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インタビュー 2020.06.26

採用担当者がコア業務に専念できる、採用管理システムーー『SONAR ATS 』

面接に説明会、応募書類の管理や日程の調整、インターンシップの企画やそもそもの採用計画…。

一口に採用と言ってもその仕事内容は多岐にわたる。

これらの業務を全て採用担当者が行うと、圧倒的に時間が足りないのではないか?

Thinkingsグループのイグナイトアイ株式会社が提供する『SONAR ATS』は、採用に関する業務を一元管理し、効率化することで、採用担当者が本来時間を費やしたい「本質的な採用業務」にシフトできるサービスだ。

どんなサービスなのか、詳しく見ていこう。

プロフィール

代表取締役社長 吉田 崇

採用担当者がコア業務に専念できる、採用管理システムーー『SONAR ATS』

ーーSONAR ATSはどのようなサービスですか?

ひとことで言うと、企業の採用担当者が自社の採用情報を管理し、採用を成功させるためのクラウドサービスです。インターンシップから、本選考、内定期間を含む入社までのすべての採用プロセスを一元管理することができます。

SONAR ATSのフィロソフィーは、『意思ある採用担当者の理想を実現する』です。

採用のフレームワークは経営にも直結していて、採用活動は企業の将来を左右する要因のひとつといっても過言ではありません。理想の採用活動にコミットしようとする採用担当者が、より本質的な仕事に集中し理想を実現できるサービスを作ろう、という発想で生まれました。

SONAR ATSなら、今まで採用担当者の勘や経験に頼っていた部分をデータで可視化することで、最適かつ効率的な採用が可能になります。また日程調整やメールでの連絡などシステムに任せられる仕事はシステムに任せ、面接の時間を増やして応募者と向き合ったり説明会をより良くするために企画したりするなど、人にしかできない本質的な仕事に集中して採用プロセスそのものの質を上げることができるようになります。

ーーサービスを設計する上でどんなことを意識していますか?

SONARを設計する上で重視していることは2つあります。

まず、「量」を減らすために重要な「プロダクティビティ(Productivity)」です。採用業務のひとつひとつに向き合い、テクノロジーで改善していくことで、採用担当者が”採用本来の仕事”にシフトできるようにすることです。

もうひとつは「質」を上げるために必要な「フレキシビリティ(Flexibility)」です。1社1社異なる採用ポリシーに沿って、柔軟に採用プロセスを設計できることで、採用担当者が理想の採用を実現できるようにすることです。

「プロダクティビティ」についてですが、これは採用のバリューチェーンが数ある中で、チェーンをいかに削減するかということがポイントだと考えています。私自身を含め創業メンバーは、長年にわたって採用に真剣に向き合い、採用という仕事の素晴らしさも難しさも経験してきました。その経験を生かして、いかにテクノロジーでチェーンを減らしていくかにこだわり細かい機能へ落とし込んでいます。これが他社のサービスと比較したときの差別化のひとつです。

例えば採用過程の中で、応募者がエントリー後、7日経っても説明会未予約の場合の予約リマインドメールなどの作業を、担当者が一件一件手作業で行っている場合があります。SONAR ATSのカスタムフォローアクションという機能を使えば、一つ一つのステップに、例えば書類の未提出者には説明会出席の3日後にリマインドする、などといった自動のアクションを仕込むことができます。これによってきめ細やかな自動化設定が可能になり、応募者へ配慮しながら採用担当者のオペレーションの負担を格段に減らすことができます。

次に「フレキシビリティ」についてですが、SONAR ATSは各社の採用ポリシーによって異なる採用バリューチェーンの中身を、システムのカスタマイズ不要で設計できる柔軟性にこだわっています。例えば一次面接で高評価だった応募者について、二次選考を通り越して三次選考に進めたい場合があるとします。決められたフローやプロセスでしか管理できないATSを使う場合、そのような際に頭の中で管理しなければならなくなってきてしまいます。SONAR ATSでは、フローの組み替えがカスタマイズ不要で簡単に行えるため、ドラッグ&ドロップで感覚的に自由なフローを組むことができます。ATSの型に縛られず自分たちの理想を反映できるという「フレキシビリティ」がSONAR ATSの特長のひとつです。

ーー競合はありますか?

