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インタビュー 2021.02.26

「未利用の農作物を減らしたい」作って欲しい農作物を作る、逆転発想の農作物安定供給プラットフォームーー株式会社エーエスピー

近年、まだ食べられる食品が大量に廃棄されている現状を意味する『フードロス』が世界中で問題視されている。また日本においては農家の高齢化と農業人口の急速の減少や天候不順による農作物の供給量低下が課題となっている。

これら二つの課題の両方の解決に取り組んでいるのが株式会社エーエスピーだ。

どんなサービスを提供しているのか、代表の林さんに詳しくお話を伺った。

プロフィール

代表取締役社長 林 直樹

「未利用の農作物を減らしたい」、「作って欲しい農作物を作る」、逆転発想の農作物安定供給プラットフォーム

ーーひとことで言うとどのようなサービスですか?

株式会社エーエスピーが提供するのは、「作って欲しい農作物を作る」サービスと「今まで捨てられていたものを食べ物に変える」サービスです。

二つのコンセプトは根本的には同じで、採れた農作物をできるだけ全て利用しようというものです。

近年フードロスが問題になっていますが、実はフードロスにすらカウントされていない、規格外品として市場に出回るまでもなく捨てられている農作物が現在約210万トンほどあります。そういった今まで未利用だった農作物を加工して食品の原料にしていく事業です。食品メーカーや飲食チェーン向けの原料として年間を通して安定した供給を実現します。

ーーサービスを利用するメリットはなんですか?

生産者さんにとっては、食品メーカーに安定した数量を仕入れてもらうことができるため、収益の安定性を確保できます。さらに、弊社が同じ作物を作る農家さんとのネットワークを活用してその作物をとりまとめることで、今まで数量が不安定だった作物の供給量を底上げすることで取引としてつなげることができます。

食品メーカーさんにとっては、今まで不安定だった数量や価格が安定して仕入れることかできるようになることが第一のメリットです。さらに、自社で原料となる農作物を栽培していない食品メーカーにとって、契約を結ぶために一件一件の栽培農家さんを探してやりとりをする手間が減らせること、未利用だった農作物を使うことで新しい原料を開発できるということもメリットです。

ーーどのような企業と提携しているのですか?

需要と供給の双方の企業との連携が必要です。特に年間を通して原料の量・価格共に安定した供給が必要な企業です。主に日本の大手の食品会社と契約しています。また供給にあたって原料化するための1次加工を中心とする加工会社などです。

ーー競合はありますか?

競合として、専業メーカーと思われがちですが、私としては共創的な動きが創れると考えています。「今まで捨てられていたもの」を活用していくうえでは、日本各地に眠っている素敵な食材に関する多くの情報が集まってくるという点で優位性があります。また食品メーカーの新しい原料開発では、粉末やペーストといった様々な原料の加工法も大事なポイントになります。特に特徴ある技術をもつ専業メーカー様とは、加工委託など共存できるネットワークの構築を進めています。

生産者と食品メーカーともにメリットのあるマッチングを実現

ーーサービス立ち上げの経緯について教えてください。

私は前職の食品メーカーでドレッシングの開発をしていました。その際に原料メーカーさんとお付き合いする機会が多く、一緒に原料開発や特許の申請なども行いました。メーカーを辞めてからは自治体や経済産業省の産業振興の仕事を長くしていた関係で、8年ほどくらい前からいろいろな地域の生産者さんの販路開拓支援として原料メーカーなどにマッチングをしてきました。こだわりを持って農作物を作っている生産者さんは、とても多いです。しかし、農作物は良品として扱われる規格があるため、規格外として扱われる農作物も必ず出ます。その多くは畑などに埋めて出荷されないことも多いのが現状です。見た目以外の品質は良品と同等ですので、加工食品の原料という形で販売できたら生産者さんの収益にも繋がります。また、良品の価格を下げることなくブランドを維持することができる点にも可能性を感じました。近年、天候不順や高齢化の影響で給料が落ちている作物もある中で、逆に食品メーカーさんの方から作って欲しい農作物の相談を受けるケースが増えてきましたので、「作ったものを売る」のではなく、「作って欲しいものをどう作るか」という考えにシフトして2018年に会社を立ち上げました。

「規格外品」という言葉自体のない世界を目指して

ーーサービスは今後どのような進化をしていきますか?

現在すでに関わっているレモンやキャベツ、トマト、パプリカなど需要が伸びていたり、流通量が多く、利用シーンの多い農作物から取り掛かり、徐々に関与するエリアを広げていきたいと考えています。そして第二ステップとして機能性など高付加価値の原料となるものを中心に対象農作物の品目を増やしていくだけでなく、作物と地域の需給バランスを変えていくのが目標です。

ーー目指している世界観やビジョンはありますか?

未利用の農産物が原料として使えるということをもっと世間に広めていきたいです。そうすることでSDGsやフードロスといった環境問題に関心のあるメーカーさんにもさらに前向きに取り組んでいただけるのではないかと思います。

現在、「規格外品」という言葉がありますが、我々のサービスが普及することで「規格外品」という言葉自体がない世界を目指しています。

世界中で日本語の『もったいない』という言葉が認知されていますが、実際のところ毎年大量の食品廃棄が起きてしまっています。そんな現状を見直し、日常的に発生してしまっている『もったいない』を実行に移すきっかけになってほしいですね。

株式会社エーエスピーが気になった方はこちら。

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