情報があまり出回っていない上にチェック項目が複雑な事業用不動産。オフィス探しで苦労する企業は少なくない。一目で比較できるプラットフォームがあったら便利なのではないだろうか。
株式会社estie(エスティ)の提供する、estie(エスティ)とestie pro(エスティ プロ)は、オフィスを探すテナントと不動産仲介会社、ビルのオーナーを繋いで、最適な物件との出会いをサポートしてくれるという。
どんなサービスなのだろう。株式会社estieの田渕さんにお話を伺った。
田渕梨理子
ーー株式会社estieの提供するサービスについて教えてください
当社ではestieとestie proという2つのサービスを提供しています。どちらも店舗やオフィスのための事業用不動産を取り扱っています。
ーーestieはどのようなサービスですか?
estieはオフィス用の物件を探しているテナントと不動産仲介会社をつなげるプラットフォームです。
ーーどのように利用するのですか?
estieを利用すれば、我々が提携している大手の仲介会社から安心してオフィスを探していただけます。オフィスを探しているお客様は情報を登録し、仲介会社はその情報をもとに物件を提案します。お客様の会社名や電話番号は仲介会社には見えないようになっていて、従業員数や面積など物件を探す際に必要な情報のみが表示されるようになっています。提案された物件の中で気になるものがあったらサービス内でチャットを送り、そこから会社名などを公開してやりとりができる仕組みです。その後に内覧に行っていただき希望の物件が見つかったら契約をするというフローになっています。
ーーユーザーはどのような方ですか?
estieに登録しているのは起業から年数の浅いスタートアップ企業様が多いです。特にコロナ渦以前では渋谷周辺でオフィスを探しているお客様が多かった印象です。
オフィス探しのノウハウがない初めてオフィス探しをする方には、安心して大手の仲介会社に出会えることができる点に評価をいただいています。
ーーユーザーのメリットはなんですか?
メリットとしては、大手の仲介会社の過半が参画していることです。estieは国内最大規模のデータベースを持っておりますので、全国の物件の中からご希望に沿う物件を探していただくことが可能です。
従来では、複数の仲介会社に条件や情報を提示して比較検討しなければならなかったところを、estieを利用すれば、一括して複数の会社から提案を受けることができます。
さらに、AIを利用してお客様の登録した情報をもとにレコメンドをする機能があります。
お客様には、自分で検索して絞り込む、AIのレコメンドを受ける、信頼のおける仲介会社のエージェントさんの提案を受ける、の3つの方法を利用して最適な物件を探していただくことができます。
ーーestie proはどのようなサービスですか?
estie proは、不動産仲介会社とオーナーさんを繋ぐプラットフォームです。大手デベロッパー様やPM会社様に導入していただいています。
ーーどのような課題を解決しますか?
賃貸住宅ではプラットフォームがすでに確立されていますが、事業用不動産に関してはそのようなプラットフォームは今までありませんでした。そのため新規オフィスビル建設の際などの周辺情報の収集には、手間と時間がかかってしまっていました。
estieとestie proは事業用不動産のデータベースを共有しているので、効率的な情報収集を可能にしています。
ーーサービスの特徴を教えてください
estie proは全国のオフィスビル情報を約7万棟、募集情報で言うと40万フロアのデータを保持しています。日時で更新される募集情報や賃料情報の提供はもちろん、ゼンリングループと連携し入居テナントの情報も掲載しています。ご利用いただいている企業様には見たい情報のエリアや情報を絞り込むことで、必要な情報のみが一覧として簡単に表示されます。
また、機械学習の知見を生かした機能も特徴であると言えます。estie proでは、豊富なデータベースをもとに分析した5年分の将来予測賃料を提示することができます。今、提示している賃料が相場に比べ適正化の判断や、どの時期に新しくビルの建設をするか等の、参考にしていただくことが出来ます。
ーーサービスを立ち上げた経緯を教えてください。
創業者の平井とCTOの宮野は中学、高校、大学の同級生で2人とも東京大学出身です。大学卒業後に平井は三菱地所に勤めてオフィスビルの営業や海外投資を取り扱い、宮野はNTTドコモで機械学習に携わっていました。不動産の知見とITの知見を生かして、IT化の進みの遅い不動産業界を変えていきたいと考えて不動産テックカンパニーの創業に至りました。
ーーサービスは今後どのような展開をしていきますか?
2つのサービスをリリースして9月でちょうど1年になります。今後はデータや分析機能を拡充し、estieとestie proを事業用不動産のインフラにしていきたいです。
ーー目指す世界観は何ですか?
デベロッパーから仲介会社、仲介会社からお客様へのデータ連携の加速は、空室期間の無駄を削減することができるので、誰にとってもメリットになります。
不動産業界のデータ流通はかなり複雑化しているので、それをクリアな状態にすることが我々の目指す世界です。
今後、「オフィス探しならestie」が定番になっていくかもしれない。
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