当社のサービスは新卒も中途も管理できるという点で、どちらの領域で展開されている他社サービスも競合と言えます。ただ、当社では競合企業も市場を盛り上げる仲間だと考えているため、今後も共に発展していけたらと考えています。

ーー他の採用管理システムと比べたSONAR ATSの強みはなんですか?

多くの採用管理システムは新卒採用や中途採用、大企業や中小企業などターゲットを分けていますが、SONAR ATSは新卒・中途採用両方を、規模を問わずに管理出来ます。また、様々な業界の企業に幅広くご利用いただいていることも特徴です。2013年の創業当初のユーザーは、広告メディア、ウェブサービス系などの比較的新しいものを積極的に取り入れる企業が多かったのですが、徐々にメーカーや小売業界の企業も増え、現在は中小企業からソフトバンク、ニトリ、NTTデータなど大企業のみなさままで、導入実績は710社を超えました。

シリコンバレーで気付いた、採用業界へのIT化の必要性

ーー起業の経緯を教えてください

私自身は2002年に社会人になったのですが、当時では珍しく、大学時代からインターンをしていた企業に入社しました。この採用コンサルのスタートアップ企業での経験が、採用業界へ関わるきっかけとなりました。それから3年半勤めた後、2005年に商社に転職し、8年間勤めました。商社ではシリコンバレーに駐在し、現地の最先端のテクノロジーやサービスを日本やアジア諸国に展開するという仕事をしていました。そこでずっとITと関わったことにより、テクノロジーでここまでできるんだ、ということを肌で感じました。と同時に、自分がもともといた採用業界を振り返ったときに、すごくアナログな業界だということに改めて気が付いたんです。そのような経緯で、採用業界にテクノロジーを持ち込むことで、新たな価値を生み出せるのではないかと考えたのが起業のきっかけです。

ーー事業を始めてから今までで苦労したことはなんですか?

2012年頃からプロトタイプの準備は始めて、2013年に起業しました。

最初は小さい赤坂見附のレンタルオフィスを借りて、そこで地道に企業に連絡をとってサービスを見てもらうということをひたすらやっていました。初年度はキャッシュショート直前にまで追い詰められ、創業メンバーが辞めてしまったりと苦しい時期もありましたが、なんとか危機を乗り越えました。

次の目標は、HR領域におけるマーケットプレイスの実現

ーー今後の展望を教えてください

今後は単にツール連携するだけではなく、自社の採用データをもとに、採用の成功に向けてSONAR ATSから最適なHRサービスの組み合わせを提案する機能も実装していきたいと考えています。

私たちは、ここ数年で企業と個人の関係性にパラダイムシフトが起きていると感じています。最近は口コミサイトやOB訪問を通して個人が入社前に企業の実態を知ることができるようになってきましたし、企業と応募者の関係性はより対等になっていくと考えています。今後は、企業と応募者がお互いに分かり合う過程がよりよい体験となるように、様々なHRサービスを組み合わせ理想の採用を実現できるようなサービスを目指していきます。

そのために、あまたあるHRサービスをうまく束ねてスマートに管理できるようにし、企業側のUXと共に応募者側のCXを向上させていくことが次の目標です。

ーー次のビジョンはなんですか?

Thinkingsグループでは、テクノロジーによって仕事をより良くするということを、様々な分野で推進していきたいと考えています。

直近では、SONAR ATSのマーケットプレイス化を目指すにあたり、「採用業務のインフラ」を担うHRTech企業として、株式公開(IPO)を目指していきます。

変化し続ける採用業界とSONAR ATSに今後も注目していきたい。

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編集後記

取材担当阿久沢

「採用担当者が本来の仕事に集中できる環境を構築し、理想の採用を実現する」というプロダクトの理念に魅力を感じました。HR Tech領域の今後の発展にも注目していきたいですね。


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