のIT化を進めたい。製造業での体験をきっかけに起業

ーーどういう経緯でAIに興味を持ったのですか?

僕はもともと大学院で機械工学を専攻していました。機械工学は、力学や工学を扱う分野で、サイエンスとエンジニアリング系の両方をカバーするものです。

ですから、大学の勉強の時点でそういったAIと結びつく分野を勉強していて興味があったと言えます。また、当時から研究が大好きで、ディープラーニングが成果を出して実用化できたらいいなと思っていました。

――起業の経緯を教えてください

大学院卒業後は製造業のメーカーに新卒で入り、製品を大量生産する工場の技術を変えていく立場のエンジニアとして働きました。その際に、現場が人間にとって厳しい環境だったこともあり、単純労働の課題を深刻に考えてしまったんですね。人生における時間の使い方を見つめ直して、生産性や時間あたりの価値の作り出せる量の観点から考えると、できる限り自動化するべき環境だということを肌で感じたんです。

その頃から、まだ具体的なサービスは考えてないものの、将来AIや自動化に携われたらいいなと考えていました。よくよく調べてみると製造業界や製薬・医療業界はIT化が進んでないことを知り、そこを手助けすることで世界が変わるんじゃないかと考えたんです。

そういう経緯でなにかチャレンジしたいと思っていた矢先、知り合いのVR領域のベンチャーから声をかけてもらいました。少人数で世界を見て、大きな展望を考えていくベンチャーの環境でステップアップをし、そこで培った知識や経験を生かして自分でやってみようと思い、起業にいたりました。

ーーどうしてアイブンのサービスを始めたのですか?

起業の経緯の中でもお話ししたように、製造業のIT化を進めたいと思ったときにテクノロジーを扱う人口を増やさないといけないと考えました。そこで、産業の課題を解決するためのITの応用技術を紹介するメディアをやろうと思ったんです。

先ほどお話ししたStockclipのようにサービス化するためには、メディアのサービスモデルの検証に余地があると考え、2019年の5月頃から検証を始めて完成したのがこのアイブンです。

 

ーーどういったところに検証の余地があると考えたのですか?

アイブンを始めるうえで検証したのは、関わる人が得られるメリットのユニークさです。私は、アイブンは記事を読んでくださる読者の方だけでなく、コンテンツを作り出す側の一人一人にもただのメディアにとどまらないメリットを提供できると思っています。そこで、技術者であるアイブンのライターさんが、法人のクライアントに対してお仕事をする話に繋がるなど、一人一人が価値を生み出せるようなサービスを作ろうと考えました。

 

製造業、製薬・医療業界に『技術革新』を。

 

ーー今後の展望を教えてください

今はメディアとして情報という部分に重点を置いています。ですが今後は、製造業界や製薬・医療業界をメインターゲットに、IT人材不足を改善したり、業界の普遍的なソリューションを提供したりするようなサービス作りをしていきたいです。技術の紹介にとどまらず、アイブンというメディアを皮切りに業界の課題を解決していきたいと考えています。

ーー目指す世界観はなんですか?

「技術革新」という言葉が一番当てはまると思います。 

今後は製造業界と製薬・医療業界、この二つの業界が変わっていくべきだと思うんですね。そのために、自分の仕事を通してその領域に技術革新を起こしていきたい。そして最終的には人間一人一人が平和に、健康に、千年生きられる世界を目指していきたいと思っています。

AIによって製造業界、製薬・医療業界の課題解決を目指す株式会社Parksに今後も注目したい。

採用情報

現在、株式会社Parksでは、採用活動を進めています。

技術情報ライターを募集中。

技術者キャリアを自ら切り開いていきたい方におすすめです。ご興味のある方は、ぜひご連絡ください。

お問い合わせはコチラから

編集後記

取材担当阿久沢

一押しの記事「世界の緑はドローンで監視されているのか」の他にも「恐怖はAIで治癒できるのか」「ワタリガニにも性格があるのか」など読んでいて面白そうな研究がたくさんありました!ライターさんを募集しているそうなので、興味を持たれた方はぜひ!


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「AI.Accelerator」

 

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